オリジナル脚本賞 | Title | ひる | コメント | |
Almost Famous あの頃ペニーレインと |
キャメロン・クロウ監督自身が10代の頃、レッド・ツェッペリン(だったかな)のツアーに同行した経験を元にした脚本。主人公の少年が目を輝かせながら大人の世界へ踏み出していく様子が生き生きと描かれている。誰もが未来を信じていた頃、主人公が出会う人がそれぞれにみんな優しいのは思い出の中だからだろうか。 | |||
Billy Elliot リトルダンサー |
炭鉱不況で閉塞感の募るイギリス北部の町。子供にかまってやれない父親。本当にやりたい事を見つけた少年。才能を育んであげたいと願うバレエ教師…一生懸命頑張るってカッコ悪い事じゃないんだと素直に再認識できる、まっすぐなお話が泣ける。 | |||
Erin Brockovich エリン ブロコビッチ |
実話を元にしながらもオリジナルの脚本。大企業相手では弱小法律事務所だけでは手に余ると、有名弁護士に訴訟が引き継がれそうになっても、「生まれて初めて人が私を頼りにしてくれている。投げ出す訳にはいかない」と頑張る主人公が頼もしい。母は強し。 | |||
Gladiator グラディエーター |
復讐だけが生きる支えの男(右)と、屈折した劣等感を誰にも吐露できない寂しい男(左)のたった2人の孤独な男のドラマ。人物設定も性格描写も単純明快ながら、それを描く設定が壮大かつ映像が圧巻で2時間半を飽きさせず最後まで引っ張る。これって脚本がいいからなの? | |||
You Can Count On Me | ○ | 幼くして両親を亡くした姉弟の再会。性格もライフスタイルも正反対の2人が互いに思いやり、衝突し、お互いの居場所を捜していく数週間をやさしく描いた作品。Kenneth Lonergan監督自らによる書下ろし脚本で昨年のサンダンス映画祭ではグランプリにあたる審査委員賞受賞作品。全米脚本家組合賞も受賞してオスカーに大きく前進。 | ||
脚本賞は伝統的に若い才能に優しい傾向があるので、強敵ぞろいの中、興行成績では一番低いYou Can Count On Meに一票。主演女優でJ.ロバーツに票を入れた人は、ここではYou Can Count On Meに投票するはず、と期待。
作品賞候補から漏れた「あの頃ペニーレインと」が一矢報いる。助演女優賞でケイト・ハドソンにいれなかった人の票が流れたのかも。一方の「You Can Count On Me」は無冠に。残念でした。 |
脚色賞 | 候補/作品 | ひる | コメント | |
Chocolat ショコラ |
小説の映画化。保守的な小さな村にやってきたチョコレート屋さんが巻き起こすちょっとした騒動が人々を変えて行く…。後味の良い良質のチョコレートのよう。 | |||
Crouching Tiger, Hidden Dragon グリーンデスティニー |
歴史絵巻、伝説の名刀を巡る攻防、技の継承、語られない愛…ダイナミックさと繊細さが共存した中身が濃さに高い評価。 | |||
O Brother, Where Art Thou | 原案はホーマーの「オデッセイ」なんだとか。3人の脱獄囚が自由を求めて珍道中を繰り広げる、主演のG.クルーニーはゴールデングローブ賞受賞。おなじみコーエン兄弟のコメディ。F.マクドーマンドとのおしどり受賞の再現なるか? | |||
Traffic トラフィック |
○ | イギリスのTVシリーズを下敷きにした、ドキュメンタリータッチの硬派ドラマ。アメリカが直面している最大の脅威、麻薬問題の根の深さ、行く場の無さが浮き彫りに。WGA全米脚本家組合賞を受賞。 | ||
Wonder Boys ワンダーボーイズ |
ベストセラー小説の映画化。マイケル・ダグラス演じる大学教授・小説家の踏んだりけったりの週末を通して、人生の岐路に立たされた中年男の悲哀を笑いに包んだ話。小説のエッセンスを残しつつ2時間にまとめた力量に評価が高い。 | |||
トラフィックvsワンダーボーイズの一騎討ち。作品賞を逃しそうなトラフィックに票が集まりそう。 |
撮影賞 | Title | ひる | コメント | |
Crouching Tiger, Hidden Dragon グリーンデスティニー |
ワイヤーアクションもさることながら、パノラミックな戦闘シーンも見事。 | |||
Gladiator グラディエーター |
○ | 冒頭の不必要に?長い戦闘シーン、ローマの街、大観衆のコロセウム…大画面の迫力を十分に生かした映像が堪能できます。 | ||
Malena マレーナ |
ニューシネマパラダイスのトルナトーレ監督のセンチメンタルな戦時もの。 | |||
O Brother, Where Art Thou | 脱獄囚3人が繰り広げる珍道中。大草原を逃げる脱獄囚を追う画像が美しい。 | |||
The Patriot パトリオット |
心ならずもアメリカ独立戦争に関わっていく男の愛国心と家族愛のドラマ。やぱり見せ場は戦闘シーン。 | |||
撮影がすごい=映像が綺麗ってこと?ちょっと違うような。室内ものより、大自然を大画面にどーんと映し出すと賞を獲れるような印象があるのは気のせいかな。上記の中では「グラディエーター」しか見てないんですけど、CGと分っていても圧倒されるローマ時代の映像の数々は映画館で楽しみたいな、ということで一票。
中国の大自然を迫力ある映像でスクリーンに再現したグリーン・デスティニーが受賞。受賞者のピーター・パウ氏の誇らしげなスピーチに少しうるっと来た。 |
編集賞 | Title | ひる | コメント | |
Almost Famous あの頃ペニーレインと |
キャメロン・クロウ監督のノスタルジックな自伝的作品。大人の世界に踏み出していく早熟だけれど純真な少年の、ほろ苦いひと夏の経験。 | |||
Crouching Tiger, Hidden Dragon グリーンデスティニー |
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Gladiator グラディエーター |
世界史の教科書には「生活に不満を持つひとびとはパンと見せものを要求してローマに押し寄せた」とあったが、こういうみせものだったのか。殺し合いを見てカタルシスを得るなんて悪趣味だ。でもそれってある意味現代にも共通しているのかも。 | |||
Traffic トラフィック |
○ | 3つのエピソードはそれぞれ直接交わることはないものの、「麻薬戦争」という根の深い問題の側面として同時に進行していく。見ているほうもついて行くのに大変な群像劇、編集のし甲斐があったことでしょう。 | ||
Wonder Boys ワンダーボーイズ |
前作があまりに評判が良く、次の作品が恐くて脱稿できない作家。不倫中の愛人からは妊娠を告げられ、大学の女生徒からは誘惑され、非凡な文才を持つオタク青年の起こす騒動にも巻き込まれる…今となっては笑い話の中年作家の人生の岐路となった週末の顛末。 | |||
いくら綺麗な映像を撮っても、迫真の演技であっても、最後に編集しなければ映画にはならない。それだけ大事な仕事ではあるけれど、編集の巧拙ってプロの人でないと分らないんじゃ…。画面がまめに替わるから編集がすごいってことでもないだろうし…。というわけで、よく分かってないですが、めまぐるしく展開する3つのエピソードをまとめあげたってことで、Trafficに一票。 |
衣装デザイン賞 | Title | ひる | コメント | |
Crouching Tiger, Hidden Dragon グリーンデスティニー |
「乱」「ラストエンペラー」と東洋ものは何故か実績が。 | |||
Dr. Seuss' How The Grinch Stole Christmas グリンチ |
ファンタジーの映像化の雰囲気を壊さない衣装デザインってけっこう難しいのかも。 | |||
Gladiator グラディエーター |
時代考証をしてるんだかどうなんだかよくわからないが、戦闘服から貴族の衣装、市井の人々の服までなんとなくそれっぽい。正確かどうかは別にしてローマ帝国時代を見事に再現。 | |||
102 Dalmatians 102 |
グレン・クローズが悪の権化クルエラ・デ・ビルになりきりの怪演。もともとがアニメだけに衣装も奇抜。 | |||
Quills クイルス |
○ | コスチュームものはこのカテゴリに強い、という単純な理由での予想。 | ||
美術賞 | Title | ひる | コメント | |
Crouching Tiger, Hidden Dragon グリーンデスティニー |
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Dr.Seuss' How The Grinch Stole Christmas グリンチ |
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Gladiator グラディエーター |
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Quills クイルス |
○ | |||
Vatel 宮廷料理人 バテール |
宮廷ものは美術賞に強い。というか美術賞ノミネートを決めるひとが宮廷ものに弱いのか? | |||
衣装デザイン賞と共にコスチュームものが伝統的に強い。というわけで、クイルスvsバテールか。票が割れればグリーンデスティニーかも。
受賞者の方、英語のスピーチに不慣れの様で、アン・リー監督の名前を言うのが精一杯。でもいいひとみたいだった。 |
メイクアップ賞 | Title | ひる | コメント | |
The Cell ザ・セル |
ジェニファー・ロペス演じるセラピストが犯罪捜査のため、連続殺人犯の心に入りこんでいくうちに巻き込まれていく狂気の精神世界……実験的映像満載のサイコサスペンス。メイクが妖しい雰囲気作りに一役買ってます。 | |||
Dr.Seuss' How The Grinch Stole Christmas グリンチ |
○ | 世界で一番緑が似合う男、ジム・キャリーが「マスク」「バットマンリターンズ」に続いてまたまた緑色に。クリスマス・シーズンを席巻したファミリー向け映画で、興行成績がミッションインポッシブル2を抜いて2000年度のNo.1に。 | ||
Shadow of the Vampire | 本物のドラキュラ映画が撮りたいと切望する監督が主役に抜擢した男は恐いくらいに役にはまっている。だって彼は本物の…。監督の演技指導に逆らえない気弱な吸血鬼のメークが秀逸。 | |||
2000年度最大のヒット作品を認知するとしたらこのカテゴリかな、ということでグリンチに一票。 |