ぬか漬けQ&A [INDEX]

●ぬか漬けがすっぱい
●ぬか漬けがしょっぱい
●留守にしなければならない
●ぬか床が水っぽい
●漬物の日持ちは?
●なぜ手入れの必要があるの?
●カビが生えた!
●どこまで手を抜けるか
●ぬか床のにおい、何とかならない?
●ぬか床が傷んだみたい

Q:ぬか漬けがすっぱい
 A:もともとある程度の酸味は必要ですが、手入れの回数が少なかったり、気温が高かったりすると、極端にすっぱくなります。手入れをより入念にし、回数を増やせばいいと思いますが、なかなかできることではありません。そこで、ぬか床に卵の殻を入れて、酸性を中和しましょう。卵の殻は1個分で十分です。内側の膜をはがし、適当に割り入れて混ぜます。また、柚子やみかんの皮を入れても、味をごまかすことができます。柚子やみかんの皮は、2〜3日で取り出すか、その必要がないように細かく刻んだものを入れます。これで、味が悪くなることはなくなるでしょう。

 ぬか漬けがすっぱくなるのは、ぬか床内の有効菌のバランスが悪くなっている証拠です。手入れに気を配るか、塩や香辛料を入れて、悪玉菌の繁殖を抑えましょう。味が変わるのは嫌だが、手入れも増やしたくない人は、ぬか床ごと冷蔵庫に入れてしまいましょう。


Q:ぬか漬けがしょっぱい
 A:米ぬかからぬか床を作ると、なれるまで1ヶ月ほど塩気が強くなることがあるそうですが、ぬか漬けの素から作っている場合は、塩の入れすぎです。ぬかを足すときに塩を入れるのをやめ、野菜にすり込む塩を減らせば、次第に塩気は薄まります。すぐにでも塩気を減らしたいのなら、新たにぬかを入れ、希釈するとよいでしょう。

Q:留守にしなければならない
 A:ぬか床から野菜を取り出し、冷蔵庫に入れておけば、4〜5日は大丈夫です。さらに長期間、ぬか床を保存する必要がある場合には、ぬかの表面に粗塩を撒いて冷蔵庫に入れてください。復帰させるときには、すぐに手入れをします。塩を撒いた部分は除去します。その際、ぬかが緩くならない程度にビールを入れると、ぬか床が早く元気になります。とりあえずビールでご苦労様。ぬか床も私たちも一緒です。野菜を入れるのは、翌日からにしましょう。

Q:ぬか床が水っぽい
 A:漬物を作っている以上、避けては通れない問題ですが、とくに、漬かった野菜を取り出すときに、ぬかがもったいないと思って、付着したぬかを、ぬか床に削ぎ落としていると、ぬか床がだんだん水っぽくなります。付着したぬかは、軽く払い落とす程度にし、ぬか床が減ったら新たに炒りぬかを足すようにすれば、あまりぬかが緩くなることはないと思います。どうしても、緩くなるようであれば、ぬか床の表面に布巾を押し当てて、水分を吸い取ります。

Q:漬物の日持ちは?
 A:私たちの舌に慣れている味は、もはや保存食としての漬物ではありません。ぬか床から取り出した野菜は、冷蔵庫に入れ、その日のうちに食べましょう。

Q:なぜ手入れの必要があるの?
 A:それは、ぬか床の健全な発酵を促すためです。ぬか床の中には、酵母菌、乳酸菌といった、ぬか漬けを作るための善玉菌と、ぬか床や野菜を腐敗させる悪玉菌がいます。この善玉菌は空気を好み、悪玉菌の多くは空気を嫌うため、ぬか床をかき混ぜて空気を送り込むことによって、善玉菌の発酵を促進させ、悪玉菌の繁殖を抑えるのです。手入れをサボっていると、ぬかに含まれる空気の量が減って悪玉菌が増え、漬物がまずくなったり、ぬか床が悪臭を放ったりし、ついにはカビが生えてしまいます。

 私が勧めている冷蔵庫での保存は、低温によって、善玉菌、悪玉菌の両方の活動を抑えるものですから、手入れの周期を延ばすことはできても、手入れを怠ることはできません。おいしいぬか漬けを作るために、がんばって手入れの習慣を作りましょう。


Q:カビが生えた!
 A:仕方ありませんねぇ。カビが生えてしまったら、まずカビ部分と周辺のぬかを取り去ります。くれぐれも、カビ部分を混ぜ込まないように注意しましょう。完全にカビを除去できたら、ぬか床に入っている野菜や釘などを取り出します。そして新たに塩とぬかを足し、元気づけるためにビールを注ぎます。よくかき混ぜたら、常温で保存してください。もちろん、手入れは怠りのないようにしましょう。2〜3日様子を見て、色や形状、においなどが正常に戻ってから、野菜を漬けはじめましょう。症状がひどければ、「Q:ぬか床が傷んだみたい」へ。

Q:どこまで手を抜けるか?
 A:まず、盛夏に冷蔵庫に入れるのは基本です。夏の暑い盛りには、1日1回の手入れを怠るだけで、すぐにぬか漬けがすっぱくなります。4〜5日放置すれば、カビが生えてしまうでしょう。そこで、容器ごと冷蔵庫に入れてしまえば、2日に1回程度の手入れでも、ぬか漬けを続けることができます。たまに、常温で保存して、ぬか床が変性していないかどうか見てみましょう。

 冬場は、全国的にも各家庭においても温度差が著しいと思いますが、常温保存で、1〜2日に1度の手入れでいいでしょう。逆にいうと、それほど漬かるまで時間がかかるのです。毎日食べたい人は、漬ける野菜の量を増やして、今日食べるものと明日食べるものとが、いつも入っているようにします。

 ぬか漬けを一時的に休止する場合には、ぬか床に入っているものをすべて取り出し、冷凍保存することができるそうです。再開するときには、常温で自然解凍し、様子を見ながら復帰させてゆけばよいでしょう。


Q:ぬか床のにおい、何とかならない?
 A:私は、順調に発酵しているぬか床のにおいを不快だとは思いませんが、家中にぬかの匂いがしたら、確かにイヤですね。気になる人は、密閉容器に入れましょう。ぬかは呼吸していますが、密閉容器に入れていても、日常の使用には差し支えありません。腐敗臭がするときには、ぬか床が傷んでいますから、対策をしましょう。

Q:ぬか床が傷んだみたい
 A:いろんな症状がありますが、ぬか全体が完全に変質してしまった以外は、復旧は可能だと思います。

 症状が軽ければ、新しいぬかを多めに足し、ぬかが十分吸収できる程度のビールを入れて4〜5日手入れを続ければ、かなり回復します。食パンを入れるのも効果があるそうです。もし水が上がっていれば、布巾などで吸着します。野菜を漬けるのは、休止しましょう。

 症状が重く、ぬかの一部が腐敗しているような場合でも、どこかにまだ元気なぬかが残っていれば、それを摘出し、種ぬかとして用いて再スタートすることができます。再スタートするときには、毎日、ぬか・塩などの基本成分を足し、屑野菜を漬けます。屑野菜は水分を補給するのが目的ですから、翌日には取り出して捨てます。急ぐときには、ぬかが湿る程度に、ビールでの水分補給も加えるとよいでしょう。

 いずれの場合においても、復旧期間は常温で保管します。夏でも常温です。手入れも1日2回以上、丁寧に行いましょう。


 

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