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2007/06/30

 すごくイマサラな話。クイーンズブレイドがロストワールドだって知ってリアルで吹きました。体力7のSkeletonでHill Troll(35だっけ?)どうやって倒そうかアタマひねったりしてたのも今は昔の遠い想い出。そういう自分にとって、やたら露出度高いクイーンズブレイドのおねーさんに萌えるのはかえって難しいです。

「ニムロッド/吉原昌宏」(bk1)(amazon)
ニムロッド 最近嬉しかった復刊。刊行自体は3月でしたが、読んだのは最近。思い返すにウルトラジャンプで「ニムロッド」があっさり三話で終わったのは悲しかったですが、人気なかったのかしらん。
 で、これに載ってるのは二編。「ニムロッド」は北アイルランドに潜入してIRA暫定派から依頼人の息子を奪還するって話。「オホートニク」は元スペツナズ隊員の活躍する話。どっちも主人公は女性です。萌えるってよりも燃えるマッチョなおねーさん。このおねーさんが捻挫でうめいたりリペリング失敗しかけてゲロ吐いたりしながらも、任務達成に向けて苦闘する。んで、このおねーさんが頑張るってのがいいのですよ。さいきんよくあるけど、天才(と作中で設定されてる御仁)があっさり解決するんじゃ、オハナシそのものが軽くなっちゃうじゃないですか。障壁高ければこそそこを乗り越えるドラマもありましょう。そしてそれが細部まで凝りまくった銃器描写とともに語られるんだから、もうブラボーなのですよ。
 ところでこの本は「吉原昌宏作品集2」ということで出ていまして、同時刊行の作品集1が「迎撃空域」(bk1)(amazon)、作品集3が「ライカの帰還」(bk1)(amazon)。戦史方面興味あるならこの2冊もオススメです。ていうか読め。

2007/06/26

 忙中有閑六月限定ゲーム日和、でもHOI2DDを1936年から1953年まで大国でマトモに流さずにやろうとしたらやっぱり時間がかかって、だからせっかくインストールしたHarpoon 3 Advanced Naval Warfare が、とりあえずチュートリアルやってン年ぶりに操作思い出したあたりで止まってしまって、インストールしたといえばPOWER DoLLS 5 plus Xもそうだけど、なんかサントラ聞いて懐かしんでいるだけという体たらくで、なんてやってるところにニコニコ動画でDEFCONリプレイなんてのを見つけちゃっていやもうこれがすんごく面白そうなんですけどどうしましょう。

 これはあれだ、五月病ってやつ(誤診

「雪の中の軍曹/著 マリオ・リゴーニ・ステルン 訳 大久保 昭男」(bk1)(amazon)
雪の中の軍曹 こういう本も読んだよってことでご紹介。
 イタリア人の手による従軍記としては名著中の名著だそうですが、ようやく読めました。たしかにこれは平明でわかりやすい。
 作中、著者は実名でリゴーニ軍曹として登場します。1942年から43年の冬季東部戦線での従軍記、というか敗走記。端的にいえばスターリングラードの包囲による枢軸軍戦線の大崩壊、その大きな流れ、というか雪崩にのまれるようにしての、雪の中の敗走記。
 序盤の塹壕こもって対峙してるあたりは、まだ余裕あるんですよね。いかにも陣中の一幕みたいな光景もあったり。たとえば万国の歩兵で共通であろう食い物ネタ。補給受け取って陣地に戻るところの描写。

 あまり急いだので、滑って転んだが、フィアスコ瓶も壊さなかったし、パスタも手から落とさなかった。転ぶにもコツがあるというものだ。あるとき、飯盒四つを手に持ったまま氷の上で滑ったことがあったが、中のものを一滴もこぼさなかった。体は横に倒れたが、四つの飯盒は、水平に伸ばした腕の先の手の中で少しも傾かなかった。イタリアでは、スキーヤーたちが、酒の入った器を四つも持ったまま滑るということさえしてのける。
 拠点に帰り着くと、歩哨に誰何されたので、私はロシア兵にも聞こえるほどの大声で、「パスタとぶどう酒!」と叫んだ。

 転んでも戦友のメシは手放さない見上げた古参兵の心意気。
 でも敗勢となってくると、そんな呑気なことしてる場合じゃなくなってきて、敵は来るし、戦友は斃れていくし、ムッソリーニの悪口言っても戦況が良くなるわけも無く、ロシア人農民に食料もらったり別部隊にいた幼馴染にばったりあったりもするけど、雪の中をひたすら歩かなきゃいけないのは変わらない(ドイツでさえ中途半端な自動車化だったんですからドイツ以外の枢軸軍、イタリアとかルーマニアとかは推して知るべし)
 そしてこの敗走の一部始終、徹底して一人称で、つまり軍曹の目線で描かれます。もちろん陣中記じゃなくて戦後に筆を執った作品なんですが、回想じゃなく、その時の生の心情だけなんですね。ひどい目にあった戦場を思い返すって時点で恨み言のひとつもでるかと思えば、そういうのは抑制されて、ただその場であったことをその場で経験した人間の生のコトバで淡々と刻んでいく。これがかえって凄みというかリアルというか。後書きで訳者は大岡昇平の「俘虜記」に擬してますが、むしろ伊藤桂一とか古山高麗雄の著作に近いものを感じました。もいっかい引用させてください。部隊が小休止をはさんで夜行軍を再開した場面です。

 こうして、ふたたび長い隊列の歩みが始まる。分隊に分隊が続き、小隊に小隊が続く。眠気、飢え、寒さ、疲れ、兵器の重さは、何ものでもなく、またすべてでもあった。肝心なのは、ただただ歩くことだった。そして、つねに夜であり、雪であり、ひたすら雪であり、星であり、ただただ星だった。星を見つめた私は、自分たちの歩いていく方角が変わったことに気づいた。いったい、どこへ向かうのだろう。

 訳の巧さもありましょうが、飾らない言葉が時に詩のように心を打つ好例と思います。

2007/06/20

 世情喧しい年金の消えたとか浮いたとかどっかいっちゃったーとかの話。

 ここで自分が萌え絵師だったら、いっちょ擬人化年金たんとか書いて受けをとったりもしたいところですが、そうもいきません。よって以下は民間のシステム屋で勘定系の保守とか開発とかやりつつデータロストに至るようなトラブルを一度ならず経験したダメ人間の放言デス。

 以上ひさしぶりにプログラムとか作るハメになって色々とヤキが回ってることに気づかされたダメ人間の放言でした。どっとわらひ。

2007/06/12

 どこかで機動戦士ガンダム00のことをグリーンピースガンダムとか評しているのを見て、なんかいろいろ腑に落ちたり落ちなかったりしてしまう今日この頃です。黒田洋介、高河ゆん、両氏ともブチ切れた才能持ってる人だとは思いますが、取り合わせとしてはどうなんでしょ。いったいどんな化学変化してしまうのか、期待というよりもなぜか不安に……。

電脳コイル」(amazon)
電脳コイル (1) 限定版 気づけば初回から欠かさず見てます、電脳コイル。面白いんだもの。
 すっかり当たり前になりきってしまった電脳やらネットやら。なにしろ郊外のまちの子供たちの世界にまで、そういう道具が行き渡ってるって設定ですからね。あー、lainのワイヤード、リアルワールドのイメージにわくわくしながら見ていたのが、えーと、いつだ、1998年って9年前か(うひー)。思えば遠くに来たもんだ。一回転も二回転しちゃったserial experiments lainなんていうカンジに楽しんでます。
 でも、もちろんそれだけじゃなくて、っていうかそーゆー見方は多分アレで、NHK午後6時台的ジュブナイルアニメの文脈で見るのがフツーだとおもいます。実際、小学生たちが主人公で、小学校とかその学区ぐらいの行動範囲の中で、ちょっと大人びたハラハラドキドキする冒険って、そりゃまさしく児童文学の王道じゃないですか。子供たちで粋がって“電脳探偵”、“ハッカークラブ”なんて、なんか「ズッコケ三人組/那須正幹」とか「マガーク少年探偵団/E.W.ヒルディック」だなあってにやにやしちゃうし、願いを叶える“ミチコさん”の謎なんてのからは「光車よ、まわれ!/天沢退二郎」とか連想したり。
 だけど、それでも、そんなところに電脳ギミックてんこ盛りなのがすんごく嬉しい。エラー駆除のサーチマトンなんて、これはどこの統治局@BLAME! ですかー状態だし、イサコとフミエの燃え燃えクラッキング合戦はこりゃもう攻殻機動隊(ついでにオフダって小道具がちょっと仙術超攻殻オリオン)
 ところで、今まさに小学生中学生って年代だとどうなんでしょうか。楽しめてるのかな。いい年したヤロウのように、郷愁3%くらい混じって見ることはないでしょうからね。そこはちょっとわからない。出てくるおにゃのこかわいいなーと思うより先に、ヤサコうぜえとかフミエうるせえとか受け取っちゃうのかもしれません。いや、でも、マセガキなら、イサコのエロスあふれる高飛車女王様っぷりに、きっと無条件降伏しているはずデスよ。つーか、いちいち小学生のスカートひらひらさせてくれるのはどーゆーこと何考えてんだNHKもっとやれ(コラ
 何が言いたいかというと、6月16日(土)午後3:00~5:00 NHK教育テレビにて「電脳コイル」の1~5話を再放送するのでみんな見れということです。

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