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2007/05/22

 電脳コイルおもしろいなあ。

 えーと、Amazonからマイストア作らんかというメールは今まで何度か来ててずっと放置だったんだけど、ここんとこちょいと忙中有閑状態ですんでやっつけで作ってみますた→ 雑庫/Amazon別館。小人閑居して不善を為すとやらでして。はい。

「アメリカ外交50年/著 ジョージ・F・ケナン 訳 近藤 晋一,有賀 貞,飯田 藤次」(bk1)(Amazon)
アメリカ外交50年 こりゃすげえ。名著といわれるだけあるなあ。もっとはやく読めば良かったよう。
 実際に戦前戦中戦後と外交の第一線に立ってきた職業外交官であるケナンによる20世紀前半のアメリカ外交についての講義録、それからソ連封じ込め政策の理論的基盤となったといわれているX論文、がこの本には載ってます。んで、この講義録ってのがすごい。こんなにばったばったと快刀乱麻に語られた日にはですね、もうめろめろデスよ惚れますよ(コラ。中国、日本、ドイツ、ソ連についての洞察もさることながら、何よりもアメリカ自身を恐ろしく冷静に捉えている。平和時には孤立主義でいながら戦時には熱狂的に戦ってしまう、第二次大戦までのアメリカに見られるこの両面とも、大国のとる外交として問題のある法律家的道徳家的アプローチによるものだったと喝破してその弊をぐさぐさ指摘してます。んで、ここを変えてたらもうちょっとマシな戦争になってたんじゃないか、マシな戦後になってたんじゃないかとも。いやはや痛快。まあワタシが痛快って感じちゃう理由には、かつてアメリカにボコボコにされた敗戦国の人間だっていう部分もあるんですけどね。この講義録が出たときの西ベルリンの反応が知りたいデスよ。
 外交云々よりもまずアメリカってのがどーゆーエンジンで動いてるのか知りたいって人には必読キホンの一冊でしょう。なんといいますか、十年前の自分の首根っこひっつかんででも読ませたい後悔でいっぱいよ(なんだそれわ

2007/05/14

 ずっと忙しいのもアレだけど仕事の予定が猫の目で変わるのもしんどいです。二ヶ月ほどそんな調子。でもとりあえず休出しなくてすんだので、連休中は気合いれてHOI2DDのグローバルキャンペーンをドイツでやり直しちゃろうとしたのですが、ちんたらメモとりながらやってたら独ソ戦終わる前に連休の方が終わってしまいました。電撃戦ムズカシイ。

 で、昨日ようやく停戦になって、さあ大西洋に乗り出すぜいと思ったら、オーダーしてた Harpoon 3 Advanced Naval Warfare が届いちゃいましたよ。ぐはあ。

「EDEN 16/遠藤浩輝 」(bk1)(Amazon)
EDEN 16 ようやく着地点が見えてきた……のかな。ウィルス、コロイドの謎、マーヤの謎、原父連邦の成り立ち、バラード一家の行き着く先。いろいろもろもろ収斂していくようではありますが、正直いってこの数巻ちょいとダレ気味だったので、伏線回収怒濤の畳込み突っ走れ突っ走れ的な爽快感はありません。ただ、どーしてもディスクロージャーウィルスっていうか、コロイドという名の世界を覆う結晶が、しかもそいつは集合意識体だとかそんなふうにいわれたらですね、ソレが物語にどういうオチをつけてくれるかが気になってしょうがないのですよ。はい、ブラッドミュージック好きですし結晶世界も好きなんです。そういうものを見せてくれるんじゃないかなーという期待があるのです。はい。
「アガルタ 9/松本嵩春 」(bk1)(Amazon)
アガルタ 9 こちらはぜんぜん収斂しないなー。や、過去編ってことでいろいろ謎解きしてくれてるつもりなんでしょうが。庭師とかタマリスクとかハイランダーとか。でも相変わらず絵優先、説明二の次。そしてこの説明してんだかしてないんだか、とにかくとっちらかしたまま次から次へどわーと叩きつけられる、これもまた楽しい眩惑感覚。ヒトには勧めないけど読み続けてる、なんかすっかりそういう作品。
「百目の騎士 1/作 小池倫太郎村崎久都 」(bk1)(Amazon)
百目の騎士 1 上記2作とは違ってこちらは第1巻。こりゃあ面白いぜ、っていうのではなく、この先面白くなりそーという1冊。王制があって騎士階級が存在して戦争の部隊は宇宙で、とかを3ページ使って説明したらいきなり士官学校モノですかい。内紛の敗者側だけど騎士の血筋に生まれた主人公(これが表紙でガンとばしてる女の子チズル)が親衛隊に入隊したけど、あこがれてたそこはイジメだのシゴキだのが横行しててすっかり幻滅してしまい、受かる昇任試験も手を抜いてる。という具合でフテくされた状態のトコロに、面倒みろと押しつけられた後輩がとんでもなく素行不良な悪ガキのロッカ。
 今のところ、軍隊(というか学校)の中で、序列の低位な人間がどう折り合いつけてやっていくかっていう話でしかないんですが、しかしそーいう話でこの目つき悪いおにゃのこがですね、階級差振りかざす先任やらワガママ放題の後輩にですね、いいたいこといわずにぐっと耐えるというのがなかなか萌えるのですよ。物語はほんとまだ序盤で、コップの中の嵐って段階ですが、これが戦争とかそういう話にまでなったらどんだけ萌える内部抗争やってくれるのだろーかとね、もう。

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