《↑戻る》

2006/02/27

 映画観た帰り、なーんか目がかゆかったのですが花粉飛んでますかね、もう。

ホテル・ルワンダ/テリー・ジョージ監督作品」(amazon)
ホテル・ルワンダ ルワンダ紛争でのジェノサイドを扱った2004年の映画。紆余曲折あって先月から日本でも公開。観てきました。観られて良かったです。でも感想って何書けばいいのかな。平和がいいというのはもちろんだしジェノサイドいけませんというのもその通りなんだけど。主張とか教訓とかいう前に、映画として。
 この映画、いいシーンがたくさんあります。ジェノサイドを再現したシーンよりもむしろ役者の芝居。とくにホテルマネージャのポール役の主演ドン・チードルの芝居はすばらしく。その「現場」を見てしまった後ネクタイを締められなくなっちゃうところとか、ラスト近くで政府軍の将軍にせっぱ詰まったぎりぎりの交渉するところとか。
 だけど、いちばん印象強かったのが、実は子供。まあどんな役者でも動物と子役にはかなわないとかいいますが、そーゆー意味ではなく。映画中盤、ジェノサイドから逃れ駆け込んだ人たちで一杯になる高級ホテル。もちろんそこには子供たちもいて、でもって民兵から隔離状態のホテルでは息をひそめ続けるだけじゃなくて子供どうしで遊ぶ余裕が(少なくとも最初のうちは)ありました。廊下をかけっこしたり歌をうたったり。そういう緩急でいえば緩にあたる一連のシーンのうちプールサイドのシーン。歌声や手拍子に合わせてダンスをする子供たちが出てきます。ここ、記名される役柄ではなくて単なる子役AとかBとかなんですが、それにしては長いシーンで、しかも子供たちの表情のなんとも楽しそうなこと愛らしいこと輝かしいこと。撮影すんごく力入ってるのが判ります。単に子供がかわいいっていう以上の意味を持つシーンになってます。
 影でもって光を描く手法があるとすれば光によって闇を描くこともできるでしょう。この映画でジェノサイドの直接の場面は意図的に抑制されてます。でもやっぱり50万人以上が犠牲になったといわれてる凄まじいケースの告発でもあります。子供たちの表情とともに。光、闇、そして最後の最後、難民キャンプのシーンでの光。
 なんかうまくまとまりませんが、いつもみたくネタバレだらだら書くことも出来ません。いいシーンのたくさんある映画だと思います。ホテル・ルワンダ。

2006/02/12

 またしばらく間が開いちゃいました。しかも年をまたいで。というわけで今さらですが今年もよろしくおねがいします>諸兄諸姉
 でもしばらくは旧年中に読んだやつの感想がつづくかもだ。

 つーか、もうホテルルワンダ公開しちゃってますですよ上映館拡大中ですよさっさと見れ>おれ

「へうげもの 1/山田芳裕」(bk1)
へうげもの 1   主人公が古田左介、つまり古田織部、なんかもうこれだけで降参しそうなんですが。
 この1巻の時点では安土城が出来て毛利攻めが着々と進んで、っていう織田政権が順風満帆の頃。左介自身はまだ織田家の使い番で石高も少ないんだけど、そこは後年織部焼きとして名を残すほどの数寄者のサガというか、名物(茶器とか)に目がない。この名物への執着ぶりっていかオタクっぷりっていうのを左介だけじゃなく他のヒトタチのキャラ付けにも使ってるのが面白いですね。荒木村重なんて名物惜しさに謀反したよーになってますよ。うーわー。んで、名物前にしたときのオドロキっぷりっていうかタマシイ奪われっぷりがですね、どのヒトタチも山田芳裕流の目玉くわっの気持ちいいくらいの顔アップなのがまた。
 あと千宗易(利休)がいいですね。茶人としての道を極める一方で数寄者としての執着はおさえられず、そして内に秘めた野心は茶坊主の域を遙かに越えて。あーもー、本能寺はどーなるんだろーなー。期待期待超期待。

Copyright くわたろ 2006