《↑戻る》

2005/09/25

 うぎゃー。椅子壊れたー。座高調整できねー。ガス圧式のやつって修理できるんかしら。とほほ。

「ディエンビエンフー/西島大介」(bk1)
ディエンビエンフー ちょい前に読んだ本ですが感想を。これ、エピグラフはティム・オブライエンの「本当の戦争の話をしよう」から引いてます。で、オビのアオリは「世界一かわいい、ベトナム戦争」だったりします。そしてマンガの中身はというと、トンキン湾事件から北爆へと泥沼化していくベトナムで、日系人カメラマンを視点にヒロインであろうベトコンの女の子と出会うってオハナシではあるんだけど、その女の子がターミネーター並に強くてたった一人でアメリカ兵を斬って斬って斬りまくるふぁんたじー。戦争の話を従軍未経験者が描こうったってファンタジーになるしかないと割り切っていればこそ、こういうコトもできちゃうんでしょうけど、ただねえ、「凹村戦争」のときにも感じたんだけど、あんまりにもクールにそれを描かれちゃうとちょいと引っかかっちゃったりするんですよね。ファンタジーってことにしないで真っ正面から描いた作品だってあるわけだし。
 このマンガは冒頭にその終着点があらかじめ提示されてるんですが、最後のページ終わった時点でそこまでたどり着いてません。つまり未完。1巻という表記はないけど続刊はあるということですんで、それを待った上で、ファンタジーとして評価したいと思います。

2005/09/24

 ノート届きました。FaithProgress M2 47600A/DVR(ベースはASUSW3V)です。最低3年は使えるものをってことで選んだのでカタログ的にはそれなりですが、使ってみると発熱がけっこうあります。ってことで熱暴走が心配になってきた。

「EDEN 13/遠藤浩輝」(bk1)
EDEN 13 前巻あたりから続いてるオーストラリア編(?)では、てっきりケンジ達は出てこないのかと思ってましたが、アンデス編の主要キャラだったケンジ、カーン、ソフィア三人そろって再登場。これはうれしい。特にカーンはここまで過去をあまり語られなかったキャラですが、今後そういうシーンはあるんでしょうか。本筋(ディスクロージャーウィルスやコロイド絡みの展開)とあわせてカーンのオハナシにも期待です。
 ところですっかり裸エプロン(野郎)マンガになっているのはどういうことか。

2005/09/20

 とあるDVDをHMVで注文したところ二週間くらい経ってから在庫無いんだよねーどうするーとメール来てもうちょっと探してくれーって返信してそんなやりとり三回くらいしたあげくしゃーないなーとキャンセルしたんだけどその三日後に在庫有りとか表示されていましたですよ。しょぼん。

「アガルタ 8/松本嵩春」(bk1)
アガルタ 8 まだ8巻というかもう8巻というか。とはいえ物語の上では終わりはまだまだ見えないっていうか、相変わらず新設定出し続けているので。むー、美少年オービッツが面影のカケラもない姿で、っていうかもうナゾの物体Xってくらいの巨躯なのですが。あと、新キャラではダイアンおねーさんが気さくでけっこういい感じなんだけど、すでに死亡フラグっていうかもっとヤバげなフラグが濃厚でして。あああう。

2005/09/19

 終電で、タクシー乗り場までダッシュして、カーラジオから聞こえてくるのがラジオ深夜便。

「皇国の守護者 2/原作 佐藤大輔 漫画 伊藤悠」(bk1)
皇国の守護者 2 異世界仮想戦記のマンガ版2巻目。原作だと2巻前半くらいかな。北嶺撤退のための遅滞戦闘でそれなりに善戦してるところに後方からさらに十日の時間稼ぎしろといわれて、上官の戦死と戦時昇進で剣虎兵中隊を率いることになった新城大尉の選択した非常の手段とは焦土作戦だった……ってあたり。もともと原作が設定過多セリフ過多それこそ魅力の佐藤節ってワケですんで、このマンガでもセリフやト書きが多めですが、絵で見せるところはしっかりデカい絵で魅せてくれます。そういう緩急の付け方が巧いですね。たとえば夜間待ち伏せで予想を遙かに超える敵兵力と接触してしまったって状況をじりじりと説明して最後に「目標 敵先鋒 本部部隊! 躍進距離三〇〇! 総員 突撃にぃ 移れェッ!」って新城の号令。えー、これがただの「突撃」じゃなくて「突撃に移れ」ってあたりからして軍オタ的にもうニヤリなのですが、とにかくP47にあるこのセリフから流れるように10Pかけて描き出される、剣牙虎を交えた凄惨な白兵戦のシーンは、極私的に2巻の白眉。
 で、敵兵の被服で偽装した上で焦土作戦を実施するくだりは見せ方もわりと原作に忠実。原作知ってる人はわかると思いますが漆原少尉が民間人を誤射してしまうってゆー大事な場面を描いた上で2巻が終わります。あーもー展開わかってるはずなのにー、すっげー次が読みたいよー。

2005/09/18

 通販でノート発注。部屋の隅でガタガタ震えながら初期不良に当たらないようお祈りしてまふ。

 んで、それとは関係ないんですが、文具店の店頭で見かけて気になって、本立てなぞを買いました。背の高さが新書本にちと足りないくらいです。だからしてA4一枚紙をタテに置くと、半分くらいのところでしなってしまうのですが、まあワタシが職場から持ち帰る宿題はたいていヨコなんでOKです。

「SIDOOH 士道 2/高橋ツトム」(bk1)
SIDOOH 士道 2 1巻読んだ時点ではよくわかんなかったですが2巻になってよーやくハナシが見えました。時は幕末、黒船来航・安政大地震・疫病蔓延などで人心動揺激しい安政年間。貧窮した下層武士階級の幼い兄弟、雪村翔太郎、源太郎が主人公。父はすでに亡くなっていて母も1巻冒頭にコレラで死亡。食い詰めた兄弟は放浪の末に怪しげな宗教団体の支配するテリトリー“白心郷”に騙されて売られてしまうってまでが1巻。でもって2巻はその宗教団体の教義イベントとして行われる真剣勝負に、まだ素人剣術の翔太郎が生け贄同然に出場させられるってあたり。
 2巻で印象に残るのは翔太郎の剣術ですね。もちろん下手くそで勝つ見込みなんて限りなくゼロに近いんだけど、へっぴり腰ながらも一太刀ごとに必死にしのいでるのが高橋ツトム流の黒っぽい大ゴマで活写されててキモチイイ。3巻でどういう決着がつくのか楽しみです。それから“白心郷”教団の描写。カリスマぎらつかせる教祖だとか外面はストイックでも内側は俗物な信徒(見せ物のような真剣勝負儀式にトランス状態で熱狂する)とかには、幕末に乱立した民間宗教っていうより現代のカルト宗教を思わせるところが多々あって、コッチの方も面白い。
「花喰幻燈機/三浦靖冬」(bk1)
花喰幻燈機 懐古調の世界観、ローティーンの少女、そんでもってどーして成年マークつかないのか不思議なくらいしっかりエロ。というわけでレトロフューチャーミニマルロリエロマンガなどという分野があるとすれば確実にそのエッジに立つであろう三浦靖冬氏の3冊目の単行本。感想は基本的に前2作(「とわにみるゆめ」(→感想)「おつきさまのかえりみち」(→感想))と変わりませんが、この変わっていないってのが、ちと気になります。このままこのピンポイントのジャンルに特化していくのもアリとは思いますが、そろそろこの画風、タッチを活かしつつ新しい世界観での物語も見てみたいところところです。原作付きで2〜3巻くらいの分量の連載なんてどうですかね。ワタシは読みたいですが。

2005/09/11

 ノートを買い替えるべく20万以下、2.5kg以下とゆーシバリでいろいろ物色中です。これで3年持たせられる性能のモノってあるんでしょーか。

「円環少女 1/長谷敏司」(bk1)
円環少女 1 マンガでなくラノベ。作者買いではありますが、新シリーズってことで以前の2作とはかなり違った印象。とりあえずあらすじ。魔法を無効化してしまう人間がいる地球こそ魔法使いにとって「地獄」、その「地獄」へと堕とされた「円環大系」魔導師の少女メイゼルに課せられた償いとは敵対魔導師100人を倒すこと。ってわけで最初から魔法を使っての派手な殺し合いが続きます。どう派手かっていうと、まあ描かれる魔法が派手ってのもありますが、それ以前に描く文体そのものが派手。前ならここぞってところだけで使ってたような凝った修辞が「円環大系」とか「宣名大系」とか「神音大系」とかって魔法の使われるたびに繰り返されるんで、読んでるうちに繰り返されるレトリックで酩酊状態になっちまうとゆーか。あと登場人物もかなり多め(3人だけだった前々作「楽園」とはエラい違い)で、そいつらけっこう容赦なく死んだりするから、以前の長谷敏司的な“泣き”もバトルの合間にしっかりあるんで油断ならない。
 でもやっぱり過剰修辞の魔法バトルをイキオイつけてぐぁーと読んでしまった身としては、“泣き”以上に“燃え”であります。ちなみに“萌え”担当はとゆーとシリーズヒロインであるサドデレ(サドでデレ)な小学生メイゼルちゃんなのでしょうが、極私的にはズタボロになるまで戦う「神音大系」の少女聖騎士エレオノールも捨てがたい(マテ

2005/09/10

 しかし今度の選挙はどーしたもんですかね。入れたくない理由ってのなら、どの党でもあとからあとから思いつくんだけど、そろそろ消去法の投票ってヤメにしたいのですよ。政党のよかった探しのいいやり方ってないものかしらん。

「エマ 6/森薫」(bk1)
エマ 6 あいかわらずエレノアさんがかわいかったり(服を迷ってるところとか)、ウィリアムの弟アーサーの毒舌っぷりがいいかんじー、なんてしてるうちに風雲急を告げる展開が。表紙もそんなかんじです。で、エマはさらわれてしまったわけですが、巻末の予告からして次巻以降は作品舞台がイギリスを離れちゃったりするんでしょうか。まあ、作品の主題がエマとウィリアムの恋物語というなら別に舞台がどこであってもいいはずなのですが、この作者の場合、ヴィクトリア朝のロンドンじゃなきゃヤだとかいってモチベーション下がったりしないかと、そゆこと心配してしまったり。
 ところでエマが失踪したあと、メルダース家の使用人達の会話のなかで「じつは人形の絵文字が書いてあるナゾの手紙が届いて……」「あんたは推理小説の読み過ぎ!!」とか茶化すやりとりがあるのですが、これがシャーロック・ホームズの「踊る人形」のことだとすると、「踊る人形」の初出が1903年だそうですんで、エマの作品年代も19世紀末じゃなくて20世紀初頭ということになりますね。

2005/09/09

 油断するとすぐ仕事たまる……。

「ヨイコノミライ! 3/きづきあきら」(bk1)
ヨイコノミライ! 3 3巻目。イヤ展開驀進中。とにかくもーイタい漫研部員の方々のイタタタな有様がこれでもかと。人間関係も煮詰まってきて発火寸前。まあこれは漫画描けることを隠して入部した青木さんが、これまでさんざたきつけてきたせいなんですが。この3巻のラストからして、最初にコワれちゃうのは押掛け厨で前世厨っぽい属性も備えた平松さんなんでしょうが、しかしこんな具合に部員ひとりひとりのコワれっぷりを描いていくんだと、いつになったら青木さんの番になるのかなー。まだ明示されてないけど、いちばん業の深いのは青木さんだと思うのデスよ。だから彼女の救済or破滅でもって物語も終わるんだと思う……あれ、主人公は井之上くんだったっけ? ま、いいか(よくない
「機動戦士ガンダムTHE ORIGIN 10/安彦良和」(bk1)
機動戦士ガンダムTHE ORIGIN 10 ガノタ的素養はあんまし無いのでそのスピンオフなマンガもあまり読んでこなかったのですが、このオリジンは読み続けちゃってますです。とくに9巻からのシャア・セイラ編になってからが面白い。もちろん初代ガンダムのストーリーをを本史、正伝とすれば、シャア・セイラ編ってのはあくまで前史のひとつ、外伝的な位置づけになるんですが、その外伝ならではの魅力がツボ。それはつまり、アノときアノ人がジツはこーんなことをッってのが描かれる面白さ、それも正伝と絶妙にシームレスにつながっているので尚更面白いのですよ。それは作者がガンダムのキャラクターデザイナーだって以上に、「虹色のトロツキー」以来、歴史物をいくつも手がけてきた経験が存分に活かされてるからだと思いますです。

2005/09/07

 えー、部屋の惨状をなんとかすべく通販で本棚買ったりしたのですが、まずその本棚置くスペース確保するのに日が暮れてしまい、んで、置いたら置いたで、どかした本の山をあーでもないこーでもないと並べて日が暮れるという毎日です、最近は。

「俺と悪魔のブルーズ 2/平本アキラ」(bk1)
俺と悪魔のブルーズ 2 書影無いけど紹介。伝説的な黒人ブルーズマン、ロバート・ジョンソン(以下RJ)を主人公にしたマンガ、2巻目です。ギターテクのすげーヒトを表現するのに指が五本以上あるとか言ったりしますが(ブルーズじゃないけど、タック・アンドレスのギターなんか、よくそういう表現されますよね)、いや、とうとう2巻ではRJの右手がホントに指十本描かれちゃっているのですよ。そもそもRJが超絶技巧をものにしたのが夜の十字路で魂と引き替えに悪魔と契約したから(これは1巻で)ってんですが、それがマンガ表現上でも十本指の右手、まさに悪魔が乗り移ったような=鬼気迫る=入神のギターっちゅうわけです。
 でもって、悪魔的なブルーズテクを手にして放浪中のRJと道中共にしてるのがなんとクライド・バロー、つまりボニー&クライドの彼。舞台からして禁酒法時代の南部っていうんで黒人差別丸出しなようなところで、そこにブルーズテクはすげーんだけど社会的には黒人の流れ者でしかないRJと、空気のように犯罪を繰り返して悪びれもしないクライド、そして黒人にリンチするのに理由はいらないと思っているような南部の住人達。ああ、もう、このオハナシそれ自体がブルーズですのう。
 作画でも暗さの表現が際だってて、濃いめのトーンとベタ多用して描かれる夜、闇、影。それはそのまま、どこかに狂気を宿した登場人物たちに繋がっているわけでして、そこらへん、なんとも南部ノワールっていうか、やっぱりブルーズっていうか。

Copyright くわたろ 2005