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2002/12/31

 21回? ワタシの1年は21日しかなかったのかー、ってなくらいしか更新できなくてすんまそん。でも来年もこんな感じです。とくに四月までは。
 あー、なんか去年の大晦日と同じこと書いてるような気もしますが、とりあえず皆様、よいお年を。

2002/12/16

 職場でチョコエッグがプチブームです。モニターのまわりに戦闘機が日々増殖中……

天になき星々の群 フリーダの世界長谷敏司」 (bk1)
 ラノベから一冊。「楽園」からちょうど一年。前作にもまして高いツボ的中率でした。作者買いしていいカモ。
 星間戦争のはざまでうまれたおぞましくも美しい“楽園”を描いてみせた前作からうってかわって今回は、辺境の惑星に女学生という身分で潜入した美少女狙撃手の活躍、などとまとめちゃうと萌えーな話でしかないんですが、いやじっさい萌えられる要素もなくはないんですがけっきょく毛糸のぱんつ履かないし……ってあたりの、前半の学園生活部分は本筋ではないわけで、やっぱり物語が動いてから、つまり狙撃手フリーダが任務を果たそうとして……っていうあたりからが燃えるのです。
 ほとんど動きのなかった前作とくらべてアクション大盛りになってます。海賊船とか機械兵とかもちろん銃撃戦とか狙撃とか。でもってそれ以上に、フリーダが潜入した学校のクラスメイト、アリス。彼女の造形が光ります。軌道降下した海賊に街を破壊され生家を追われ極限状態に追い詰められて過激化してゆく群衆の中にあって、徹底して無抵抗主義を掲げる少女、アリス。前作の楽園の少女マリアにも通じますが、マリアが無垢というよりも無邪気なだけの幼女であったのに対し、アリスの無抵抗というのは、意地というか信念というかとにかく理論化こそされてませんが、意識的な行動です。だから周囲の人間とも真正面から衝突。当然、正体は冷酷な狙撃手であるフリーダともぶつかります。ここんとこの葛藤・相克の描写というのが、アクション以上に引き込まれるものがあります。なぜかといえば、血塗れの現実を知ってるフリーダばかりでなく、女子高生にすぎないアリスたちについても、経験する現実と語る理想とが繋がっていると感じられるから。ひとつひとつ、自分のアタマつかって悩んでいるから。酔ったりしていないから。つまり作者が酔ってないからだし、逃げてないからでしょう。
 というわけで舞台こそ違いますが、真摯な物語だという点では前作と同じです。オススメです。イラストも前作と同じくCHOCO氏。P260のイラストがすばらしー。

2002/12/01

 もう十二月だ……。

「エビアンワンダー 1巻,2巻/おがきちか」(bk1 1巻 2巻 )
 今は亡きアワーズライトで連載していた分、プラス一話を書き下ろしでめでたく完結。ということで2巻まとめ読み。「悪魔と契約し為す」銀符として生きることを選択したフレデリカが契約に従い悪人の魂を狩っていく、ということで悪魔の遣いなんだけど結果的に善行をしちゃったりしちゃわなかったりするハナシなんですが、このフレデリカのセリフってのがもーかっこいーのでありまして。「この世に 贖える罪なんて ないのよ」とか。こんなタンカきれるオハナシ(でもってそれが浮いたりしてないオハナシ)って久しくよんでなかったからなー。満足。
「ドロヘドロ 2巻/林田球」(bk1)
 グログロバイオレンス第二巻。あいかわらず血しぶき飛んだり臓物撒き散らしたりしながらも暢気なカオで餃子食ったりするフシギな話。衝撃の事実、ニカイドウ、ぢつは魔法使いだった! のにワニ頭なカイマンの方はぜんぜんそれを気づいてなかったりして、緊迫感ってのがないよなー。だけど口の中の男についてもだんだんわかってきて……いるのか、これわ。

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