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2001/12/31

 大晦日。今年もいろいろいろいろいろいろいろいろいろいろいろいろありました。更新もしなかった(ぉぃ)。そんな年の最後の積読スタックとりくずし、「宇宙の法則 世界の基本/太田虎一郎」。くだくだしく内容書いちゃうと宇宙海兵隊のギブソン中尉に怒られるので書きませんが、四コマってのは続けば続くほど味が出るんだなーということを再確認しましたです。ついでに正しい女子高生フェチのあり方についても。「ドキドキ対決 先手オレ!」 なんてところが「あずまんが大王」よりも正直なんではないでしょうか。
 
 来年もこんなかんじで、どうぞよろしく。

2001/12/23

 積読スタック消化。「しあわせインベーダー/こがわみさき」。表紙からいいです。ラーメンのどんぶり持ってるカップル、というと珍妙この上ないシロモノに聞こえるでしょうけど、これがすんごくさわやかな絵。収録されてる四つの短編「しあわせインベーダー」「ふたりなみだ」「サムシン ライク ハレーション」「るいるい」のどれも、表紙に劣らず読後がさわやかな、ちょっとだけらぶこめ風味なオハナシ。とにかく絵が、一言でいうなら、気持ちいい。読んでる最中は甘ったるさに転げまわったりもするんですが、読んだ後だとそれがほのぼのした暖かさになっている、というのはやっぱり絵柄の力ではないかと。私的イチオシは、涙腺弱すぎで何かっていうと涙がでちゃう女の子と粘膜弱すぎで何かっていうと鼻血噴く男の子が主人公の「ふたりなみだ」。泣きべそかいた和光さんがモォよすぎ。

 同じくスタックから、今さらですが「グッドラック 戦闘妖精・雪風/神林長平」。ハイ、すんません。文庫落ちるまで待ってしまいましたです。許せ深井中尉、もとい大尉。っていうか、フォス大尉萌えー(違)。
 んでも、フォス大尉という、前作じゃあ、ちと考えられなかったような人物が出てきたのには最後まで違和感があったのも事実でして。この「戦闘妖精・雪風」ってのは戦闘機雪風、パイロット深井零、それと異星体ジャムの三者で繰り広げられる物語なんですが、前作だとそのなかでも比重が高かったのが、題名からもわかるとおり、やっぱり雪風と零だったわけで。ところが今作だとジャムが話の前面に出てきてます。んで、そこにフォス大尉も配置されてるってのは、ジャムを物語る零のパートナーには雪風だけじゃあ足りないっていうことなんでしょうか。巻末にある大野万紀氏の解説中に、この作品同様、異質な存在とのコミュニケーションを扱った作品としてレムの「砂漠の惑星」が挙げられてましたけど、仮にフォス大尉の出てこない「グッドラック 戦闘妖精・雪風」なんてのが書かれてたとしたら、そりゃとんでもなくモドカシイ作品になっちゃっうでしょうけど、その方が「砂漠の惑星」以上のインパクトがあったんじゃないかなー、なんてつい考えちゃうんですね、レム好き好きッな人間としては。そういう意味でちょっと惜しい気がしてしまったのです。

2001/12/16

 タテ派一名様追加。
 ところで英語キーボードだとヨコってのを聞いたんですが……

2001/12/12

 ひさーしぶりにスニーカー文庫に手を出してみたり。第六回スニーカー大賞の金賞受賞作「戦略拠点32098 楽園/長谷敏司」。二百ページに足りない薄さなんでさらっと読めるだろうなーと思って読んでみました。実際、さらっと読めました。
 で、ツボでした。
 ええ、じゃすとみーとでございます。この短いオハナシのなかにある要素のほとんどがワタシのツボを射抜いちょるのでございます。ヤられました。
 短いだけにオハナシはシンプルです。人類連合が必死に守る惑星“拠点32098”に、自分以外に部隊は全滅という状況で降り立った汎銀河同盟軍降下兵ヴァロワ。重要拠点であるはずのその星で彼が見たのは、どこまでも広がる緑の草原と、草原に突き刺さるようにして棄てられた戦艦群。住人は人類連合の機械化兵ガダルバと少女マリアだけ……。あー、もう、しょっぱな二十ページにこうまでツボなもの詰め込まれてどないせいっちゅうんじゃい、こんちくしょー。
 ま、いろいろと要素にバラしてみれば、どっかで見たような聞いたようなってのが多々あるのかもしれません。でも、この本の徳目ってのはそういう要素の取捨選択がウマイってだけじゃないんです。ワタシが読後に萌えーとか燃えーを感じたのはツボなアイテムがそろっていたからですが、それ以外のものを感じたのも確かです。んで、その理由というのは、各要素に対する作者の態度とでもいうべき部分。端的にいえば、戦争ってのをどう扱うか。それもライトノベルで。
 象徴的なのがタイトルですね。読む前は、孤島モノの変種かなーなんて思ってたんですが、楽園は楽園でもヴァルハラの方でした。あるいは九段坂。それに対して斜に構えることなく、真摯に正面から扱っている。その一点で、背景やら設定やらに戦争を使った他のライトノベルから一頭地を抜くものになっているんじゃないでしょうか。
 とりあえず戦記属性とかSF属性とかとやかくいわずに、CHOCO氏の描く激烈にかわいいマリアちゃんの表紙に騙されたと思って読んでみるが吉。

2001/12/10

 読んだもの、「セクシーボイス アンド ロボ/黒田硫黄」。読むという行為自体を楽しくさせるスグレモノ。芸達者な作者がエンターテイメントに徹しきっているんだから当然かもしれませんが。主人公はテレクラのサクラしてる女の子(セクシーボイス)と、なんだかんだで彼女のパシリになってしまってる男(こっちがロボ)、こんな二人でかっちょええオハナシにしてしまえるのはナゼなんだろう。しぐさとかセリフとかいちいちかっちょええし、見開きでどばーんってページだともうシビれてしまう。見せ方を知ってる人というのはすごいです。そういう当たり前のことを今更ながら思い知らされる一冊。


Copyright くわたろ 2001