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2001/03/31

 この日は二冊。一冊め、「最終兵器彼女/高橋しん」第四巻。そろそろ物語も終盤でしょうか。アケミとかアツシとかテツ先輩とか、主人公の二人以外の人間にも分量的に多くが割かれているこの巻。彼らを通して描かれるのは戦争って何だってこと。個人を圧倒する究極の状況であるところの総力戦争はさまざまな側面をもっていますが、それを断片的に示すことで、かえってそのどうしようもないくらいの大きさを印象づけてます。次巻以降でサブキャラの彼らは戦争の巨大に飲み込まれていってしまうのでしょうけれど、そう考えるとよけいに切ないのですよ。あうあう。

 二冊め、「雪の峠・剣の舞/岩明均」歴史に題をとった二作を収録した作品集。「雪の峠」は関ヶ原で西軍についたために出羽に転封となった佐竹家を舞台にした、新旧家臣団の抗争。主人公は若手家臣のひとり渋江内膳政光。歴史ファンならともかくフツー知らんですよ、こういう人(大坂冬の陣で後藤又兵衛、木村重成と戦って死んだってのは知ってる人いるかも)。それ以外の登場人物もすべて史実の人物だけ。抗争といってもチャンバラでどうこうではなくて評定の根回しとか駆け引きが中心。いやはや、地味。とはいえ展開のメリハリとか伏線の拾いかたとかは巧いですし、そこらへんで引っ張ってもらえるので最後まで読めてしまえます。それに歴史小説読み慣れた人にはこういう地味な物語の方がかえって抵抗ないんじゃないかなーと。大河ドラマじゃ主役になれないような人を取り上げるまにあっくな小説が好きな人とかいるでしょ。そういう読者には。っていうかワタシがそうなんですが。ええ。
 でもって「剣の舞」、こちらの主人公は架空の人物。農民の娘、ハルナ。村が戦場になり家族を惨殺され自分もなぶりものにされたハルナは、復讐をはたすべく上泉伊勢守信綱の門弟である疋田文五郎景忠に弟子入りする……。展開の巧みさってのはもちろんですが、こっちだとさらに場面転換とかすっごく効果的にやってまして、もうタメイキもの。また、ハルナの物語と並行するようにして新陰流最初期のエピソード(宝蔵院とか柳生とか)なんかも語られたり。ここらへんでまにあっくな読者はひっかかってしまうんですな。ええ。

2001/03/25

 二十日から今日までまとめて更新。
 この日の読書、「こさめちゃん/小田扉」。この人の作品というと、既読はモーニング増刊とモーニングとに載った「話田家」、ビームに載った「スミ子の窓」、でもって本人のウェブページで読める「こさめちゃん」。どれもよかったから、それがゼンブ載ってるこの本はとても嬉しい。でもって、それ以上にコピー本の数ページほどの作品もたくさん載ってるってのが嬉しさ二乗。
 ちとハズカシイことを書きます。マンガ読んで大泣きしたって経験がワタシには二回あります。ひとつは「自虐の詩/業田良家」、これはまあ読んだことある人ならわかってもらえるんじゃないかと。後半、強烈な泣きポイント、泣かせポイントがあって、そこに引っかかって泣いたワケですよ、ええ。でもって、もうひとつが何かっていうとこの小田扉の「スミ子の窓」なんですな。どうだハズカシイだろう(謎)
 「スミ子の窓」に限らないんですが、この小田扉作品集と銘打たれた本に載っているのは、どれも明確には泣きポイント笑いポイントが見当たらない。力の抜けた線、気の効いたネーム、そりゃなかろうってなシビアな設定、呆れるくらいのバカ展開、どれもいいんですが、それだけに作風とか傾向とかヒトコトではいいづらい。バランスとれてるってのも違うしなー。でも、読んだあと、なんだか気持ちいいんですよ。後を引く、だけどそれは重苦しいものじゃなく、気持ちいい。泣いちゃうくらい。とりあえず「こさめちゃん」は作者本人のページにありますんで、それ見て少しでも引っかかるものがあったらこの本は買いです。好きになれます。人が死んでいくときに泣くことしかできないこさめちゃん(こさめちゃん)、奥さんが死んでも正義の味方、だけどハゲなスペースデカ(老エレジー)、イジメられてるのをイジメられてないと言い張る子供の頃の三郎(話田家)、電車の窓に映った自分をグーで殴りつけるスミ子(スミ子の窓)、みんな好きになれるハズ。

2001/03/24

 旧友に会う。無理を聞いてもらう。ありがとう。

2001/03/23

 この日の読書、「BLAME!/弐瓶勉」第六巻。あー、いつのまにかバトルマンガになってるー。というわけでこの巻の中盤まではきったはったぶっとばしたの連続。後半、東亜重工の転送が遂に始まってしまって、巻き込まれてどっかいっちゃった霧亥たちはまた超構造体世界の案内役的役割にもどるんでしょうか。ワタシとしてはそっちの方が。あと、バトルマンガ部分の感想。サナカン萌え(違)

2001/03/21

 OURs LITEのかんそー。「ハニー・クレイ・マイハニー/おがきちか」、アフリカはアフリカでまた別の病原体がいると思うんだけど……。とはいえそーゆーツッコミをするべきマンガでもなくて。最後まで甘いオハナシでありました。
 「素敵なラブリーボーイ/伊藤伸平」、今回もゆったりまったりと心地好いです。次が最終回なんだけど、もう答えをださずに終わってもいいやっていうくらい。
 「絶望男は希望羊の夢をみるか?/あびゅうきょ」、あー、これはまた。またしても圧倒するような描き込み。そこから放たれるタマシーのサケビ。でもってそれすらウソだと放り投げるラスト。二重三重に倒錯した無意味。素晴らしい。

2001/03/20

 たしか休日だったようなこの日、たしか休日出勤だったような日。
 ウルトラジャンプのかんそー。「サムライガン月光/熊谷カズヒロ」絹ちゃんがかわいいいじらしいかっこいい。脱がなくても。だけどやっぱドンパチしてほしいなあ。脱がなくていいから。
 「アガルタ/松本嵩春」、ピーウィー、中身はやっぱりピーウィーだけじゃなかったみたいで。つながったときの「あ」ってのがなんかよかったです。ピーウィー自体は刺されてますが。
 「天上天下/大暮維人」、どー見てもザコキャラなクズ男くんでもこんだけキャラ立ってるっていうのは考えてみるとすごくゼイタクなマンガなのかもしれない。っていうかこれがまだ延々と続いてる回想なわけでして。はー。

2001/03/07

 春将軍(花粉)の猛攻を受けてとうとうダウン。屋外に一歩も出られず。

2001/03/04

 えーと、先月の二十日のぶんから今日までまとめて更新です。すまぬ。
 で、今日読んだのは期待しないで本屋にいったらあったのでレジに持ってってしまった「ももえサイズ/結城心一」。sizeぢゃなくてscythe。大鎌。主人公は死神ももえ(本名)。学校では風紀委員をやってる彼女は十六歳の誕生日に死神に首チョンパされて首から下が死神になってついでに鎌もゲットして死神的粛清(鎌で斬られたモノは存在を抹消されてしまう代わりにその存在はももえが肩代わりすのであーる)を生業とする死神風紀委員に生まれ変わったのだっ。……えーと、つまり主人公が毎回なにかしら斬っちゃあその存在を肩代わりするので毎回主人公が生まれ変わっているともいえるわけで主人公の名前を冠している以上毎回最終回毎回新連載という言語道断もっとヤレヤレなマンガなのです。タイトルも変わります。最初は“風紀委員ももえ”だったのが、この巻収録の最終話ではとうとう“死神風紀受験生エスパーBHプラ板縦ロールヘリコプターボーリングトビウオとその妹ロボ絶滅ナルト番長鼻行類チョコ ももえサイズ”(違ったらゴメン)。っていうか雑誌ではさらに長くなってまして、二巻でたらどうなってるんだろう。次回予告はすでに1ページの欄外に収まらなくなってんですが。
 とまあタイトルだけでも楽しめますが、業の深いオタクなネタを斬ってくれるのもウレシイです。っていうかほとんどモトネタわかんないんですが。とりあえずナルトレス登場の回は完全版と不完全版同時収録。芸が細かい。

2001/03/03

 この日あたりから花粉症気味とあいなりました。
 読んだもの、OURs 。「ジオブリーダーズ/伊藤明弘」、前回公園をうろついていたおっちゃんは刑事と判明。その刑事からもたらされたある情報を確かめるために、神楽88(おい)から流れ星と運転手が離脱してしまう。どうするマッコイ婆さんこと辣腕経理部長、蘭東栄子。でもって再登場はあるのか、ルガーの竜。社長と鉢合わせしたらどうなるんだろう……。
 「朝霧の巫女/宇川弘樹」、ベタな設定をこれでもかと繰り出すこのマンガ、とうとう巫女委員会。だあー、ってこたあナニか、巫女さんにして、いいんちょーってことかい。うがあああ(間違った視点)
 「カムナガラ/やまむらはじめ」、こっちは設定とかまだまだ見えないなあ。あらたな刺客は若い女。持ってる写真は自分の赤ん坊なのか。たぶん死んでるんだろうけど。というわけでますます暗い展開になりそうな予感。


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