アリガチな題にしては挙げられた諸々はどこかクセがある、という結果に。さて、これを世紀末的爛熟をとげたサブカルチャーのある断面と見るか、それとも解答者の偏向と見るか。
以下は 1999年12月15日 から 2000年1月31日 までの発言から抜粋。ログでは vol. 10 から vol. 12 に相当します。
投稿日 12月15日(水)03時31分 投稿者 くわたろ
ということで、この時期ありがちな、今年を回顧しましょー企画です。本・映画・TV・CDなどなどで、コレはハズせないぜよってのを紹介してください〜。
ワタシ的にはマンガ限定で……
大王/黒田硫黄
エイリアン9/富沢ひとし
電波オデッセイ/永野のりこ
未来のゆくえ/やまむらはじめ
こんなところでしょうか。
投稿日 12月15日(水)04時51分 投稿者 相田紘一
殺し損ねた締め切りがゾンビのように立ち上がり襲ってきて、今こちらは「ブルース・キャンベルVS死霊の軍団」のクライマックスシーンみたいな有り様。バッドトリップ状態で文章を打ってます。
で、リクエストにお答えして……と言いたいのですが、今年出たものを殆ど摂取していない自分に気が付き愕然。
本は古本、ビデオはレンタル(中古)、テレビは見ない、CDは買う金がない……NIEA_7んんっ(泣)。
仕方がないので、今年1年に摂取したものから記憶に残る奴をっ。
読んだもの
「ブギーポップ・リターンズ/VSイマジネーター」
昨今映画になったりアニメになったりで忙しいブギーなヒトの第2作。
自分がシナリオ書きなどをやるきっかけとなった小説であります。
何かにたどり着こうとする意志。壁を突破するための、なりふりかまわない手段。ブギーな人のシリーズ全体を覆うニーチェ的テーマが一番良く現れている作品でした。
優れたジュブナイルだと思います。
他には、ジョン・キーガン「戦略の歴史」が印象に残ってます。
でもこれは長くなるのでパス。
見たもの
「地獄に落ちた勇者ども」
ヴィスコンティ、ですね。クルップ一族の家族史を切り口とし、ナチズムの権力掌握とエロティシズムを活写してます。全編に濃厚なエロスとタナトスが満ち満ちていて、とても印象深かったですが、もう1回見る気にはなれない。そういう「濃い」映画でした。
番外編・やったもの
「エースコンバット3・エレクトロスフィア」
んー、ゲームとしてはいろいろナニな評価がされてるブツですが、自分は好きです。
何と言うかレトロフューチャーな、ガーンズバック連続体な世界観。かつて皆が夢見た未来世界が、'80年代の退廃志向(ブレランとか、アキラとか)を経て、洗練と停滞が支配する'90年代に相応しく再解釈された姿。
白い墓標のような建物、そこに漂う漂白されたオゾンの香りのする空気。肉体感は極限まで排除され、全ては電子情報に置換される。一見完璧な未来に見えて、その背面に漂う微妙な違和感と閉塞感。
そういったモノ全てが、なぜか好ましいのです。
「んー、でも所詮エヴァじゃん」
……それは言わないお約束で。
それではっ。
投稿日 12月24日(金)00時58分 投稿者 獅子の心臓
なんか呼ばれたような気がするワタシはすっかりROMさん。
1999年に見たものといえば、ガサラの舞とヒゲ。最近はリヴァイアス。
ガサラキは、前半はメカの渋さに、後半は日本刀片手に穀物メジャーに立ち向かい日本人の心を説く西田さんに、驚かされました。日曜の朝っぱらからヤバげなセリフ連発で盛り上がっておきながら、ラストが唐突すぎたのは残念だったけど。
ヒゲガンは現在も進行形。世の中にはあのヒゲ面メカを本気でカッコイイと絶賛する若者達が増えているとかで、ワシももうオールドタイプなんじゃなぁとさびしくもあるこのごろ。(あのデザインは、こういう型にはまったガンダムオタクへの挑戦なんだ、とは分かるんだけどサ…)
メカデザを除いた作劇は純粋に楽しめてます。
あー、なんつーか、アニメばっかっすね。ダメ人間?
イ様:「この国には愚民があふれている。やがては排除しなければならぬ輩どもだが、我らの理想成就の礎として利用価値のあるもの中にはある。それが何か分かるかね、エ○セル君」
エ譲:「はいッ!思わせぶりな台詞回しと、ハヤリ絵柄のおなごと、なぁんか趣味丸出しのメカをぶち込んだアニメ作品をでっち上げれば、アジア製の気まずい落書きと静止画がたしょ〜混じってても、全然問題なっしんぐでパクリと食いついてきて、CDとかゲームとかマンガとかテレカとか、果ては下敷きとか消しゴムとか設定集と称した落書きとかをイベント限定ぇーっつーことで収集欲を煽りつつ売り出そうものなら、自分の生活なげうって金をいくらでも上納する輩どもがわんさと、まさにッこの季節ッ、東京の一角に集結する算段になっていますから、ここは一発われわれも信者もといシンパを囲い込むべくアレでソレな本を持ち込んでえええぇぇぇぇぇぇぇ……………………」(床下へフェイドアウト)
イ様:「ハ○アット君?」
ハ嬢:「はい、票集めと仲間集めにだけ奔走して本務をおろそかにしている政治家なら懐柔次第で、資金・情報を集中させる征服国家の下地としての法整備も可能かと」
眠い頭で書いてたらこんなんなりました。なんじゃこりゃ。
投稿日 12月31日(金)15時22分 投稿者 くわたろ
えーと、すんません、漫画限定。っていうか、限定外しても読んだ/見た/聴いたものってのが増えそうにないっす。はっはっは。
「大王/黒田硫黄」
才能、でしょうこれはもう。計算された部分と力任せの部分がもっとも効果を生み出すような調合で合わさってる。絵で抵抗を感じるかもしれないけど、それがなかったらぜひ読んでほしい短篇集。
「未来のゆくえ/やまむらはじめ 」
暗めでちょっと青臭いかもしれないけれど、そこが何とも生々しいというお話が収められた短篇集。漫画表現にこだわった画面構成が満喫できるというのがポイント高いです。
「電波オデッセイ/永野のりこ 」
全四巻で今年完結ってことで。
クケダイちゃんも作者のテレと片づけちゃいけないんじゃないだろかという考えが読み返すたびに強くなってます。
「エイリアン9/富沢ひとし 」
全三巻で今年完結ってことで。
設定以上にストーリーそのものが濃すぎて濃すぎて先が気になってしょうがなかった作品。わくわくさせてくれる漫画はまだ滅んでいない。
次点「王国物語Sphinks/荒巻圭子」 「羊のうた/冬目景 」「ビリーバーズ/山本直樹 」「MONSTER/浦沢直樹」
そういや本家がぜんぜんつまらないデビルマン(コラ)、黒田氏と永野氏が共にメッセージ性の高いネオ・デビルマンを描いてました。永野氏は去年だけど。
投稿日 1月5日(水)22時43分 投稿者 kuya
あけましたおめでとうございます?
んで、1999年〜2000年正月に読んだ/見た/聴いたものですが
<読んだ>
『エリコ』谷甲州
『宇宙消失』グレッグ・イーガン
『ボーン・コレクター』ジェフリー・ディーバー
『亡国のイージス』福井晴敏
『希望の国のエクソダス』村上龍
<見た>
『ハッピーマニア』安野モヨコ
『大王』黒田硫黄
『 an omnipresence in wired 』安倍吉俊
『フリクリ』ウエダハジメ
<聴いた>
『the fragile 』Nine Inch Nails
『シブヤROCK TRANSFORMED状態』ナンバーガール
『無罪モラトリアム』椎名林檎
『ガストロンジャー』エレファントカシマシ
・・・と言う感じで、とりあえず今思い出せるのはこんな感じでする。
では。
投稿日 1月6日(木)15時15分 投稿者 齊藤りゅう
Web Page http://www.imasy.or.jp/‾ryu1
こういうときにバックナンバーがあると便利(コラ)
というわけで、1999年度自分的五傑というか、印象に残ったモノというか。
・小説
「E・Gコンバット 3rd」秋山瑞人
「ブギーポップ・リターンズ VSイマジネーター」上遠野浩平
「私と月につきあって」野尻抱介
「宇宙航路2 猫柳ヨウレの冒険<激闘編>」光瀬龍
「Under Trap」荒井千明
・絵モノ
「KaNa」為我井徹/設楽直哉
「アガルタ」松本嵩春
「ナイーブ 3」二宮ひかる
「モンスター」浦沢直樹
「ラブひな」赤松健(何故?!)
・動き絵モノ
「青の6号」
「ミトの大冒険2 二人の女王様」
「ガサラキ」
「BETTER MAN」
「無限のリヴァイアス」
・映画
…………。ついに一本も見なかったぞー。
投稿日 1月22日(土)22時30分 投稿者 kuya
<見た>
『ヘブン』遠藤淑子
<観た>
『カウボーイ・ビバップ』
『世紀を超えて』
<聴いた>
『ジュビリー』中村一義
『あたらしい愛の詩』鈴木祥子
・・・っていうか聴いたに関してはきりないんで。
とりあえずこんな感じですね。
投稿日 1月31日(月)05時22分 投稿者 相田紘一
そろそろ締め切りっぽいので駆け込みカキコ。
・見たもの
「映像の世紀」
年末にリバイバルしていたので、久しぶりに見直しました。
20世紀の狂気と苦悩、人間の最良の部分と最悪の部分がせめぎあい、怒涛のごとく1つの歴史を作っていく様が、映像によって活写される様は素晴らしく。
歴史の栄光と悲惨、かくあるべしです。
個人的には、ナチスの話とベトナム戦争時のアメリカの話が特に秀逸でした。
NHKのドキュメンタリーでは「電子立国・日本の自叙伝」と並び好きです。
オタク的には第1次大戦で貴重な映像があったりするので、(「魚雷攻撃で破壊され転覆するオーストリア帝国戦艦シュツェント・イストファン」とか)これがまた何とも言えず。
"Serial Experiments lain"
うーん、いわく言い難い話なのですが、悲しくてやりきれなくて、そこが良いのです。
存在の不安、コミュニケーション不全症候群。外部に踏み出したいのに、それを恐れている微妙な心。
全てを書き換えるなら、そこには自分と言う存在はなくなってしまう。世界を所有する事は、却って世界から自分を疎外してしまう。全てを内部に取り込む事は、すなわち外部の消失だから。そのパラドックス。
それゆえの葛藤と痛みが、とても心に響いて。
脚本集、今でも読み直すと切ないです。
オープニングテーマとともに、忘れられない作品です。