準備 (必要なものを必要なだけ)

今回の登山出発の時に、私とお兄ちゃんの荷物はそれぞれ約2kg、お母さんは約8kg、お父さんは約10kgの重量でした。重量の内、大部分を占めるのが飲料と食料でした。たしかに上に行くほど値段が高くなる飲食物ですが、高いからと言って、沢山持って行くとなると、そのための疲労を考えれば、体力に自身のない場合は、多少高くても途中で買う方が無難です。荷物は必要なものを必要なだけ、少しでも荷物を軽くすることが、ポイントだと、しみじみ感じました。特に私のように小さな子供の場合、出来れば空身で(杖のみで)登る事をお勧めします。また、大人でもわたしのお父さんのように、普段から運動不足で、持久力に不安がある方は、特に荷物の軽量化が大きなポイントになってきます。昔の強力は富士山の麓から120キロの荷物を一人で山頂まで背負った事もあったそうです。まあ強力は別としても、とかく運動不足の現代人は、無理をしない方が賢明でしょうね。

  真夏でも凍死する人もいるという位寒いので、防寒着は必須、でも荷物の事を考えて、かさばらず、重くない服を選ぶといいです。フード付のフリースジャンパーが軽くて暖かく、日差しよけにもなって、とても重宝しました。

  富士山はほとんどが岩と砂利の山、底の厚い靴でないと大変、また小石や砂が靴の中に入らないよう、足首まで包むタイプがいい。私達はトレッキングシューズを利用しました。私達は天候には恵まれたので良かったけど、雨天の事も考えて、防水加工の靴か、撥水スプレーなどを利用すると安心。新しい靴を買った場合は最低でも一週間以上は履き慣らせないと、足のマメで登山中止は悲しいですよね。

スパッツ  砂走りにはあった方がいいですが、子供用のものは登山用品の専門店でもなかなか無いので、古い靴下や、袖カバーなどを利用して自作してもいいと思います。でもかかとで固定するベルトは切れやすいので工夫すべし。

軍手  岩をよじ登ったり、転んで地面に手をついたりする事も多いので、手袋は必要、軍手でも手のひらにゴムが貼ってあるタイプだと、杖を持つのにすべらず楽です。

帽子  日よけのためには必需品。私は下山後日焼けのせいで、顔が腫れ、おたふくみたいになってしまいました。防寒のためにも必要、でも風が強いので、帽子を飛ばされないように、帽子用のクリップ(スポーツ用品店にあります)が便利です。

レインコート  富士山は突然雨が降ります。強い風に吹かれた雨滴が上から下から横から吹き付けるといいます。だから傘は無用どころか風を受けて危険です。レインコートも上下全身(リュックやザックなども一緒に)包み込むタイプを用意しましょう。私達は今回雨でなかったのが唯一の救いでしたが、7合目以上は防寒のためにレインコートを着ていました。

 お父さんは下山の翌日仕事があるので東京に戻りましたが、お母さんとお兄ちゃんとわたしは、もうしばらく別荘に滞在して小富士(標高1979m)に登ったり、河口湖の花火大会をみたりして、一週間程過ごしました。そして登山から一週間たった次の週末に御殿場登山口の太郎坊で星空鑑賞会があり、再度東京から
出てきたお父さんと一緒に家族4人で御殿場口5合目に行きました。

この話がなぜここで出てくるかというと、当日は雨が降ったり止んだりの天気だったからです。富士山の「降ったり止んだり」はすごかったです。降るときは、滝のような雨なのに、雨が止むと雲があっと言う間に消えて、満天の星空になり、少し雲が出てきたかと思ったら、またドシャ降り。これが30分おき位に繰り返すのですから驚きました。登山するのがこんな天気だったら本当に大変で、わたし達は本当に天気に恵まれてよかったけど、こんな天気は富士山ではあたりまえだそうですので、風雨に対する備えは万全に、また、天気が悪い時は無理をしないようにしましょう。

サングラス  日中の登山には必要です。日焼け防止のために、なるべく面積の広いタイプがいいと思います。砂埃を防ぐにも効果があります。

  今回私達は伸縮性でダンパー付の登山用ステッキを各自1本使いました。登りの時は比較的短めに、下りは長めに調節して使えます。岩場の道では、杖は邪魔になることもありますが、砂地では無いと辛いです。出来れば一人2本使って、スキーのストックのように使うと身体への負担が大幅に違います。お父さんは登りでは杖は使わず、お母さんがダブルで使いましたが、下山後の筋肉痛の差は歴然でした。定番は金剛杖で、各山小屋の焼印が記念になります。ツアーを引率しているガイドさんも、金剛杖を使っている人、登山用ステッキをダブルで使っている人と様々でしたので、自分に合った杖を使うといいでしょう。杖を持たない登山者もいましたが、杖を持たないガイドさんは見かけませんでした。

ヘッドランプ  当たり前ですけど、山小屋付近以外には街灯などありません。夜間の登山は勿論、私達のように予定外に夜行軍になってしまう事を考えて、小さくても懐中電灯は必携です、杖を持つので、頭に付けるヘッドランプが便利です。予備の電球と電池は忘れずに。

酸素ボンベ  空気が薄いので、酸素ボンベで酸素を補給する。酸素不足で高山病(めまい、吐き気、頭痛)になったり、眠たくなったりする。私は結構酸素を吸うと元気を取り戻していましたが、お父さんはあまり変化なく、効果を体感出来ないと言っていました。酸素については太田さんのHPで詳しいレポートがあり非常に参考になります。登山の全般で言えるのですが、高山病の予防のために、いつも深呼吸をするクセを心がけましょう。

マスク  ホコリよけと日焼け予防にあると重宝すると思います。ただ、呼吸の妨げにならないよう通気性を損なわない物を選ぶ事。

リップクリーム   晴天の時など湿度がとても低いので唇は鉄板状態、天気次第では必要です。

日焼け止めクリーム  日中登山には必携ですが、べとつくタイプは避けないと、ホコリがくっついて肌が紙ヤスリ状態になります。

サバイバルシー  防寒用のアルミホイルのシート、軽量コンパクトでかさばらず、いざと言うときに役に立ちます。

飲み物  一人最低1リットルは必要です。私達は主にスポーツドリンクなどを4人合計で6リットル持参して、ほとんど飲みきりました。山小屋ではお茶が飲み放題でしたので、かなり飲みました。水分の補給は生命線です。でも、あまり持ちすぎるのは結果的にマイナスだと感じました。多少高くても途中で購入する方が、重い荷物で体力を消耗するよりいいのではないでしょうか?

食べ物  疲れてくると食欲がなくなり、食べないでいるとますます疲れてくるのです。食べやすいもの、カロリーの高いものを選びましょう。私達兄妹は果汁グミがお気に入りで、100円の小パックを12個持って行き、休憩の都度食べていました。ゼリー飲料も水分補給にもなって、特にお父さんが、腹持ちが良いと気に入ってました。昔は登山と言えば氷砂糖が定番でしたが、今はお好みでいいでしょう。でも飲み物と同じで、かさばる物や重くなるのは避けた方が良いでしょうね。

タバコ  富士山にはタバコは売っていません。タバコを吸う方は必要なだけ持っていきましょう。必ず携帯灰皿を忘れずに。私のお父さんは、風が強い事を考えてターボライターを持って行きましたが、気圧のせいか火付きが悪く、やっぱりオイルライターにすれば良かったと言っていました。

リュック  リュックの良し悪しで疲労度はかなり変わります。肩に負担をかけず、背中にフィットしたものを使いましょう。衣類など軽いものを底の方に、重いものは上の方に、左右のバランスや出し入れを考えたパックキングがポイントです。

トイレットペーパー  トイレットペーパーのおいてあるトイレはありません。ティッシュペーパーはゴミになるので、普通のトイレットペーパーを必要分だけ巻くかバラして持っていくか、市販の携帯用(水溶性)ティッシュを持参しましょう。また、水がないのでウエットティッシュも重宝します。

薬など  ちょっとした怪我の手当てのため、消毒スプレーやキズテープ、塗り薬程度は持って行った方が安心です。

ビデオカメラ  重いけど、やっぱり持って行きたい。でもどうしても重いのならあきらめましょう。

スチルカメラ  ビデオは無理でもカメラはそれほど重くはないでしょう。でもフルセットの一眼レフや最近のデジカメでも結構重いのもあるので、軽さで選べば使い捨てカメラでしょうね。

トランシーバー  ウチの家族は普段外出の際に、よくトランシーバーを持って出掛けます。公園やスキー場、フリーマーケット会場やスポーツ競技場など、別行動する際の連絡に重宝しています。今回の登山では、荷物を減らすために持って行きませんでしたが、登山ペースの違いから、意外と分かれて行動する事が多々あり、やっぱり持っていった方が良かったです。携帯電話(NTT)の利用範囲も広がったようで、通話料を気にしなければ携帯電話でもいいでしょうね(携帯電話は使える機種や場所を調べた方がいいですよ)。

ラジオ  単調な登山に飽きた時や、天気予報を聞いたりする時にラジオがあったらいいでしょうね。音楽好きならMDやCDプレーヤーかな?荷物に余裕のある人はOK。

郵便物  はがきは宛名を書いておきましょう。郵便局の営業時間外の時はポストに投函できるよう、手紙の場合は切手も忘れずに。

ゴミ袋  以前に比べてだいぶ綺麗になっとは言っても、あちこちでゴミが目立ちます。自分のゴミは最低限持ちかえりましょう。ゴミを出さない荷物の工夫をしましょう。

自転車?  大人用の26インチのマウンテンバイクを背負って登っている人がいました。いったいどこで使うんでしょうか?

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