7合目〜本7合目 (もうこれ以上は登れない・・・・)

7合目を出て次の山小屋は、見た目には近く感じるのですが、これまで蓄積された疲労が、全身を鉛のように感じさせ、一歩一歩進むのが苦しくなってきました。7合目からは大きな岩はないのですが、逆に足がちょっとめり込む感じの砂礫の道で、とても歩きにくく、杖を頼りに一歩づつ踏ん張りながら進むので、余計に足腰に負担がかかり、ますます疲れがたまり、ジグザグの登山道の曲がり角ごとにへたり込むように休んでいました。

日が傾き、風も次第に強くなり、気温が下がっていくのが、文字通り肌で感じるようで、わたしは、「本7合目に着いたら、絶対に下山するから」と言いつづけながら登っていました。お兄ちゃんは「絶対頂上まで頑張る」と言っていました。お父さんとお母さんは何も言いませんでした・・・・

本7合目に着いた頃には、太陽は富士山の陰に隠れ、まだ空は明るいのに、風が吹き付ける様に強くなりました。皆かなり疲れてしまい、ここで下山するか、8合目まで登りつづけるか、はたまたここの山小屋で一泊するか、決めなければなりませんでした。

わたしは、これ以上登るなんて無理だったので、絶対下山するものと決めていました。お兄ちゃんは頑張って登ると言っていますが、7合目から高山病のせいで、頭痛がするとも言っていました。お父さん達も、7合目から1時間半以上かかったことを考えれば、これから8合目までは2時間以上はかかる。 とすれば、8合目に着くのは7時近くなり、体力的に8合目以上登ることは困難だし、下山も大変なので、山小屋に泊まる事も考えたけど、山小屋に泊まるのは、前にも言ったように抵抗があったので、とすると、ここで下山することが一番と思うようになりました。そんな考えが大勢を占める様になると、別荘の大きな温泉が無性に恋しくなって、今から下りれば、まだ明るいうちに新5合目の駐車場に戻れるかな、とまで考える様に、次第に下山の方向に心が傾いていきました。(このページに画像が少ないのは、お父さんも疲れてカメラを取り出す気も出なかったからだそうです)。


本7合目着 17:00 標高3250m 気温8度 湿度7%
 

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