やさい通信
2005年5月9日(月)
福富りえ子
八王子市東浅川553
TEL: 0426-68-3501
E-mail:yasai@din.or.jp 
Home Page: http://www.din.or.jp/~yasai/
 

本日の「私のやさい畑」は、下記の5品目です。 
     小比企町の鈴木さん        館町の田中さん    
春菊
レタス
きゅうり
かぶ
きぬさや

きぬさや


 きぬさやの花はスイトピーのようでとても可憐で美しい花です。赤紫と白いのがあります。さやえんどうとも呼ばれさやごと食べます。絹のような柔らかさを持ち食卓を上品に仕上げます。和え物や天ぷら、炒め物、汁の具、卵とじ、煮物、サラダ、ちらし寿司など新緑にマッチした趣を持つ野菜です。

 さやとさやが触れ合う音が衣擦れの様な音がするのできぬさやという名がついたという説もあります。カロチンやビタミンCが豊富で、脳を活性化するグルタミン酸が含まれています。

 火の通りが早いので短時間で加熱して色を残すように調理します。茹でる場合はたっぷりの熱湯に塩を加え、サッと煮立たせ手早くザルにあげます。余熱での茹ですぎを防ぐため、冷水にさっとくぐらせたり、うちわであおいだりします。味を含ませる場合は、サッと堅めに煮て、すぐにザルに引き上げ、煮汁と別々に冷ましてから煮汁に戻して含ませます。
 4月の終わりの日曜日に今井浜へ行って来ました。河津の桜といって確か2月頃、桜が開花するので有名なところです。6人家族のグループの一人島崎守夫さんが営んでいる民宿に泊まって夜遅くまで交流しました。行きの途中に伊東の鮮魚を頼んでいる「ふじいち」へ寄って久しぶりにランチを食べました。「ふじいち」のこだわりを再認識しました。

 ふじいちの干物は、地物の魚だけを浜風と天日だけで自然乾燥していますので、干し具合は一級品と言われています。朝水揚げされたさかなの油ののり具合で、塩加減を調整します。その後冷凍され「やさい畑」に来ます。ふいちの干物セットという名で扱っています。その時々の魚を詰め合わせて紙に包んであります。開けてからのお楽しみの干物セットです。

 伊東に行かれることがありましたら、寄ってランチなど召し上がってみてください。伊東の駅から海岸方面に歩いて20分くらいの所です。135号線のデニーズのやや反対側の位置にあります。お店に入って二階に上がると知る人ぞ知るふじいちレストランです。いかの丸焼きは、みそがそのまま入っていて骨だけ抜いてあります。鯵のたたきや地物産がこれぞというくらい食べられます。焼き物はテーブルの上で焼きながら食べます。お土産には干物をお薦めします。

 「ふじいち」の話になってしまいましたが、そこで遅いランチを食べて行ったので、今井浜での早い夕食時には、まだ満腹感が抜けないうちでした。初めて見るような大きな金目鯛の煮付け、金目鯛、アワビなど地物を盛り込んだ舟盛りなど大変歓待していただきました。

 つくしやゼンマイ、たけのこ、野菜類、お米等とにかく全部地物ですので、食べたときの感動が違います。つくしなどは何度もあく抜きしないと苦いのです。それが美味しく味付けられていて、食べる人を幸せにしました。毎日、そうゆうものを食べていれば、気分も晴れ晴れです。

 その時、色々な料理にきぬさやが入っていて、色も奇麗だし、味も素敵なので、地元のきぬさやですかと尋ねました。島崎守夫さんは、とても穏やかな方ですが、意志の強さ持っていらっしゃいます。余所の消毒したきぬさやは絶対食べないし食べられない、自分の所で作った無農薬のしか食べないのでいつも自家用に栽培しているとおっしゃってました。

 みかん畑では、福原オレンジとニューサマーオレンジがたわわになっていました。土によって味が全然違うそうで同じ河津でも場所が違うと甘みが違うということでした。福原オレンジは、他にはないものだそうです。そんなことも知らないで食べてました。

 何年か前に、猿に食べられて欠品になったことがありますが、猿は防ぎようがないと言っておられました。猿ばかりでなくイノシシ、鹿と野生動物に作物が荒らされるそうです。鹿は木の皮を食べて木をだめにしてしまうそうです。猿やイノシシは、ニューサマーオレンジが大好物で、皮をむいて食べるそうです。

 猿はともかくイノシシまで皮をむくとは思いませんでした。自然落下したものは食べずに木になっているものを皮をむいて食べるなんて驚きです。今井浜生産組合の6人の方々は皆、温厚な方ですが、皮の抜け殻には腹が立ちます。野生動物との共存は、端で見ているほど楽ではありません。猿やイノシシなどの動物だけでなく鳥や小さな虫とまでも生産者は大変な思いで共存しているのだと感じます。農薬を使わないことがどれだけエネルギーのいる作業なのかということをあらためて感じ感謝をしました。