やさい通信最新号

　先週の辛み大根はいかがでしたか。今週は青首大根です。大根と一口に言っても色々あります。これから冷え込みが始まるのでしょうが、まだそれほど差寒さを感じません。それでもおでんやふろふき大根、煮込みなど大根の冬料理が恋しくなる時期です。

　コンビニのおでん種の中で、売り上げのナンバーワンは大根だそうです。テレビで放映していましたが、最近では鍋を持っておでんを買いに行く主婦が増えているそうです。材料があれば煮込むだけなのでおでんは私にとって忙しい時のおでん頼みでした。おでんや鍋物は、慌ただしい時のお助け料理でした。

　「でした。」と過去形なのは、子どもも大きくなって、急いで夕飯を作る必要がなくなったからです。最近では事務所で食べる昼食でよく食べています。「おでんセット」と大根、卵、昆布、こんにゃくなどいつも揃えている材料を鍋に放り込んでできあがりです。玄米ご飯と一緒に食べてます。

　私事ですが、朝はヨーグルト、昼は玄米食、夜は麺類かスパゲティとだいたいパターン化してます。パウンドケーキやクッキーを焼いてもらっている「ゆいまーる生活館」のお店が八王子の南町にあるので、そこに行く機会ありますとナッツやレーズン、イチジクなどが入った固パンを必ず買ってきて夕食にします。そのままでも美味しいのですが、すこしあぶって食べますと香ばしくいただけます。

　ゆいまーるのパンを「やさい畑」で扱いたいと思い過去に何度か交渉しましたが、なかなか条件が合わなくて話が立ち消えになっています。条件というのは、毎日焼いてないようなので毎日焼きたてが欲しいというニーズに合わないということと、配送に間に合うように午前中に持ってきてもらいたいという物理的な問題が解決されないので今のところ難しいのです。美味しいパンなので残念です。

　ほうれん草と言えばおひたし、最近はバター炒めでしょうか。青菜の王様と言われ各種ビタミン類、ミネラル類が豊富です。ビタミンＡは、葉を約６枚分ほど食べれば１日の必要量をカバーでき、鉄分は牛レバーに匹敵します。ヨーロッパでは胃腸のほうきといわれ、消化吸収のよい食物繊維が胃腸を整え便通を良くします。

　１年中市場にはありますが、栽培日数や品種により栄養価が違います。ホクホクの土で育った今日のほうれん草は栄養満点のほうれん草です。

　「ほうれん」とは中国語でペルシャのことです。ペルシャで栽培されていたほうれん草は、シルクロードを経て中国へ渡りました。西は北アフリカからイベリア半島を経てヨーロッパへと伝わりました。日本へは中国から１７世紀にやってきました。

　イタリア・フィレンツェの名門メディチ家の女性でフランス王家の人としたが、ほうれん草が大好物だったそうで、今でもフローレンス風と名の付く料理には必ずほうれん草が入っているということです。フィレンツェの英語読みはフローレンスです。

　世界を旅したほうれん草は、今日、食卓へのぼります。何故かほうれん草の市場出荷基準は、２５㎝ほどの若取りです。ほうれん草の食べ頃は、３５㎝くらいで、そのころが一番成熟し美味しいのです。伸びたのが行きますと伸びすぎだとよくお叱りを受けますので、なるべく大きくならないうちに出荷するようにしています。市場出荷の基準は美味しさを追求した姿ではなく、段ボールに入れ安い荷姿や流通機関にのりやすい規格で決めています。

　その荷姿に慣れた消費者が、若取りの頃のほうれん草が一番良いと思ってしまうのは当たり前かもしれません。そんな作られた常識の基準ではなく、畑と天候と野菜の自主性に合わせた野菜を愛でてくださる皆様の元へ今日もボックスに詰められた野菜は、出番を待っています。

小比企町の鈴木さん	館町の田中さん
ねぎほうれん草	かぶ大根春菊