やさい通信
2004年3月8日(月)
福富りえ子
八王子市東浅川553
TEL: 0426-68-3501
E-mail:yasai@din.or.jp 
Home Page: http://www.din.or.jp/~yasai/
 

本日の「私のやさい畑」は、下記の5品目です。 
    小比企町の鈴木さん     
     館町の田中さん    
小松菜
青梗菜
ミニレタス
里芋
サラダほうれん草


サラダほうれん草


 生食用のほうれん草です。毎年、サラダほうれん草が人気でリクエストが寄せられます。シンプルドレッシングで美味しいただくことが出来ます。手で千切ってサラダにします。ミニレタスと組み合わせても合います。春の先取りサラダ色になります。最近はサラダ系の野菜が人気ですが、田中さんの里芋も入っています。煮物の味も子供たちに伝えていきたい一つです。

里芋


 主成分はデンプン質ですが、水分が多いので、低カロリーです。里芋のデンプン質は糊化しやすく消化吸収がよいのが特徴です。

 里芋はインド東部からインドネシア半島が原産地と言われています。中国南部を経て縄文時代中期に日本に渡来したそうです。稲より早く栽培されていたようです。じゃがいもやさつまいもが登場するのは江戸時代ですから、里芋との付き合いが如何に古いかわかります。

 東南アジアや太平洋諸島では里芋のことを「タロ」と呼びます。食べ方もすりおろして発酵させたり、石焼にしたり、蒸してすり潰したり、いろいろで各地で、生活の中になくてはならないものです。場所によっては水田で栽培している所もあるようです。東南アジアをタロいも文化圏とも言うそうです。

 独特のぬめりがあって皮をむく時多少手間がかかるかもしれませんが、古代からずっと食べ継がれてきた里芋です、いとおしい野菜だと思いませんか。縄文時代の人は、里芋をどうやって食べていたのでしょう。調理器具として土器など使われたのでしょうか。石焼などにして、主食のように食べていたのでしょうか。タイムトンネルがあったら覗いてみたいものです。

行って来ました宍道湖へ


 2月最後の土、日で職員旅行兼研修で、宍道湖のしじみ漁の漁師さんや、しじみを送ってくださるネットワークの方々とお会いしてきました。しじみ漁が出来るのは週4日、1回の漁でコンテナ2個分しか獲ってはいけない協定です。コンテナ2個分と言いますと、約150kg程度です。通常ですと土曜日は漁の無い日ですが、たまたま代替日で土曜に漁がありました。飛行機から中海、宍道湖と見渡せ、宍道湖のしじみ船が出ているのを見ることが出来ました。

 宍道湖のしじみ漁の漁師さんは30人、これも厳しく協定が守られています。親子でも一緒に漁をすることは出来ません。誰かが止めないと権利が取れないそうです。環境やしじみを守るための協定です。量もコンテナに入れて蓋が出来ないとだめだそうです。最近、密漁者が、宍道湖のしじみと他のしじみを混ぜて宍道湖のしじみだと売っていたのが摘発されたそうです。

 宍道湖のは汽水域で成長したしじみですので、輸入の淡水のとは味が違います。宍道湖と言えば高く売れます。将来を考えて厳しい協定が引かれています、生態を守ろうと努力している人々を無にする人たちがいることに憤りを覚えます。汽水域とは海水と真水が混ざった水域のことです。

 出雲の空港近くにしじみ採りの船着場があります。船は小型で手漕ぎボートより少し大きい感じです。今回お尋ねしたのは原さんです。原さんが獲ってきたしじみを待機していたお連れ合いさんと母親が素早く選別します。大きさを分けるのです。一番大きいのは、料亭などに高値で売られていくそうです。私たちが食べているのは小ぶりのものです。遠くからしじみがご苦労かけて運ばれてくる様を知ることが出来ました。

 現地からしじみが寒さで砂に潜って獲れず欠品ですと連絡が入る事情がよく飲み込めました。今まで寒いと何で獲れないのかしら、何で毎日漁をしないのかしら色々疑問が沢山でしたが、百聞は一見にしかずです。あの広々とした宍道湖の生態を守る地域の活動が有難く思いました。干拓と淡水化事業が中止になった今日、無駄な公共事業を取り壊すのに又、何十億のお金がかかるという無駄をどう解決していくかが今後の課題です。みんな私たちの税金です。しじみさんありがとう。