やさい通信最新号

　今年のオクラの出来は、最高です。大きくても固くないのです。今年はオクラにはまっています。無機質、カロチン、ビタミンＥ等を多く含む野菜です。独特の粘りは、ペクチンなどの繊維質によるものです。盛夏が旬です。ダイエット食品として最近注目されています。エジプトでは２０００年前から栽培されていたようです。古くから食用にされていた野菜です。日本で普及されたのは、近年です。アメリカではレディースフィンガーという別名もあるようです。

　オクラより古いのがきゅうり、さらに遡ること３０００年前からインドのヒマラヤ山脈あたりで栽培されていたようです。きゅうりは生で食べることが多い野菜です。味付けや切り方で、楽しんでください。スティックに切ったり、斜め切りにしたり、輪切りにしたり、千切りにしたり……スティックも長かったり、短かったり、斜め切りも長いのと短いの、厚いの薄いのと、千切りも、斜め切りを千切りにして両端に緑を残す切り方と、長い輪切りを縦に切り、千切りにしたり、いろいろです。

　生食に飽きたら、炒めたり煮たりもしても楽しめます。中華料理風にエビやイカと炒めたり、さっと煮たりします。きゅうりの歯ごたえを残すように強火で手早く加熱します。お進めかどうかは別ですが、子どもの頃、みそ汁の実に入っていたことを思い出しました。

　きゅうり畑には、ボルドーと除虫菊を１回使っています。ボルドーは石灰とイオウで殺菌作用があります。除虫菊は虫よけです。いずれも天然のもので、有機認定の場合も使ってよいものになっています。

　散田町の田中由美子さんから日経新聞の切り抜きが届きました。「やさい畑」で扱っている「菊花せんこう」の記事です。化学合成した蚊取り線香でなく、除虫菊を成分にした無着色の香取せんこうという紹介です。北海道の約２２００坪の農地で、除虫菊を育てていると書いてあります。

　化学合成したものは化学農薬ですから、蚊を殺してしまう煙を自分も吸うことになります。菊花せんこうは私も使っていますが、蚊を殺すのでなく、寄せ付けないものです。鈴木さんの畑のきゅうりにも除虫菊が使われています。

　大塚の野田さんから「おたより」いただきました。伊東の鮮魚が８，９月休みなのは残念です。１年中、安定供給とはいかないですか、というご質問です。最近は取れたて丸ごと鮮魚は、さばくのが手間でとおっしゃる方が多いのですが、根強い人気があって、捨てがたい品です。新鮮そうに見えても鮮度保持剤を使っていたり、冷凍物を解かしたものだったり、見かけでは、分からないものが流通している中、当日取れた魚をセットしたものが食べられるというのは貴重です。

　朝取れた魚をセットするので、何が入るか、現地に仕入れに行った人しか、分かりません。電話で連絡を受け、鮮魚通信を作ります。魚は現地で個々に箱詰めされ、氷り入りで運ばれます。こちらに到着する頃、鮮魚通信ができあがります。到着するとすぐに写真撮影、溶けた氷の入れ替えと通常作業にプラスして作業が進められます。月曜日の朝は、通常でも息する間もないほどバタバタしていますが、鮮魚のある月曜は、それ以上バタバタしています。月曜の午前の電話対応が粗雑でしたら、ごめんなさい。

　野田さんがおっしゃる通り通年安定して出来ると良いのですが、気候変動のせいか、海の汚染によるものか、乱獲のせいか、昔と比べると漁獲が少なくなっています。その上、小ぶりになっています。これは伊東だけでなく、他の漁場でも聞く話です。前は、通年扱っていましたが、今は無理です。何処のでもいいからと、合わせた物でなく伊東の近海魚という限定ですと厳しいものがあります。最近は魚も輸入ものや養殖が増えています。海に囲まれていながら、大切な天然の食料源が少なくなっている現実を認識させれれます。魚まで人工飼育でコントロールしたり、輸入に頼りたくありません。環境をしっかり守っていくことに立ち返らなくてはと思いますが……

　イワシやサバなど昔はたくさんとれたものも最近では、水揚げしない日があるそうです。量や魚種についても、取れた魚を入れているので、あじとイカとサバを買いセットという具合にいきません。自慢は取れたてです。取れた物を入れるというのは、野菜より難しい気がします。小ぶり物しか取れないときは、それしか入れられないし、海をのぞいて、選別して取れるといいのですが。いろいろご容赦いただいて、丸ごと魚にチャレンジいただけるとありがたいのですが。
　

小比企町の鈴木さん	館町の田中さん
枝豆オクラきゅうり	なすとまと