やさい通信
2001年12月24日(月)
福富りえ子
八王子市東浅川553
TEL: 0426-68-3501
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本日の「私のやさい畑」は、下記の5品目です。 
    小比企町の鈴木さん        館町の田中さん      
かぶ
にんじん
白菜
大根
ほうれん草


かぶ


 かぶは゛頭゛のこと。かぶりを振る=頭を振る。かぶと=頭にかぶるもの。かぶは1000年も昔から親しまれてきています。かぶは汁のみ、煮物、クリーム煮、バター炒め等幅広く使えます。又、各地で独特の漬け物が発達しています。今では根を主流に食べますが、もともとは葉を食用にしていたようです。根は江戸時代になって利用されるようになったようです。葉を八百屋さんの店頭で捨てている人を見かけましたが、残念な気がしました。

 料理のポイントとして大根より火の通りが早いのでじっくり煮込む料理には火加減に注意することです。煮すぎると溶けてしまいます。

大根


 今年の配送もあと1週間分となりました。11月からお正月用品の取り揃えの準備をしていますと、お正月はまだ先だからと安心してしまうところがあるのですが、今週中にはお届けしなくてはならないのです。もう12月も終わり、月日が立つのは早いですね。

 大根はお正月になくてはならない野菜の一つです。つきたてのお餅に大根下ろしで、おろし餅、おもちが喉につかえません。お雑煮に大根で、餅の消化を助けます。焼き魚に大根おろしで、焼き魚の焦げをおろしが分解し、体に悪いものを取り除きます。脇役としても大活躍の大根です。

 熱が出た時、大根おろしを盃一杯飲み静かに寝ていると良い、と昔の人から聞いたことありませんか。解熱発汗作用があると云われています。

にんじん


 カロチンが豊富な緑黄色野菜として、調理用としてだけではなくジュースとしての利用が高まってきています。周年欲しい野菜ですが、八王子産だけで1年中まかなうことはできません。鈴木さんのにんじんは畑を食べていると言う感じで、不揃いのが入っています。それでももっと小さいのは畑に捨てられているのです。見かけを重視する人たちには耐えられないかも知れません。価値観を何処に置くかの違いだと思います。

 ベータカロチンの宝庫のにんじんは、最近ではがんの抑制や老化防止の働きがあると注目されています。ベータカロチンの一部は体内でビタミンAに変化し、粘膜の乾燥を防ぎ、細菌感染に対する抵抗力を高めると言われ、風邪の予防に効果があるとも云われています。カロチンは皮のすぐ下の組織に多く含まれています。きれいに洗って出来るだけ皮をむかないで使う方が望ましいのですが、むく場合はごく薄くむくようにしたほうがベターです。

 にんじんにはアスコルビナーゼ(ビタミンC破壊酵素)が含まれています。酸素にふれると働き始めるので、ジュースにしたときは、長く置かないですぐに飲むことをおすすめします。

 にんじんは元気の出る野菜です。馬の前ににんじんをつる下げて走らせる構図は有名です。昔は子供の嫌いな野菜の筆頭でしたが、もともと元気な子供にあまり元気の出るにんじんは、体が必要としなかったのでしょうか。我が家では、体質がアレルギーだったせいか、幼稚園弁当の彩りにトマトとにんじんとどちらが良いと尋ねると、にんじんと言う答えがいつも返ってきていたので、生のにんじんを短いスティックに切って良く入れていました。免疫力を高める働きがあるので、アレルギー体質の改善にも一役買うと云われています。自然に体が要求するのもを求めるのでしょうか。

マスコミに取り上げられるということ


 西寺方町の酒井さんです。11月末か12月初めのTBSラジオ「土曜ワイド」で安田弥生さんが紹介されていました。お母さんのことも含めて永六輔がほめちぎっていました。後日、NHKTVの昼の番組では、磯沼牧場を含む多摩南部の牧場のことが取り上げられていて、磯沼さんが「牛乳鍋」の作り方を紹介されていました。
 いわゆる「マスコミ」にやさい畑関係の生産者が登場してきて、うれしいようなそうでないような気がしてきました。

 効率性が万能の時代が長く続いて、有機農業や動物の生理を優先した酪農がすみに追いやられてきた時代からずつと安全性やおいしさを追求して、冗談なくして笑い者にされても貫いてきた信念が、社会的に認知されてきただけという気がします。生産者が急にマスコミ受けをする事をし始めたのではなく、世間が何が大事か気がつき初めて、ずっとこつこつと積み上げてきたものが取り上げられているだけです。一流会社に身を置くことがエリートと呼ばれた時代から農業を目指し勉強してきた弥生さんにしても彼女は彼女の信念を貫いているだけで、一昔前なら無視されてきたことが、時代の変成で珍重されたに過ぎないと私は思っています。

 大きいことは良いことだ。早いことは良いことだ。から small is beatiful ですとか slow food 小さいこと、ゆっくりなことが見直されてきています。自然の摂理が尊ばれてきています。流行を追うマスコミが敏感に取り上げています。
 どんなにマスコミが取り上げても磯沼牧場の世界一ちいさなヨーグルト工房で作られるヨーグルトは、地域流通が中心です。テレビを見てわっと買いに来てもそれは一過性です。地域を大事に生産する姿勢に変化はありません。信念はずっとゆるぎません。だから狂牛病のような事件が起きても怖くないのです。

今年最後の「私のやさい畑」です。


 正月セットをのぞいて通常のセットはこれが、2001年最後の「私のやさい畑」セットです。
八幡町の濱田さんのすてきなメールで締めくくります。

 毎週届けられる一つ一つの野菜や果物が、とてもたくさんの人の、たくさんの思いと苦労の結晶なのだと思いながらいただきたいと思います。