やさい通信
2001年11月26日(月)
福富りえ子
八王子市東浅川553
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本日の「私のやさい畑」は、下記の5品目です。 
    小比企町の鈴木さん        館町の田中さん         小比企町の小杉さん   
白菜
春菊
オータムポエム
大根
みぶ菜


オータムポエム


 葉ものです。黄色い可愛らしい花を付けています。誰が名付けたのか、「秋の詩」の名に恥じない雰囲気を持った花です。花も食べられます。ゆでておひたしでも良いのですが、ゆでたのにマヨネーズをつけて食べてもおいしいです。あまりくせのない葉ものです。初めて召し上がる方が多いかと思います。ご賞味ください。

みぶ菜


 京都壬生地方で栽培されていた水菜が変化して出来たものです。漬け物、油揚げや豚肉との炒めもの、鍋物などにして食べます。独特の辛味とシャキシャキした歯触りが特徴です。ビタミンC、カロチン、鉄が豊富な緑黄色野菜です。


白菜


 鍋物、漬け物、あえ物、煮物、スープ、汁の実と多種多様に調理されてきました白菜です。近年サラダで食べる人も増えているようです。葉を手でちぎり、カリカリに炒めたベーコンやパセリなどお好みのものを混ぜドレッシングでいただきます。ドレッシングは和風風味のものが合います。しょうゆにマスタード、レモン汁を混ぜ合わせたドレッシングなどいかがでしょうか。

 最初は地面を這うように開いた葉が、大きく結球していく様は、不思議です。葉が20枚くらいになると内側の葉が立ち上がり結球していきます。結球してない外葉は、光合成で養分をつくり、結球した内葉に養分を送り込みます。結球してない外葉は、一生懸命働いても収穫の時、見向きもされずに畑に残され、それがあったことを知られることなくお役目が終わります。そんなことありません良く知っていますと言われそうです。よくご存じの方もいらっしゃると思います。まあ何が言いたいのかと申しますと、大したことではありませんが、成長していく作物の不思議さ、それを遺伝子というのでしょうか、白菜はキャベツのように決して平たく丸く結球しません。そういう不思議さがあるということと、食べられる部分を支える食べられない部分を愛おしいと思うということです。
 
狂牛病


 2頭目の狂牛病の牛が北海道で出たと報道されました。前回のと生まれ日や生まれ地が近いということでした。全頭検査をしているから見つかった、それは廃棄するから安全だと厚生省から発表されました。肉骨粉を食べたとされる牛、5100頭を国が買い上げ焼却処分にすると報道されています。磯村牧場の磯沼さんは、一言小さな声で、「牛がかわいそう」。

 お菓子、化粧品。、着るもの、靴、鞄と周りを見回しただけでこんなにも牛さんたちのお世話になっていることがわかります。得体の知れない病気を持ち込んだのは、牛自身ではなく、人間の身勝手からです。食べたり生活に利用したりするのには感謝して、使うことができます。生あるものを処分と聞いてああこれで安心という気持ちにはなりません。磯沼さんばかりでなく「牛がかわいそう」と思います。

 疑問がふつふつわいてきます。今回の検査で見つかった牛は、ふらふらする事もなかったと報じられています。ということは検査前には病気にかかっていた牛も知らずに利用していた可能性があると感ずるのは私1人でしょうか。事件以来牛肉の売り上げが落ちていると言われています。ということは検査してない牛が冷凍保存されていて徐々に利用している肉等の中に、安心できないものが混ざっているのではないかと思うのは私1人でしょうか。

 病気の解明は完璧にされてないようですが、原因は病原体の混ざっている肉骨粉を食べることにより感染するといことが分かっていながら、きちんと対応して、阻止する事ができなかったのは、なんと言っても行政の責任です。なにより心配なのは人への感染です。病原体のプリオンはちょっとやそっと煮ても焼いても感染力がなくならないものだそうです。焼却処分といいますが、焼却灰が安全だと言い切れません。焼却灰はどうするのでしょうか。燃やせば安心という構造はダイオキシンをはじめとする環境ホルモンの問題で明らかになっています。直接口に入らないからいいというものではありません。焼却により汚染が拡散されないか心配です。

 「死の病原体プリオン」(草思社)という本を読みました。著者はリチャード・ローズさん、訳者は桃井健司さん、網屋愼哉さんです。ちょっとやそっとでないショックを受けました。《ポール・ブラウンはスクレイピー(狂羊病)に感染した脳を冷凍乾燥し、ガラス管に密封して360度の炉の中に1時間入れて置いた。試料を取り出してハムスターに接種すると、ハムスターはスクレイピーに感染した。》
《 「君はバラに骨粉を使っているかい」使っていると答えた。彼はうなずきながらいった。「私なら使わないな」》《「バラの肥料に骨粉を使っているのを知っているかい。骨粉は死んだ牛の骨を細かく粉にして作るんだ。袋の表に「密閉した部屋の中で、袋を開けてはいけない」と書いてある。鼻につくからさ。このノーベル賞をもらったウイルス学者は、感染性スポンジ脳症のことならだれよりもよく知っている。》