やさい通信
2001年11月19日(月)
福富りえ子
八王子市東浅川553
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本日の「私のやさい畑」は、下記の5品目です。 
    小比企町の鈴木さん        館町の田中さん         小比企町の小杉さん   
大根
さといも
ほうれん草
小金いも
きゃべつ


小金いも


  前に安田弥生さんの小金いもを入れてますので2回目です。田中さんは紅あづまの作付けが主流ですが、今年は小金芋も作りました。野菜にも流行のようなものがあります。生産者も時流をとらえて作ったりしています。小金色のさつまいもお菓子にしてもきれいでれす。昔から便秘にはさつまいもと言われています。豊富なセルロースとヤラピンが相乗効果をもたらすからです。セルロースは食物繊維、ヤラピンはいもの持つ成分。この成分に便秘解消作用があり、腸内を掃除します。食べ過ぎても下痢を起こす心配がないのが薬と違うところです。

 しかし食べ過ぎるとガスがたまりやすいという難点があるようです。さつまいもの甘みが、胃の粘膜を刺激し胃酸の分泌を促し、発酵を異常に起こすことが、原因のようです。ガスを防ぐのには、皮ごと食べることです。皮に含まれるミネラルが糖質の異常発生を抑えガスの発生を消してくれます。又、バターなどの脂肪分と一緒に食べるといいようです。

さといも


 皮をむいて売られているのがありま。薬品処理されたものが多いので、やはり泥付きの方が安心です。独特のぬめりがありますが、このぬめりが、滋養強壮作用を発揮する源です。ぬめりのもとムチンが体内でグルクロン酸を生じ、肝臓や腎臓を丈夫にします。皮をむくと手がかゆくなる場合がありますが、これはムチンによるものです。ゆでた後、水で洗うか、皮をむいた後、塩水で洗うかすると、ぬめりが軽くとれます。ぬめりを取りすぎると、せっかくの成分が無くなります。程々に取った方が良いようです。

ほうれん草


 ヘモグロビンの成分となる鉄を多く含み、鉄の吸収を助けるビタミンCも豊富なので貧血予防になります。鉄分は牛のレバーに匹敵します。葉は柔らかく、消化もいいので高齢者から子供まで積極的に食べたい野菜です。カロチン、ビタミンB1、B2、B6、カルシュウム、ヨードもたっぷりです。不足しがちな栄養素をたっぷり含んでいます。疲れやすい人にもお薦めです。

 日本ほうれん草の一種です。葉肉は薄め、切れ込みのあるのが特徴です。おひたしに向いています。


大根


 根にはでんぷん分解酵素、ジアスターゼなどの消化酵素が含まれ、食べ物の消化吸収を助けます。大根下ろしを食べると胃がもたれないのは、消化酵素が働くからです。天ぷら、焼き魚などに大根下ろしを添える習慣があるのは、こうした効果を実践していることになります。ビタミンCをたくさんとるなら、皮のまま大根下ろしにします。皮は中心部より2倍のビタミンCが含まれています。20分置くとビタミンCが損なわれます、食べる直前におろすのがベストです。五分後でビタミンCの残存率は90%です。

 おろす場合、目の粗いおろしき器を使うより、目の細かいおろし器を使った方が、辛味が強くなります。一番辛味があるのはしっぽの部分です。イソチオシネートという成分がしつぽの方が多く含まれているからです。細胞内の酵素の働きで辛くなるため、細胞が壊れれば壊れるほど辛味が増すというわけです。この辛味は揮発性です。1時間も置くとまったく辛味が消えます。又、絞ると汁の方に辛味成分が出てしまいます。風味が損なわれるので絞らない方がいいのですが、料理やさんは何故か絞って出しますよね。
 
キャベツ


 キャベツも大根同様、加熱しても生でも味が生かせる野菜です。外葉にはビタミンA、芯に近いところにはビタミンCが含まれ、また、血液の凝固作用のあるビタミンKや抗潰瘍性の成分ビタミンU、カルシュウム、ミネラルなど豊富です。ビタミンKやUの含まれているキャベツは、潰瘍の予防になると言われています。授乳中の人や妊婦さんはたくさん食べた方が良い野菜です。赤ちゃんの脳内出血を防ぐ効果があるからです。栄養的には生が一番ですが、生ですと量をたくさん取れません。湯がくか炒めるかすれば、量はたくさん食べられます。ビタミン類を壊さないように手早く料理するのがこつです。



 新聞で読みました。何処の地域か忘れましたが、学校で鶏を飼って食べるところまで、子供たちに見据えさせようとした教員の行為に、残酷だからといって保護者からクレームがつき止めさせたいう記事でした。新聞にも賛否両論の意見が載ってましたが、残酷だと言っても、そう言った人は、生きものの命を奪って生活していないのでしょうか。見えないところで処理したものならいいのでしょうか。ちゃんと食物連鎖を教えて、命を奪っていることを教えた方が、食べ物を無駄にしてはいけないことを認識させることができて、命を大事にする意識が育つような気がしますが。食物連鎖の中では人間も動物の仲間、生きるのに必要以上の過食はおごりだと思います。ですから私は決して残酷だと思いません。むしろそういうことを教えないことの方が弊害が多いような気がします。