やさい通信

2001年3月5日(月)
福富りえ子

八王子市東浅川553
TEL: 0426-68-3501
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Home Page: http://www.din.or.jp/~yasai/


 
本日の「私のやさい畑」は、下記の5品目です。 
  館町の田中さん   小比企町の鈴木さん 
ねぎ
ロケット
ほうれん草
ごぼう
小松菜


ロケット


 ロケットが一般的なんでしょうか。ルッコラの方が通りがいいのでしょうか。フランスでは、ロケット、イタリアではルッコラといわれるハーブ野菜です。ビタミンCが豊富な野菜です。クレソンのような風味でサラダが中心的な使い方です。利尿作用、強壮作用、健胃作用などが期待できます。オリーブ油のドレッシングが合います。小豆島のオリーブドレッシングは、お薦めですが、オリーブ油、大さじ2.ワインビネガー(白).大さじ1.粒マスタード、小さじ1.塩、コショウといったドレッシングはいかがでしょうか。ドレッシングは自分で作った方が経済的なんですが、つい出来合いの美味しいのがあると買ってしまいます。

水門の開放を


 自宅に最近は留守電よりFAXの方がたくさん来ます。帰宅すると1日に1件は最低来ています。印字しないで画面を見て、ほとんど消してしまいます。新聞を読めばわかる様なことだったり、読めば用が済む内容だったりするからです。そんな中で有明海という文字が見えたのですぐに印字したのがあります。3月1日に有明海漁連が上京、諫早湾干拓工事の中止と水門の開放を農水大臣に署名を添えて要請するスケジュールでした。

 諫早湾の干拓事業が原因と思われる養殖のりの被害。自然を破壊することで被害を受けるのは、そこで生活している人たちです。「宝の海を返せ!」と漁民の方々。諫早の干潟がなくなって、干潟の生き物が支えてきた生態系が一気に壊され、海は自浄作用を失ったのです。ついにはのりが黒くならないという事態に発展してしまったのです。

 ムツゴロウもエビもアサリも死んでしまったのは、諫早湾干拓事業のせい。分かっているのだから止めればいい。そんな事が、なぜ出来ない。政治が、市民の方を向いてないから。市民がそういう政治家を選出しているから。自然を壊したつけは、平等に人の上にのしかかるのに。まだ間に合うのなら、自然を取り戻して欲しい。

 1月の半ば頃、散田町の岩崎さんから「おたより」頂きました中に諫早湾のことが書いてありました。教員をされていて、子ども達に「自然を大切に。人間も生き物の一員」と教えてこられたそうです。退職された所に諫早湾の閉め切りがあり、ショックが大きく、干潟の保護を中心に森、川、動植物の保護のための活動にかかわってきたそうです。のりの被害に心を痛めて、ボランティアのお仲間と東京で出来ることを検討し行動する予定ですと、あります。折角お知り合いになれましたのに岩崎さんは、高齢のお母様を思い計り、近じか杉並に転居されてしまいます。
  
ダムのこと


 岩崎さんは、川辺川のことにも触れています。文章の内容は、川辺川を守るシンポジュウムで知り合いになった徳島県、木頭村の村長さんのこととダムに頼らない村おこしの紹介でした。
 川辺川は熊本県球磨川の支流で、不知火海に注いでいます。今でこそ長野県知事がダム建設を中止すると発表する時代になりましたが、20年前はそんなこと言う人もあまりいませんでした。田中知事に期待満々です。
 
 飲み水を確保するためにダム建設は必要だということと、内需拡大のため公共事業推進という名目で、川という川が日本全国ダムだらけになりました。その当時、ダム建設で水没してしまう村を訪ねて支援をしていましたが、川辺川には、行く機会を逸してしまいました。岩崎さんの文章に触発され、ダムのことが書きたくなりました。

 都会人の飲み水のために、山村の人たちの畑もお墓も生活も豊かな自然環境も全て水に沈めてしまってよいのでしょうか。水道の蛇口をひねると飛び出す水、水の先が犠牲であっていいのでしょうか。企業の努力(水の再利用)や個人の節水意識などが進んで水需要は増えていません。新たに何兆という巨額の税金をつぎ込んでダム建設をする理由がもはやありません。雨が降らないとダム湖の底をマスコミは写しだし、水飢饉をあおります。ついそれは大変だと思いがちですが、それは天候や水需要を予測してダム湖の水量を放流する放流量のミスなのです。市民の水をきちんと確保するための努力を水行政が怠っているのです。

 川辺川ダムは五木の子守歌で有名なあの五木村を沈めてしまう計画です。最初は水力発電用といわれ、次は高原(たかんばる)台地の水田化目的と言われ、治水専用と言われ、潅漑、発電が目的に加わり、事業のための事業でしかなくなってきています。ダムは山も川も海も破壊してしまいます。昔、活動家だった頃を思い出し、勢いづいて書くのを止めるのがつらいのですが、長くなりましたので、ここで文章を終わりにします。コップ一杯の水からダムを考えてみませんか。ごぼうから地球環境を考えるように。