やさい通信

2001年2月26日(月)
福富りえ子

八王子市東浅川553
TEL: 0426-68-3501
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Home Page: http://www.din.or.jp/~yasai/


 
本日の「私のやさい畑」は、下記の6品目です。 
  館町の田中さん   小比企町の鈴木さん 小比企町の小杉さん 
白菜
ラディシュ
サラダほうれん草
大根
小松菜
にんじん(小)


(小)にんじん


 作物は、同じ大きさのが均一に畑にできるわけではなく、大小様々、形も様々できるのです。そんなこと言われなくてもわかると、おっしゃるかも知れませんが、買って食べると同じ大きさのがセットされていて、その陰で捨てられている規格外の野菜がたくさんある事に思いを馳せるなど、ほとんどしません。鈴木さんたちに「にんじん」を必要量をセットしてもらうと、大小様々袋に入っています。それでもまだ、破棄するものが出ます。市販品は規格を揃えて売るのですから、ゴミとなる品物が結構あるのではないかと想像できます。

 小さいものには価値がないという市場経済論理は、味や安全性をといった、目に見えない価値を全く考慮に入れてません。前書きが、多かったかと思いますが、小にんじんばかりを集めました。小さいから調理に手間がかかるといけないからと、小杉さんが、洗うと言っています。そうすれば皮をむかないで、そのまま使えるので、皆様のご負担が減るのでは、と今回は洗浄することにしました。丸ごとにんじん入りポトフにするといいと博子さんポトフをお薦めしています。小杉さん宅でのお気に入りメニーだそうです。こういうにんじんが手に入った時は、丸ごと料理です。お試しください。

白菜


 今年は、白菜の収穫がよくありません。1月の最終週に入れてから1ヶ月ぶりです。その時に入れましたのは、真冬とり白菜で、1回分の収穫で終わってしまいました。白菜の収量が終わったのではなく、その時の品種のが終わりということでした。今回のは1月2週目のと同じで、今まで畑に置いておいたものです。通信の書き方が舌足らずで、もう今期の白菜は終わりかと思われた方もいらして誤解を招いてしまいました。すいません。畑で冷気と雪と太陽を浴びっぱなしで数ヶ月、忍耐強く立ちつくしていた白菜です。風雪に耐えた外葉をはいでお届けします。

大根


 今年の鈴木さんの大根は、とてもジューシーで美味しい気がします。町田で「たべのもや」というお店を開いています角張光子さんが出している情報通信紙をいただきました。電話で話をしましたが、はつらつとした方でした。エコロジーを起点とした食材、雑貨、天然酵母パン、エコナプキンなど売っているレストランだと言うことですが、私は行ったことがありません。「たべものやだより」におっ!ということが、書いてありましたので紹介します。

 大根サラダのエトセトラというタイトルで、「納豆と大根サラダ」「大根とわかめのゴマよごし」とあります。これらはうなずけるのですが、「トーストに千切り大根のトッピング」とあったので、むむ!おもしろいと思い引用させていただきます。
 イギリスパンやバケット、ライ麦パンにマーガリン、ガーリック、マスタードを塗って、千切り大根を上にのせてトーストするというものです。お好みで塩、コショウをしてもいいそうです。パンが水っぽくならないか心配な気もしますが、大根はパンに合うのですと書いてあります。
ただしパンは、天然酵母で焼いたパン、中味の濃いパンをやや薄めに切って作るのがコツのようです。他に大根フライやクリーム煮という紹介もあります。大根もこんな風に洋風?に食べるとまたそれなりに、いいですよね。

市民科学者


 21世紀に夢を繋ぎ、20世紀の最後に亡くなった高木仁三郎さん著の「市民科学者として生きる」(岩波新書)をやっと読み上げました。読み進めますと、集会などで私は片隅ですが同じ場面にいた所々が、思い出されました。アカデミズムを越えて、市民科学者として核の問題、プルトニュウムの危険性を取り上げ、市民と共に平和を主張続けて、まだ早い死を迎えた方です。エリートいう言葉を使ってもいいのなら、エリートの彼が、大学を辞して市民科学者として生きる決意をさせたのが、三里塚の土と農民です。

 「俺らは、戦後に開拓で入り、木の根っこだらけの土地を食うや食わずで、ここまでの農地にした。やっとメシが食えるようになったら、空港計画が舞いおりてきた。俺たちに一言の相談も、あいさつもすらなかった。国で決めた計画だというが、俺たちの意志を無視して国家計画が決まる。そんな道理があるべか、俺たちはまちがってるべか、高木さん」

 高木さんの原点が、土と農民だったことが、分かりました。だからこそ地についた運動が出来たのだと改めて思いました。土を大事にしなければ、命は存続しないのです。勇気を与えてくれる本です。