◎艦名の由来
トゥアレグ Touareg
アルジェリアを含むアフリカ北西部に居住する、ベルベル系の遊牧民、トゥアレグ族より。中世ではサハラ砂漠貿易を支えた。青を中心とした民族衣装と、勇猛さ、誇り高さで知られる。
☆実艦解説
この艦は、1944年、アメリカ海軍のカノン級護衛駆逐艦 DE-747 ブライトとして竣工しました。
第二次世界大戦をアメリカ海軍艦艇として戦った後、アメリカのMDAP(Mutual Defense Assistance Program 相互防衛援助計画)の援助として、1950年、同型艦6隻と共に、フランス海軍に譲渡され、護衛駆逐艦(Destroyer d'Escort)F721 トゥアレグとなりました。これにより、大戦中の1944年に貸与されたカノン級6隻と合わせて、計12隻の護衛駆逐艦がフランス海軍に就役しました。
就役後、艦橋前面のソナー室の拡大、エリコン20mm単装機関銃の連装機関銃への換装など小改正を実施し、本国にて活動後、1954年のアルジェリア戦争勃発後は北アフリカに派遣され、オラン、メル・セル・ケビルを拠点として、アルジェリア駐留軍、海軍陸戦部隊の支援任務についています。
アフリカでの任務終了後、1965年9月に退役しました。
作例は1952年の状態として作成しました。艦橋前面のソナー室の拡大、エリコン20mm単装機関銃の連装機関銃への換装以外は、ほぼアメリカ艦時代の原型を留めています。
◎トゥアレグ 要目
基準排水量1,450t 全長:93.00m 最大幅:11.17m 吃水3.1m
機関:GM式16-278A型ディーゼル機関4基 推進用電動機4基 2軸推進
燃料 ディーゼル油279t 機関出力:5,800hp 速力:21ノット
航続距離:10,800海里/12ノット
乗員数:180名
兵装:7.6cm50口径MK.]]U単装両用砲3基 ボフォース40mm連装機関銃3基 エリコン20mm連装機関銃9基
ヘッジホッグ1基 爆雷投射機8基 爆雷投射軌条2基
電探:SA2 1基 SF 1基
☆制作
作例は、ピットロード1/700 カノン級護衛駆逐艦を元に、プラ材で改造を行っています。
基本形状は良くできていますが、各部の部品の摺り合わせが十分に必要です。以下の2点は特に摺り合わせに注意しました。
1.上部構造物中部両舷に装備されたボフォース40mm連装機関砲の砲座の部品の位置調整。
舷側幅に張り出させ、床面を上部構造物と同じ高さにする。
2.艦底板と船体の合わせ。艦底板の方が幅が広いので、両舷を削る。
艦橋前面は、プラ材を貼り付けて削り、ソナー室の前方への拡大を行いました。
基本的には同形の護衛駆逐艦達ですが、艦橋構造物及びソナー室の舷窓の位置がそれぞれ異なります。微妙な個性ですが、0.5mmのピンバイスで丸窓を彫り込み、再現しています。ただ、艦橋側面のライフラフトを接着すると、ソナー室前面の丸窓以外は、殆ど見えなくなりました。
マストは0.88mmプラ棒から作成しました。SAレーダーは、ライオンロアの第二次世界大戦アメリカ海軍用レーダーのエッチングパーツを使用しました。
エリコン20mm連装機関銃は、ピットロード WW-U アメリカ海軍艦船装備セットVから流用しています。このパーツは部品枠1つに2基しか付属していないので、足りない分はストックキットのピットロード ベンソン、リヴァモア級駆逐艦についている同じ部品枠からも流用しました。
装備位置は、艦橋前のフラットのものが2基から1基になった以外は、単装機関銃と同じ位置に設置しています。また、上部構造物上に、弾薬ロッカーが増設されているので、プラ材で再現しました。
艦番号デカールはHAWK GRAPHICSのWWU イギリス艦艇用艦番号を使用しました。軍艦旗は、ゴールドメダルの軍艦旗デカールを使用しました。
参考資料は、後掲のフランス語2資料を主として、準同型艦のバックレイ級の資料であるConway Maritime Pressの「Anatomy of the ships:DESTROYER ESCORT ENGLAND」を主に作成しました。1952年の装備状況は、写真より確認しています。
☆塗装
塗装に使用した塗料は以下のとおりです。
・船体色 明灰白色1(35)
・喫水線色 タイヤブラック(137)
・甲板色 ピットロードカラー PC-4 アメリカ海軍現用グレーU
・煙突ファンネルキャップ セミグロスブラック(92)
・ボラード、錨鎖、錨 セミグロスブラック(92)
かっこ内はミスターカラーのナンバーです。