デルフィスモデル1/700
イタリア海軍 駆逐艦 ティグレ





◎艦名の由来
ティグレ tigre
  虎の意。

☆実艦解説
  第一次世界大戦中、イタリア海軍は、それまで建造していた偵察巡洋艦の代わりに、偵察艦(Esploratori)の建造を開始しました。
  この艦種は、巡洋艦より小型、駆逐艦より大型重兵装、高速の艦種でした。
  第一世代の偵察艦ミラベーロ級は10.5cm単装砲10基を両舷に5基ずつ配置(当初は艦種10.5cm単装砲2基は15cm単装砲一基)、35ノットの高速を持っていました。
  続いて、1917年、第二世代の偵察艦としてレオーネ級5隻が発注されましたが、戦時中により起工に至らず、戦後改めて3隻の発注が行われ、アンサルド社の設計により、1924年、レオーネ、パンテラ、ティグレが揃って竣工しました。
  船型はミラベーロ級の改良型でしたが、装備は大いに洗練されました。特に、武装配置は12cm45口径連装砲4基の中心線上配置となり、片舷砲戦能力が大きく向上しました。雷装は45cm三連装魚雷発射管2基が装備されました。これは、当時の基準排水量1,700t級艦艇としては非常に重武装でした。
  戦間期に、射撃指揮装置の改良、船首楼の延長、魚雷発射管の53cm連装魚雷発射管2基への換装が実施されました。
  当初は駆逐艦に対して優位を誇った偵察艦でしたが、駆逐艦の大型化によりアドバンテージを失い、1938年、ミラベーロ級、レオーネ級、ナヴィガドリ級は駆逐艦籍に変更されました。
  第二次世界大戦開戦時には、レオーネ級三隻は第五駆逐隊を編成し、紅海アビシニアのマッサワに孤立していました。機雷敷設やイギリス輸送船団の襲撃などを実施しましたが戦果はありませんでした。レオーネは3月31日座礁全損、進退窮まったパンテラとティグレは1942年4月2日、ポート・スーダンの攻撃に出撃しましたが、僚艦3隻をイギリス空母イーグルの艦載機の攻撃で失い、辛うじて帰投したものの、4月3日から4月4日に掛けて自沈して果てました。

  駆逐艦ティグレは、戦間期の改装後、開戦時の姿で製作しました。


◎ティグレ 要目
基準排水量1,743t 全長:113.41m 垂線間長:109.6m 最大幅:10.36m 吃水3.1m
機関:ヤーロー式水管缶4基 ギヤードタービン機械2基 2軸推進
燃料 重油393t 機関出力:42,000hp 速力:34ノット
航続距離:2,400海里/16ノット
乗員数:206名
兵装:12cm45口径連装砲4基、53cm連装魚雷発射管2基 ヴィッカーズ40mm単装機関砲2基 機雷60発


☆制作
  作例は、資料の写真を中心に、キットに従い、ほぼ素組の状態で製作しました。
  部品の内、カッター、ボードダビッドが折損していたので、WLの小型艦武装セットから流用しています。
  艦記号はマスキングで記入、、軍艦旗は紙に印刷したものを使用しています。

☆塗装
  塗装に使用した塗料は以下のとおりです。
・船体色 明灰白色1(35)1+艶消しホワイト(62)2
・喫水線色 タイヤブラック(137)
・甲板色 ネービーブルー(14)
・煙突ファンネルキャップ セミグロスブラック(92)
・帆布張りブルワーク セールカラー(45)
・艦載艇内部、高角砲座内部 タン(44)

 かっこ内はミスターカラーのナンバーです。

デルフィスモデル1/700 イタリア海軍 駆逐艦 ティグレ 横から
デルフィスモデル1/700 イタリア海軍 駆逐艦 ティグレ 斜前から

デルフィスモデル1/700 イタリア海軍 駆逐艦 ティグレ 斜前から
デルフィスモデル1/700 イタリア海軍 駆逐艦 ティグレ 斜後から

デルフィスモデル1/700 イタリア海軍 駆逐艦 ティグレ 斜後から
デルフィスモデル1/700 イタリア海軍 駆逐艦 ティグレ 斜後から


◎参考資料
・「第二次世界大戦駆逐艦総覧」 M,J,ホイットレー著 出版社 大日本絵画
・世界の艦船別冊「第2次世界大戦のイタリア軍艦」 出版社 海人社
・ヴェイヤー年鑑 戦間期のもの



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