ピットロード1/700カノン級護衛駆逐艦改造 アメリカ沿岸警備隊 カッター ニューウェル 横から
ピットロード1/700カノン級護衛駆逐艦改造 アメリカ沿岸警備隊 カッター ニューウェル 斜前から
ピットロード1/700カノン級護衛駆逐艦改造 アメリカ沿岸警備隊 カッター ニューウェル 斜後から
☆実艦解説
この艦は、ギヤードディーゼル推進の長船体護衛駆逐艦、エドソール級の一隻、DE322として1943年竣工しました。ディーゼルエレクトリック推進のカノン級とは推進機関が異なりますが、外見上はほぼ同形です。
ニューウェルは、第二次世界大戦を海軍艦艇として戦い、戦後、除籍され保管状態におかれました。
朝鮮戦争の勃発に従い、アメリカ遠征軍は、海路、空路により輸送されるため、太平洋上の気象観測が重要な任務となりました。そこで、12隻のエドソール級護衛駆逐艦がカッターとしてアメリカ沿岸警備隊に移管され、1951年から1954年にかけて、太平洋上の気象観測任務につきました。
各カッターは、戦争中、ミッドウェーからグアム、日本にかけての洋上観測局として、気象情報の収集を行い、戦争遂行に協力しました。
1954年に12隻は海軍に返還されました。
余談ですが、その後全隻が1957年にレーダーピケット護衛駆逐艦に改造され、1970年代まで現役にありました。
作例は1952年、アメリカ沿岸警備隊のカッターとしての状態として作成しました。艦載艇の増備、倉庫の設置、機関銃、機関砲配置の変更と、艦上配置にかなりの変化が見られます。
◎ニューウェル Newell 要目
基準排水量1,450t 全長：93.00ｍ 最大幅：11.17ｍ 吃水3.1m
機関：フェアバンクス・モース38D-1/8-10ギヤードディーゼル機関4基 2軸推進
燃料 ディーゼル油279t 機関出力：6,000hp 速力：21ノット
航続距離：10,800海里／12ノット
乗員数：171名
兵装：7.6cm50口径MK.]]U単装両用砲3基 ボフォース40mm四連装機関銃1基 ボフォース40mm連装機関銃2基 エリコン20mm連装機関銃2基
ヘッジホッグ1基 爆雷投射機8基 爆雷投射軌条2基
電探：SC-3 1基 SU-1 1基
☆制作
作例は、ピットロード1/700 カノン級護衛駆逐艦を元に、プラ材で改造を行っています。
基本形状は良くできていますが、各部の部品の摺り合わせが十分に必要です。以下の２点は特に摺り合わせに注意しました。
１．上部構造物中部両舷に装備されたボフォース40mm連装機関砲の砲座の部品の位置調整。
舷側幅に張り出させ、床面を上部構造物と同じ高さにする。
２．艦底板と船体の合わせ。艦底板の方が幅が広いので、両舷を削る。
艦橋直後の構造物には左右対称に甲板を0.5mmプラ板で増設し、艦載艇フラットとしました。艦載艇のダビッドは、ピットロード1/700 重雷装艦大井のジャンクパーツから4本流用しています。
格納庫はプラ材で自作、上部構造物後端の40mm四連装機銃座もプラ材で自作しました。これらの改造により、上部構造物の印象が大きく異なります。
マストは0.88mmプラ棒から作成しました。SC-3レーダーは、ライオンロアの第二次世界大戦アメリカ海軍用レーダーのエッチングパーツを使用しました。SU-1レーダーは、ジョーワールドの方向探知機用エッチングパーツを使用しています。
40mmボフォース四連装機関砲、エリコン20mm連装機関銃、艦載艇は、ピットロード WW-U アメリカ海軍艦船装備セットVから流用しました。20mm連装機関銃のパーツは部品枠1つに2基しか付属していないので、この一隻分で一枠分を使い切りました。
エリコン20mm連装機銃の装備位置は、2番7.6cm50口径単装両用砲脇のフラットに1基ずつです。
艦番号はクリアデカールにW422の文字を印刷し、自作しています。軍艦旗は、キット付属のものを使用しました。
参考資料は、「U.S.Coast Guard Cutters & Craft 1946-1990」の写真です。細部は、準同型艦のバックレイ級の資料であるConway Maritime Pressの「Anatomy of the ships:DESTROYER ESCORT ENGLAND」を主に作成しました。1952年の装備、塗装状況は、写真より確認しています。
☆塗装
塗装に使用した塗料は以下のとおりです。
・船体色 つや消しホワイト（62）
・喫水線色 タイヤブラック（137）
・甲板色 ピットロードカラー PC-4 アメリカ海軍現用グレーU
・煙突本体 ダークイエロー（39） ファンネルキャップ セミグロスブラック（92）
・ボラード、砲兵装、爆雷兵装、錨鎖、錨 セミグロスブラック（92）
かっこ内はミスターカラーのナンバーです。