NIKOモデル1/700 ポーランド海軍 駆逐艦ブリスカヴィツァ（1945年） 横から
NIKOモデル1/700 ポーランド海軍 駆逐艦ブリスカヴィツァ（1945年） 斜前から
NIKOモデル1/700 ポーランド海軍 駆逐艦ブリスカヴィツァ（1945年） 斜後から
◎艦名の由来
Blyskawica
雷光の意。同型艦のGrom グロムは雷鳴の意。
☆実艦解説
この艦はグロム級駆逐艦2番艦として1934年計画で建造された大型駆逐艦です。
フランス造船界への不信から、当初武装（ボフォース製）と同じスウェーデン、コックムス社に設計が依頼されましたが、満足な結果が得られませんでした。
その後、イギリス造船会社への競争入札となりましたが、品質第一のソーニクロフト社は金額面で折り合わず、最終的に発注が決定されたのは、品質でそれに次ぎ、価格が折り合うサミュエル・ホワイト社の設計案でした。
グロム級は、最終的に、トライバル級を凌駕する大型駆逐艦して完成しました。バルト海運用を全艇としたトップヘビー傾向はありましたが、耐氷構造の艦首、39ノット強という注目すべき特徴を持っていました。
グロム級2隻は、第二次世界大戦開戦前夜、ペキン作戦によりポーランドを脱出し、自由ポーランド海軍としてイギリス本国艦隊の指揮下に入りました。
その後、ノルウェー戦でグロムを失いながら、ブリスカヴィツァはダイナモ作戦、北海での船団護衛、地中海作戦、ノルマンディー上陸作戦と戦歴を重ね、終戦時を健在で迎えました。
しかし、ポーランドには終戦後共産政権が設立されており、ブリスカヴィツァは1947年本国に帰還したものの、自由ポーランド海軍に参加した将兵達は帰還が叶いませんでした。
その後、共産政権下で、対空フリゲートとして長く在籍を続け、1974年に除籍されました。
1975年からはグディニアでミュージアムシップとして公開され、現在もその姿を止めています。
作例は、1941年、10.2cm高角砲装備の防空駆逐艦に改装後の姿を作成しました。艦影、塗装は、自由ポーランド海軍記念写真帳の、1945年状態を参考にしています。
◎ブリスカヴィツァ 要目
基準排水量2,214tt 全長：114ｍ 垂線間長109m 最大幅：11.3ｍ 吃水3.1m
機関：三胴缶4基 パーソンズ式オールギヤードタービン2基 2軸
燃料 重油491t 機関出力：54,500hp 速力：39ノット
航続距離：3,543海里／15ノット
乗員数：180名
兵装：10.2cm連装高角砲4基 10.2cm単装高角砲1基、40mmボフォース連装機関砲2基、エリコン20mm単装機関銃4基、21インチ4連装魚雷発射管1基
☆制作
作例は、NIKOモデルの、ブリスカヴィツァ1942年を改造しました。ポーランド製キットで、戦隊形状は良好ですが、細部部品が使用に耐えないので、その点流用しながら作成しました
艦橋は、艦橋ブルワーク、遮風装置が欠落していますので、0.14mmプラ板、0.25mmプラ棒で再現しています。また、艦橋下部とウィングの部品の高さが合わず、艦橋が後ろのめりになってしまうので、0.3mmプラ板を貼り付けて調整しています。
船体は、A砲、Y砲の位置が中央に寄りすぎ、B砲、X砲の爆風よけの下に隠れてしまうので、前後に2mmほどずらしました。
細部部品は、主錨、艦載艇、ダビッド類はピットロード 日本海軍武装セットXより、40mmボフォース連装機関砲はピットロード アメリカ海軍武装セットVより流用しました。10.2cm連装高角砲、艦橋上の高射装置、ライフラフトはタミヤ1/700 フッドの武装パーツより流用しました。四連装魚雷発射管は、タミヤ1/700 E級駆逐艦から流用しています。艦橋の後ろ、後部上構上の小煙突は、ウォーターライン小艦艇武装セットのものを流用しています。
前後のマストは、0.3mm真鍮線と0.3mmプラ棒で作り直しています。
電探類は、ライオンロアの、イギリス海軍WW2レーダーセットから流用しています。
付属デカールの内、艦識別番号、艦尾国章のみ使用しました。BLYSCAVICAの艦名デカールは、同型艦のグロム戦没後、記入されなくなったようです。
艦尾軍艦旗は、ポーランド軍艦旗の画像を縮小して紙に印刷したものを使用しています。
☆塗装
塗装に使用した塗料は以下のとおりです。
・船体色 ライトエアクラフトグレーBS381C/627(332)
・喫水線色 タイヤブラック（137）
・甲板色 ネービーブルー(14) 2＋タン(44)1
・帆布張りブルワーク セールカラー(45)
・艦載艇内部、高角砲座内部 タン(44)
かっこ内はミスターカラーのナンバーです。