◎艦名の由来
アルティリエーレ Artigliere
砲兵の意。ソルダーティ級の1隻より襲名。
☆実艦解説
第二次世界大戦後、地中海の対立構造は激変しました。イタリアはNATOの最前線として、共産主義諸国に対抗する形となりました。
そこで、アメリカのMDAP(Mutual Defense Assistance Program 相互防衛援助計画)により、艦艇、武器の供与が実施されました。その中に、ベンソン級駆逐艦1隻、リヴァモア級駆逐艦1隻が含まれていました。
ネームシップはベンソン級駆逐艦の方を取って、アルティリエーレ級と呼ばれ、1960年代まで活動しました。なお、イタリア海軍では、この級は護衛駆逐艦として扱われています。
護衛駆逐艦アルティリエーレは、DD-460 ウッドワースの後身です。作例は、1958年の状態として作成しました。供与当時と比べ、レーダーがSCからSPS-6に更新されています。
◎アルティリエーレ 要目
基準排水量1,620t 全長:106.22m 最大幅:10.98m 吃水4.01m
機関:バブコック・ウィルコックス式水管缶4基 ウェスティングハウス式オールギヤードタービン機械2基 2軸推進
燃料 重油500t 機関出力:50,000hp 速力:35ノット
航続距離:5,500海里/12ノット
乗員数:191名
兵装:12.7cm38口径単装両用砲4基 40mmボフォース連装機関砲4基 爆雷投射機4基 爆雷投射軌条2基
☆制作
作例は、ヴェイヤー年鑑及びジェーン年鑑1958年版の写真、武装を参考に作成しました。
キットはピットロード1/700 ベンソン型駆逐艦を元に、プラ材で改造を行っています。
船体の基本形状はそのままに、武装状態の変更を行っています。
船体前部の魚雷発射管は撤去し、40mmボフォース連装機関砲の砲座を両舷に追加しています。機銃座の前には、MK.51射撃照準器(B27)を設置するため、両舷に架台(B42)を取り付けています。
艦橋は、天蓋をブルワーク付きのA30を使用し、A24の艦橋両舷フラットの後部に、20mm単装機関銃砲座の張り出しを追加しました。
艦橋基部フラットは20mm単装機関銃砲座付きのA25を使用しています。
その他、船体上部構造物の前後は、細いウォークウェイで繋がっていますので、0.3mmプラ板の1mm幅の細切りで再現しています。
電探のSPS-6は、フライホークのエッチングパーツを使用しています。
艦番号、軍艦旗には、デルフィスモデルの戦後のイタリア艦用艦番号・軍艦旗デカールを使用しています。
☆塗装
塗装に使用した塗料は以下のとおりです。
・船体色 明灰白色1(35)1+艶消しホワイト(62)2
・喫水線色 タイヤブラック(137)
・甲板色 ネービーブルー(14)
・煙突ファンネルキャップ セミグロスブラック(92)
かっこ内はミスターカラーのナンバーです。