◎艦名の由来
アラゴ Arago
フランソワ・ジャン・ドミニク・アラゴ Franc,ois Jean Dominique Arago(1786年2 月26日 -- 1853年10 月2日)
フランスの数学者、物理学者、天文学者、政治家。光学、創生期の電磁学に功績を残す。政治家としても活躍。
ソマリ Somali
ソマリ族。アフリカの角を中心に居住、大規模な集団を形成する。部族主義が強い。
☆実艦解説
この艦は、1944年、アメリカ海軍のカノン級護衛駆逐艦 DE-111として建造、竣工後自由フランス海軍に譲渡され、護衛駆逐艦ソマリと命名されました。
第二次世界大戦を連合国の一員として戦った後、インドシナ紛争、アルジェリア戦争に参加しました。
1956年、武装の撤去、艦橋前部、上部構造物の拡大を含む試験艦への改装が実施され、主に対潜兵装の試験艦として運用されました。
1957年には艦種を補助艦艇に変更(F703→A607)、1968年には艦名をアラゴと変更しました。
その後、1972年の解役まで、各種試験に従事し、フランスに供与された護衛駆逐艦の中で一番長命な艦となりました。
作例は1968年以降、艦名をアラゴと改名した状態として作成しました。艦橋前部から艦尾まで構造物が増設された状態となっています。
◎アラゴ 要目
基準排水量1,450t 全長:93.00m 最大幅:11.17m 吃水3.1m
機関:GM式16-278A型ディーゼル機関4基 推進用電動機4基 2軸推進
燃料 ディーゼル油279t 機関出力:5,800hp 速力:21ノット
航続距離:10,800海里/12ノット
乗員数:180名+試験により増加
兵装:エリコン20mm単装機関銃2基(作例では砲架のみ搭載)
電探:DRBN-31 1基 SL 1基
☆制作
作例は、ピットロード1/700 カノン級護衛駆逐艦を元に、プラ材で改造を行っています。
基本形状は良くできていますが、各部の部品の摺り合わせが十分に必要です。
艦底板と船体の合わせ。艦底板の方が幅が広いので、両舷を削り、摺り合わせに注意しました。
艦橋前面、上部構造物の延長、甲板室の設置は、各種プラ材により作成いたしました。
基本的には同形の護衛駆逐艦達ですが、艦橋構造物及びソナー室の舷窓の位置がそれぞれ異なります。特にアラゴの場合、艦橋前に増設された構造物の舷窓が目立ちますので、0.5mmのピンバイスで丸窓を彫り込み、再現しています。
マストは0.88mmプラ棒から作成しました。DRBN-31レーダーはピットロードの現用艦艇装備セットXより流用しました。
また、試験艦に変更後、艦載艇が1隻増設されて計2隻となっています。増設された艦載艇とダビッドは、ピットロード WW-U アメリカ海軍艦船装備セットVより流用しています。
唯一残された武装であるエリコン20mm単装機関銃2基は、写真を見ると、砲架のみの場合が大半なので、砲架の部品のみを接着し、非武装の状態を再現しました。
艦番号デカールはHAWK GRAPHICSのWWU イギリス艦艇用艦番号を使用しました。艦種記号のAはデカールに存在しないので、レタリングシートを使用しています。軍艦旗は、ゴールドメダルの軍艦旗デカールを使用しました。
参考資料は、後掲のフランス語2資料を主として、準同型艦のバックレイ級の資料であるConway Maritime Pressの「Anatomy of the ships:DESTROYER ESCORT ENGLAND」を主に作成しました。1968年の電探、機関銃の装備状況は、写真より確認しています。
☆塗装
塗装に使用した塗料は以下のとおりです。
・船体色 明灰白色1(35)
・喫水線色 タイヤブラック(137)
・甲板色 ピットロードカラー PC-4 アメリカ海軍現用グレーU
・煙突ファンネルキャップ セミグロスブラック(92)
・ボラード、錨鎖、錨 セミグロスブラック(92)
かっこ内はミスターカラーのナンバーです。