あおなこらむにようこそ

あとひとつ。
雪のお話は「全てのサポーターの想いを、彼らに」
1997年11月8日。日本−カザフスタン。5−1で日本が最終戦を快勝し た。長いロスタイム。試合終了を告げるホイッスル。日本代表がグループB自力 で2位を決めた瞬間だ。歓喜するサポーター。涙ぐんでいる人もいる。泣いてい る人もいる。だが私はただ満面の笑みを浮かべ、周りの仲間たちと固く握手を交 わした。涙なんか出やしない。日本代表が奇跡の復活を遂げた?やはりあのウズ ベ戦での同点ゴールが、復活の序章だった?冗談じゃない。まだまだフランス行 きが決まった訳ではないのだ。一時期、勝てずにいた代表を見て、意気消沈して いたサポーターはいないか?フランス行き黄信号、日本代表絶体絶命との新聞の 見出しに、心揺らいでいたサポーターはいないか?それを今になって歓喜するな んて。私は韓日戦で、生まれてこれ以上ないというほどの涙を流した。そして、 あの日、ソウルの夕陽の中で、確信を得た。確かにフランスの青空の下にいるだ ろう日本代表の姿が眼に浮かんだ。だから信じていた。この日の勝利を、何より も確かに。そして、いままでも、これからも、信じてやまない。彼らは絶対にフ ランスの地を踏む事ができるはずだ。涙なんか出やしない。感動するのはまだ早 い。あと一つ。私はマレーシアへ行く。日本サッカー史上初、世界最高峰の場、 ワールドカップ出場を決めるその瞬間を見届けるために。もう何も迷うな。今ま で舐めた苦汁の分だけ、君たちには栄光が待っているはずだから。今まで信じ続 けた分の喜びと感動が、私たち、全てのサポーターの胸に訪れるはずだから。全 てのサポーターの想いを、彼らに。最後の瞬間に、彼らに注ごう。そして万感の 想いを分かち合おう。
どうだ。
眼を閉じると、フランスの青空が確かに見えてきたと思わないか。

〜 雪 〜


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