詐欺師「風水 迷」の独り言

光が有れば影が有る、誰の心にだって闇は存在する。だから人は、狂気と正気の間でバランスをとり続けられるんだ。


「所詮、人間のやる事さ。」

「何でも自分の思い通りになったら、その男が次に望むのは己の滅びだと言ったら、そんな馬鹿なと否定された事がある。でも、考えてみな、明日起こる事は全て自分が思った通りの事、つまり未来は全て判ってるって事だ。そんな刺激の無い退屈な毎日に人の精神は耐えきれると思うかい?」

「人は心の中に棚を持っていて、都合の悪い事をしまい込んで人の道を説く。その棚が大きい奴が偽善者で、小さい奴が善人と呼ばれる。そして、持ってない奴が詐欺師だ。人の道なんか説かないからね。」

「詐欺師は、胸に抜けない針を刺して生き残り、善人は微笑み浮かべて消えていく。」

「理性と知性が残っている人間は決して本心を外には出せない。たとえ「親友」「肉親」と呼ぶ人間に対してもだ。仮に出そうとしても、外界に触れた瞬間全ては虚飾されてしまい、本心とは別のモノに生まれ変わってしまう。所詮人間とはそんなもんさ。」

「信用するから裏切られる。そう解っていても実践できない、人とは弱い生き物だ。」

「人間は無限の可能性を持って生まれてくる。そして、その可能性を一つづつ失うことにより大人になっていく。」

「世の中には二つの正義が存在する。戦争に於いてそれぞれの国にそれぞれの正義があるように。だが、強者の正義は弱者の正義を抹消する。」

「人には知らない方が幸せでいられる残酷な事実が多すぎる。だから詐欺師は最後まで彼らを騙し続け、事実を隠しきる義務がある。」

「しょせん、この世は騙し合いだ。相手を騙しきった者の勝ちなんだ。」

「人はいつも仮面をかぶっている。その仮面を取り替える事はあっても、決してはずす事は無い。」

「昔、有名な画家が言っていた「ピエロの笑顔の下には、深い哀しみがある。」と」


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