伶君の事件簿

「帰ってきたペテン師(詐欺師V.S.ペテン師)」 (2004/8/30)
 6年ぶりに古い知り合いに会いました。彼に最初で最後に会ったのは1998年11月の末のことです。わずか5分足らずでしたが、私たちはスリリングで熱い時間を過ごしました。彼の名前は・・・知りません、住所は・・・知りません、連絡先も・・・もちろん知りません。でも職業は知っています。それは「ペテン師」!
 あの日「迷」は彼の事をペテン師と決めつけていましたが、実は私は半信半疑だったんです。でも6年ぶりに彼に会って、私も確信しました。だって6年前と全く同じ、一言一句違わないトークで声かけて来たんですから。
 「これ差し上げますよ。」で始まって「伝票間違えて持って来ちゃって」に続きます(詳細は古い事件簿を参照して下さい)。
 そりゃ6年前にカモに仕損ねた人間の顔を覚えてるわけは無いと思いますが、それにしても同じ場所で、同じ方法で、同じ人間に声をかけるとは・・・思わず「お久しぶりですね、まだこの商売やってたんですか?そう言えば、車変えたんですね。」と言ってしまいそうになります。
 しかし、そこは小市民な私の事、逆切れされても困ります。そこで満面の笑みを浮かべながら
 「結構です。」
と一言言ってくるりと背を向けます。間髪入れず車の発信音が聞こえてきましたので諦めてくれたようです。しかし、あれから6年、全く同じ手口でご商売を続けてらっしゃるという事は、商売が成り立つくらいカモな方々がいらっしゃるのですね・・・この国は平和なようです。

「Party Night!」 (2000/10/29)
 それは友人の掲示板での情報でした。「オチケン」さんがハロウィンパーティーで仮装をして電車に乗って横浜へ繰り出すらしい・・・これは見に行かなくてはいけません。ギャラリーの居ないパレードはあまりにも哀しすぎますからね。
 と言うことで「コロ助」「F」をともない雨降りそぼる和田町へ向かいました。駅前のマクドナルドで「オチケン」さんの出発の連絡を待ちつつ早い夕食を食べます。6時半過ぎ出発の合図がありました。早速駅前で迎撃体制をととのえます。そこへぞろぞろと10人ほどの怪しい団体が・・・鬼に、ドラえもん、モモに、Jack・・・脈絡がない。
 そんな怪しい団体がちゃんと切符を買って自動改札を抜ける姿の怪しさは素晴らしいの一言でした。他の二人は距離をとって他人の振りをしてますが私は「オチケン」さんの隣に座り素顔もわからない状態の人と世間話に花を咲かせます。途中の急行通過待ちではホームに降りて反対側の電車に手をふるは、電車の中をのたくさと練り歩くは・・・やはり、こういう馬鹿げたことは真剣にやればやるほど面白い。
 そんな事をしている間に横浜に到着、彼等は街に、私達は「宗ちゃん」や「クー」と合流して飲みにと散っていきました。あー楽しかった。

「さんざんな夜」 (2000/8/27)
 それは木曜日の夜でした。本屋で立ち読みをしていると「あいつ」さんから電話がかかってきました。「ちょっと来てくれ」相変わらず人を気安く呼び出す人です。思いっきり嫌な予感はしたんですが断る理由が見つからず行くことになってしまいました。
 駅に降りると何故か土砂降り。ケチのつき始めです。地下街を駆使し、ちょっと濡れるだけで到着。用件を聞くと、この間トチローに作らせたワークシートにレコードを増やしたんだけど集計に反映しないので治してくれとのことでした。ボランティアでやった仕事とはいえ切り捨てるわけにも行かずトチローに変わってもらい作業開始。簡単な作業でした。その後は彼の新しい携帯電話の設定をさせられる羽目に・・・。時間は11時を回りようやく終了。お礼代わりに家まで送ってもらうことになりました。
 残り家まで500m位、何とか1時前に寝むれると、ほっとした瞬間、信号待ちで止まっていた車に異常な振動が走りました。直ぐにエアコンやラジオを止めて、原因を探し始めました。しかし、30秒後非情にもエンジンは停止、その直後「あいつ」さんからが発した信じられない言葉は「あっ、ガソリンが無い」でした。
 交差点にいつまでも止まっていられるはずもなく、泣く泣く私が降りて押すことに、見るに見かねた工事現場の交通整理のお兄さんが手伝ってくれました。車を路肩に止めた私達は「故障中」の札をかけ、歩いて私の家に向かおうとしました。この時ふと前を見ると200m先にガソリンスタンド明るい光が見えるでわないですか!急いで店に駆け込み、かくかくしかじかと情けない理由を説明するとスタンドのお兄さん灯油タンクにガソリン入れて(これは、実は危険物取り扱い法違反)車まで2回も運んでくれました。おかげでエンジンも無事掛かり、スタンドによって給油することができました。
 しかし、悲劇はまだ続くのです。給油してる最中に「あいつ」さんがぼそりと一言「金が無い」。ジーザス!おかげで私は有り金全部巻き上げられました。お金が足りたのがせめてもの救いです。こうして、さんざんな夜は更けてゆきました。
 その後、「あいつ」さんの車に乗るときの合い言葉は「ガソリンは?」になったのは言うまでもありません。

「怪しい情熱と青い鳥」 (2000/3/6)
 それは桃の節句の夜の出来事でした。コタツ様の中で船を漕いでいた私を起こしたのは「P」君からの電話でした。時間は12時を回ったところ、何か事件でも起きたかと思いました。すると「P」君「秋葉原で野宿している人間の情報を持ってないか?」・・・・状況を把握するのに約4秒、明日(正確には今日)はPS2の発売日なのを思い出しました。それを手に入れるために徹夜で行列している人のことを言っているのだと判るまでもう2秒必要でした。
 ワイヤードの方で予約が殺到し、街には出ないとうニュースを思い出し「たいして並んでないんじゃないの」と言って電話を切りました。しかし、一度気にし始めると無性に気になってきました。「行くしかない」と覚悟を決めた私はトチローを起こして、バイクのトチローに火を入れて午前1時過ぎの秋葉原へ向かいました。
 中央通りを流してみるとパッと見は居ることは居るがそんなに多くないという印象でした。しかし、バイクを降りて行列へ近づいてみると「何だこれ!」級の行列が裏通りや公園へと向かって延びていました。驚いた私は早速「P」君へ電話、すると彼も「M」さんと一緒に見物に来る事になりました。午前3時に合流し彼等は取材、私は冷やかしと小一時間ほど深夜の街を徘徊しました。真夜中に薄暗い路地や公園に並んでいる姿はかなり怖い物を感じました。
 そして翌日、午前中寝倒して夕方食料の調達に出た時の事です。近所のコンビニで買い物をし、レジをで会計をしていると目の前にあの青い箱が・・・。
 私 「あの箱中身入っているんですか?」
 店員「もちろん入ってますよ。」
 私 「売り物なんですか?」
 店員「ええ、最後の一個ですけどね。」
 私 「有るところには有るもんなんですね。」
夕べのあの大行列は何だったんでしょうか?


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