*セナ財団

 94年7月に、セナの遺産を基に設立。元セラピストでもあるセナの姉ビビアーヌを中心に運営され、セナの肖像権、商標の収益によって、その活動を行っている。

1. 目的

 ストリート・チルドレンの救済。スラム街では、子供たちが靴磨きや清掃作業で得られる賃金よりも、物乞いで得られる収入の方が多く、ストリートチルドレン化し、さらに物捕り、ギャング化が進んでいる。

 セナ財団ではストリート・チルドレンのギャング化は、「自己を尊厳する意識が低く、社会を信用していないことが原因となって、不運を共有している者、生きるための術を共有している者達が徒党を組んでいる」ためと考えた。これを解消するために、合法的な職業につかせるための職業訓練、スポーツ・トレーニング等を通しての、自信、尊厳の回復を助けようとしている。

2. 主な事業内容

●スープ工場を建設。当初はサンパウロを中心に一日あたり1万3000人の子供たちに配給し、その後サンパウロ以外にも建設し、一日あたり2万人の子供たちに配給している。

● コンピューター技術の習得等職業訓練プログラム

● キャビネット製作、革張り家具製作、自動車整備の3箇所の工場への財政援助を通して、犯罪を犯した非行青少年の更正。

3. 活動について

 姉ビビアーヌの言葉をそのまま引用しよう。

「確かにセナ財団の活動を売名行為だという人がいるかも知れません。セナの名前を使って商売をしているかのようにいわれることもあります。

 しかし、この国の現実を見てください。多くの子供たちが、日々の食事にも困り、未来に夢を描くことすら出来ないのが現実です。私たちが唯一出来ることは、子供たちを援助し、価値ある生活を手にする機会を与えることです。それをしなければ、彼らには全く夢も希望もなくなってしまうのです。

 だから、天国にいるアイルトンも、彼の名を使って活動している私たちを誇りに思ってくれると思います。」

 

この項目、以下の文献より抜粋、再構成

「AyrtonAgain[アイルトン・セナ財団の活動]」町田英明文、小池宣夫写真、AS+F97‘サンマリノGP号5月16日号

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