簿記日誌

 会社が簿記の資格を取れ(最低日商簿記3級)とうるさいもので、何回か試験を受けてもみたんですが、さっぱり。本を読んでも全然理解できないんですよね。どうも簿記というのは、私みたいに論理的で理知的な常識人には理解不可能な法則で動いてるらしいと結論せざるを得ません。そこで、色々と考えを巡らせて、何とか私のような賢明な人間でも納得できるような解釈を試みようとしています。この日誌は、そんな自分のための覚え書きを残すために記していこうと思います。


目次(この日誌のみ昇順)
  1. 2000/5/3
  2. 2000/5/5
  3. 2000/5/7
  4. 2000/5/8
  5. 2000/5/9
  6. 2000/5/10
  7. 2000/5/11
  8. 2000/5/12
  9. 2000/5/13
  10. 2000/5/15
  11. 2000/5/16
  12. 2000/5/17
  13. 2000/5/19
  14. 2000/5/23
  15. 2000/5/28
  16. 2000/5/30
  17. 2000/6/11
  18. 2000/7/10

 
2000/5/3

 少し前に「簿記の初歩が面白いほどわかる本」(市川利夫 中経出版)という本を購入して、改めて勉強を始めました。最初の方の「簿記とは何か」みたいな部分は今更いいのでここではとばします。
 「資産/負債/資本/収益/費用とは何か」というところも同様。それぞれの定義に関してはそれなりに分かっています。

 これらが貸借対照表と損益計算書に振り分けられるわけですが、
貸借対照表と損益計算書は左右が逆
ということを覚えておこうと思います。なんで貸借対照表の資産(当然、増えた儲けもここに含まれる)が左側なのに、損益計算書では収益が右側なのよ。この左右という問題が、あとで仕訳のところで重要な意味を持つので、貸借対照表の項目と損益計算書の項目は考え方を変えなきゃいけない、ということで、この一言を覚えておこうと思います。

 さて、その仕訳。
 仕訳は「借方(左側)|貸方(右側)」が必ず一致するワン・ペアの取引で記入していく、となっていますが、これは忘れます。いや、貸借対照表の項目、すなわち「資産/負債/資本」どうしのものに限ってはこの取引が左右ワン・ペアという考え方で成立しますが、損益計算書の項目、すなわち「費用/収益」(←損益計算書の不可解な左右に対応させて、並び順を変えた点に注目)が絡んできた場合は、次のように考えます。
 つまり、「費用/収益」が絡んだ場合は、仕訳は対応する取引ではなく、
損益計算書の項目は貸借対照表の項目の内容である
ということです(説明でも理由でも、分かりやすい言葉で可)。
 こうなる仕訳は、「資産+|収益+」「資産+|費用−」「収益−|資産−」「費用+|資産−」「費用+|負債+」の5パターンのようです。
 貸借対照表の項目どうしの取引は比較的分かりやすいのでそのまま考え、そうならない場合にはまず貸借対照表の項目の方を決めてから反対側にその内容を書くというやり方で覚えておきましょう。また、前述の2書類の左右が逆という問題も、反対側に説明を書くためと考えれば、少しは理由が推測できます。

 本日はここまで。

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2000/5/5

 まだまだ仕訳。

 まず、仕訳の左右の
借方|貸方という表現は忘れよう
と決断。内容が伴わない項目名など百害あって一利無し。分かりやすい例えを上げるとするなら、付金が方に、入金が方になるなんていうことを、まともに覚えていたら気が変になります。
 こんなのは「左側|右側」で十分。敢えて意味のある言葉で覚えるとするならば、一番代表的な仕訳の区分に従って、「資産側|負債側」とでもしておきますか。
 あ、ここに限りませんが、私が単に「資産側」という場合は「資産の+(プラス→増加)側」という意味で使っています。他の区分でも同様。

 さて、本日の保留事項は繰延資産
 「繰延資産は、費用を繰り延べて『資産』としたもの」ってのがあるのですが、これのニュアンスがどうしても理解できない。
なぜ費用のままではいけないのか? これは何かの権利なのか?
 現時点では具体的なイメージが湧かないため、この事項は保留とします。

 本日はここまで。

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2000/5/7

 さて、本日の保留事項は買掛金の仕訳
 買掛金の仕訳の例として「商品100万円を掛けで買い入れた」というのが載っているのだが、買掛金に対応する仕訳が商品という資産ではなく、
仕入という費用になっている
という点が謎。
 ここまでのところをよく読み返してみると、仕訳の説明に「商品」という勘定科目を巧妙に避けている。売掛金に対応するのも売上という収益だし。
 売り買いといえば、代金の事より先にまず商品がやり取りされるという点が頭に浮かぶのが自然な発想だと思うのだが、簿記の世界ではここでも世間の常識が通用しないらしい。

 本日はここまで。

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2000/5/8

 資本の仕訳の部分の中で、本日の保留事項は当期未処分利益
 「前期からの利益の繰越分」というのは良いとして、「当期に稼いだ利益の額」ってのは、どこから出て来たの。当期の利益っていうのは、
資本じゃなくて収益じゃなかったの?
 その話を抜きにしていきなり、当期未処分利益を利益準備金と繰越利益に処分した、という例えを挙げられても分からないよ。おまけに「取引」と違って「処分」という言葉の簿記的な意味の説明も無いし。困るなぁ。

 本日はここまで。

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2000/5/9

 収益の仕訳と費用の仕訳、いや具体的に挙げられている例に沿って、売上の仕訳と仕入の仕訳の話。
 5/7の話でも触れたように、商品の売り買いを例にとって話しているのに、商品という資産(あるいは在庫?)の動きについては全く触れていないので釈然としないままである。
 いったんは、「商品というのは仕入れた時と売る時の価格が通常は変わるから、簡単には仕訳の額として記述できないのか?」とも思ったのだが、
固定資産の場合は固定資産売却益/売却損といった分かりやすい勘定科目を使ってるじゃないか
という点に気付いて、この発想は却下しました。

 本日はここまで。

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2000/5/10

 いよいよ仕訳の章が終わって決算の章。

 まず、あっさりと「総勘定元帳を締めて、各勘定科目を集計」と書いてあるが、前に出ていた総勘定元帳の説明の例の挙げ方が薄いため、その集計のイメージが具体的に湧かない。
 ここで挙げられている集計の例の残高が全部なっているため一見簡単に見えるが、各科目で残高がマイナスになったらどう記述するのか、あるいはマイナスになることがありうるのかどうか、という点に全く触れられていないところがうさんくさい。

 損益の補正の話で、「前払費用/未払費用/前受収益/未収収益」があって、「前払費用」については「前払保険料」を例に挙げて資産に振り替えると書いてあるのだが、
他の3つについては何にするのが書いていない
ので、どうすれば良いのか分からない。
 というか、そもそも
費用と収益が仕訳で必要か?
という疑問が湧いてくる。大抵は資産と負債で処理できるような気がしてならない(今まで触れてきた商品の問題のように)。ちなみに私の感覚では「資本」は「負債の特殊なもの」という認識である。
 大体、貸借対照表と損益計算書は、そうやって別の帳票にするくらい性格の違うものなのに、それをごっちゃにして仕訳という処理を行おうとしているところに、まず無理があるのではなかろうか。

 本日はここまで。

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2000/5/11

 まず引当金。
 退職金の積立てというのはよく分かるが、
なぜ年2回払う(と例に出してある)賞与を年1回の決算で積み立てるのだろうか?
という疑問は当然残る。

 それはさておき、どうせ貸倒引当金の話をするのなら、じゃあ実際に貸倒れが起きた場合はどういう仕訳が行われるのかということもあわせて触れておけば、より内容が理解しやすくなるのに、と思わざるを得ない。
 基本的に、一つ一つの簿記的な処理にばかり囚われて、取引の流れという視点が説明に無いので、イメージを掴みにくい話にしかなっていないのではないだろうか。

 そしてようやく在庫の話。
 いったん、すんなりと読んで分かった気になりかけるが、色々と説明がはしょられていることにすぐ気付く。簡単に在庫金額と言っているが、もちろん商品の金額というのには原価売価がある。商売人の視点から見れば、在庫の価値というのは「これはいくらで売れるのか」の方が重要でなければにならないが、やはり簿記では違うらしい。それに、単純に仕入れる商品なら良いけど、自社で加工したような商品の在庫金額の棚卸方法は?
 あと、売上原価の説明の計算の例の式がいきなり「0+」で始まっていて、このって何よ?と思っていたら、単に前提のところで「期首商品棚卸高は無し」という点を書くのを忘れているだけであった。計算式のところに無意味な括弧はあるし。
 結局ここだけでは、何故(例えば)商品を仕入れた際の仕訳が、「商品(資産の増加)|商品の代金(資産の減少or負債の増加)」ではいけないのかという疑問は晴れないままであった。

 本日はここまで。

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2000/5/12

 試算表の説明・・・のところはまぁ決算整理のところの昨日の話と同じなので略。
 で、精算表の説明・・・なんだけど、10日で話したように、資産と費用/収益の根本的な違いを理解しきれないワシにはあんまり意味無し。
 それはさておき、当期損失貸借対照表部分への記載。当期利益を右側(資本側)に書くというのはまぁ良いとして、当期損失は左側(資産側)? 損失という数字がそのまま記載される?(そりゃ損益計算書なら分かるが)
 貸借対照表の本当の説明はもうちょっと後なので、この疑問は保留。

 その前にまず損益計算書。この表の構造が根本的におかしいのは、その名前の通り利益または損失(順番に注意)を計算して導き出すのが目的なのに、その当期利益/当期損失までも表内の項目に取り込んでしまって、それも含めた合計欄を最下段に配していることであろう。
計算の要素と結果が逆転している。
 先にB−A=Cという計算でCを出しておいてから、A+C=Dという計算をし直してD=Bだとわざわざ言うことに何か意味があるつもりなのだろうか。

 本日はここまで。

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2000/5/13

 貸借対照表の話なんだけど、特に付け加えるところ無し。
 しかし、当期利益を足すと借り貸し(貸借と言うと左右が表記と一致しないからなぁ)が一致すると言っているが、それは昨日も言ったけど、
そうなるんじゃなくて、そう(計算して調整)してるだけ
なんだってば。
 あいかわらず当期損失の記載については触れてないまま。それに右側で負債と資本を分けてないけど、良いのか?

 んで、この「簿記の初歩が面白いほどわかる本」の最後の項目は、税金がどうこう言う、一見簿記の必要性を説いたような内容で終わり。ほとんど意味無し。
 様々な疑念を残しつつ、これで明日からは次の本に移ります。

 本日はここまで。

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2000/5/15

 前の本と一緒に買っておいたものですが、「実況中継式わかるできる日商簿記3級」(澤昭人 中央経済社)を読み始めました。
 実際の講義風景を模したような先生と生徒の対話型式であることや、掲載されている図版が他の本には見当たらないくらい具体性のありそうなものだったことで、良さそうな本に見えたのが購入の動機です。
 まだ最初の章を読んだくらいですが、実際、例の挙げ方が具体的でその点では分かりやすい本と言えそうです。特に、生徒の方が要所要所でもっともな疑問・意見を挙げているあたりはすごく良いのですが、それに対して先生の方がきちんと答えようとしていないのが問題ですね。オチが「習うより慣れろ」というのは最低の教え方の一つでしょう。

 2章目の頭が現金過不足。それ自体は良いんだけど、その現金過不足の原因が分かったときの処理で疑問。
 もちろん分かった原因の分を修正仕訳するのは分かるんだけど、全部の原因が分からなかったときに残りを「雑損雑益」(順番に注意)にしてしまうというのは、どういうこと?
原因が分かるまで現金過不足のまま残しとけば良いじゃん
と思うのですが。いや、もちろん決算の時点で「雑損/雑益」にするというのなら分かるのですが、文章的には原因の判明した時点の処理としか読めないので。「雑損/雑益」にしちゃった後、原因が分かったらどうするんだろ?

 本日はここまで。

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2000/5/16

 小切手当座預金の話。こちらが渡した小切手を相手が引き出して現金化するタイミングってことを考えないで良いのだろうか? 相手が小切手のまま持っていたら、帳簿上と実際の口座の当座預金残高が異なっちゃうじゃん。

 小口現金の話。仕訳に小口現金勘定が出て来ないというのは分かりづらいよなぁ。決算じゃないんだから、「きれいな仕訳」とか言ってないで処理の経過が分かるような記載の仕方をした方が分かりやすいと思うのだが。

 掛取引の話。「現金の仮の姿」「現金のマイナスの仮の姿」とか言ってないで債権債務で説明した方が良いんじゃなかろうか。「仮の姿」とか言ってて後で現金にならなかったり(貸し倒れとか?)する場合もあるだろうし。

 手形の話と有価証券の話はさして引っ掻かる部分も無いので略。

 本日はここまで。

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2000/5/17

 固定資産減価償却の話は特に分からないところも無いので略。

 本日はここまで。

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2000/5/19

 商品券の話は大体分かるんだけど、券が売られた価格とそれが実際に使われる価値か違う、つまり付加価値があるような場合はどうなるんだろうか。あと、その商品券がず〜っと使われない場合、負債としての商品券も残り続けるのか? テレホンカードなんかのプリペイドカードも商品券の一種で良いのだろうか。だとするとこれらの問題が付随しがちだけど。

 本日はここまで。

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2000/5/23

 とりあえず、ここのところ流した項目だけ羅列しときましょう。
 「発送費と仕入諸掛」、「消耗品と消耗品費」、「総勘定元帳」、「商品有高帳」、「受取手形記入帳・支払手形記入帳」、「試算表」、「伝票会計」、「伝票制と一部現金取引」、「費用収益の見越・繰延(経過勘定項目)」・・・っとと。最後のはまだ読みかけだった。

 本日はここまで。

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2000/5/28

 経過勘定項目の話はまぁ良し。

 売上原価の算定の話・・・なんだけど、ちょっとおかしいよ。売上原価は分からないから計算して出すってことなんだけど、残高(期末商品残高)は分かってるってのが前提なんだよね。じゃあ、その残高はどこから出て来るのかってのを遡ると商品有高帳の話まで戻る。
 ここのポイントは、払出の金額の求め方で、そこから残高も出て来るんだよね。そしてこの払出の金額=売上原価の金額なわけでから、残高を求める段階で既に売上原価は算出済みってわけなんですが(笑)。

 貸倒引当金の話その(1)。「資産のマイナス勘定」っつう言い方は説明されても分かりにくいぞ。貸借対照表になるときはどこに記載されるのだろう。その(2)の話かもっと先で出て来るのだろうが。それによっては単純に「負債」で捉えた方が良いような気がする。

 本日はここまで。

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2000/5/30

 貸倒引当金の話その(2)その(3)は略。

 精算表の話・・・も、ここまで順を追ってやって来たから、まぁいいや。しかし、各勘定科目が「資産|負債/資本、費用|収益」のどれになるのかってあたりの見分け方にも触れて欲しいところ。
 「機械式に書くことを覚え」ろというのは最低の教えかただよなぁ。

 その他の決算整理と財務諸表の話も略。

 損益振替仕訳の話・・・はなんのためにやるのかがはっきりせんなぁ。
 決算整理の一環としてやるっつうのなら分かるし、そうすっとこれをきっちりやればそもそも「損益計算書」って要らないじゃん? あるいは最初っから売上とか××費とかやらずに損益として仕訳しておいて補足説明として売上とか××費とか書いておくとかね。

 資本金と引出金の話・・・も、わざわざ面倒なことやってない? まぁ、こうやるのは分かるんだけど資単純に債権として処理したくもなる。

 で、最後に簿記一巡ということで簡単に全体の流れをまとめ直して終わり。
 試験まであとちょっと。それまでにちょろちょろと読み返しとけば終わりだな。

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2000/6/11

 というわけで受けてきました、試験。
 入金伝票の問題がちょっと分からなかったくさい以外は、解き方自体が分からなかったというのは無かったと思うのですが、なぜか合計が合わないぞ(笑)。
 しかし、チェックし直すにしても一つの問題がデカイ表なので、いちいち全部洗い直すのが大変過ぎ。表には最後の結果の数字だけなので、数学の証明問題みたいに順を追って途中途中をチェックするということが出来ない。いや出来ないというのとはちょっと違うかもしれないけれど、ここが間違ってるのかな?という箇所を見付けて直したとしても、それをまた確認し直すためにはまた縦の合計を全部計算し直さなければならないんだもの。そっちの方が直すこと自体より時間がかかる。
 今時、表計算ソフトでも使っていれば一瞬で終わることを電卓使ってせこせこと何回もやり直してるのが馬鹿馬鹿しい。簿記が分かってるかどうかとは関係無い部分だよなぁ。
 そんなわけで、受かってるかどうかは怪しいところですが、結果が出たらまた書くかと思います。

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2000/7/10

 いや、悪くても60くらいはいってるかと思ったら48だってよ。
 しかも、問3の評価が0だと。なんだそれ。

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(c)TAKARASHI YUTAKA. 2000