VAPOR TRAILS

ONE LITTLE VICTORY
CEILING UNLIMITED
GHOST RIDER
PEACEABLE KINGDOM
THE STARS LOOK DOWN
HOW IT IS
VAPOR TRAIL
SECRET TOUCH
EARTHSHINE
SWEET MIRACLE
NOCTURNE
FREEZE(PART IV of "FEAR")
OUT OF THE CRADLE

6年ぶりのスタジオアルバムで有る本作は、巷では出ないのではないかと噂されていた。
それと言うのも、Neilの最愛なる娘さんと御婦人が相次いで事故と病気で他界されたからである。
しかし、Neilは悲しみから立ち直り、暖かく見守っていたGeddyとAlexによってじっくり時間を掛けこの作品が出来あがったのである。
この作品を一言で表すときにGeddyの言葉を借りれば、「密度の濃いロック」であろう。
まさしくその通りである。
今回はキーボードが無いのに、音の密度が高くなっている。
是非この作品は一度で良いので、ヘッドフォンで大音量にて聞いていただきたい。


ONE LITTLE VICTORY

いきなりNeilのツーバスからの強烈なイントロでノックアウトです。(笑)
それにいつもより歪んだAlexのギター。
Geddyは相変わらずで有るが、ボーカルスタイルが変化しており、ファルセットボイスに驚かされる。
アルバムの最初を飾るにもってこいの作品である。

CEILING UNLIMITED

Geddyのハイポジションでのプレイが印象的な本作は、NeilのタイトなプレイとAlexの二人に負けないバッキングで心地よい作品に仕上がっている。
確かにこのような作品にはキーボードは必要無いでしょう。
キーボード廃止はAlexの強い要望だったらしい。

GHOST RIDER

今回のアルバムはパーソナルな部分の詩が占めており、Neilの出来事を考えると非常に胸に込み上げてくるものが有る作品である。
Geddyのボーカルも何か寂しげであり、新たな決意を感じさせるような感じである。
コーラスが効果的にいかされているのも特徴的。

PEACEBLE KINGDAM

出だしからのGeddyのキーボードライクなボーカルから入り、印象的なベースのリフ、歪んだギター、タイトなドラムという重い感じです。
ここでGeddyは和音でベースを弾いており、音の厚みをかもし出している。
一見シンプルなようで有りながら、聞きこむと時間をかけたのが判る曲である。
この曲はアメリカ同時多発テロの悲劇の後に何かしらのインスピレイションで出来た曲だそうだ。

THE STARS LOOK DOWN

軽快なイントロで始まる比較的ポップな曲で有る。
ここでもGeddyによるコーラスが多用されており、これが重くならないような感じにさせていると思う。
演奏事体は非常にヘビーである。
録音時にちょっと手を入れてそうかな?

HOW IT IS

アコースティックギターの様で有るが、マンドーラと言う楽器を使用しているらしい。
これがこの曲に良いアクセントを与えている。
ハードな面とポップな面の同居した面白い曲である。
さすがにこの曲はLiveでは演奏できないだろうな。

VAPOR TRAIL

何かもの悲しさが有るイントロで、そこから先も切なく歌い上げるボーカルで雰囲気を非常に盛り上げる。
コーラスに入ってからのNeilのドラムが、ちょっとした行進曲の様に曲にアクセントをつけている。
この曲ではボーカルをキーボードの様に導入しており、アレンジに時間が掛かってそうである。
個人的に非常に好きな曲だ。

SECRET TOUCH

ファルセットを使ったボーカルから入り、おとなしい感じなのかと思ったら、いきなりハードな曲に早変わり。
最初聞いたときはAlexのソロアルバムに入っていても可笑しくないなと思ったが、いやいやこれはレッド・テェッペリンではないか。(笑)
彼らが影響を受けたのは有名な話しで、曲作りの時にジャムった感じから出来たのかと想像してしまった。
録音時には色々重ねていそうだが、シンプルに演奏してもなんら可笑しくないかっこいい曲である。
この曲もお気に入り。

EARTHSHINE

甘いトーンで歪んだギターのイントロから入り、一転してアコースティックな感じに。
この辺はPRSでスイッチを切り替えながら演奏するのか?
これが全般に導入されていて、忙しそうだな。
しかし、シンプルな様で曲進行覚えるのはちょっとめんどくさそう。(^^ゞ

SWEET MIRACLE

強烈なGeddyのイントロのベースが印象的。
それにAlexが軽めのカッティングのためか、コードも弾いております。
しかし、今回のアルバムは出ないかもしれないと、ちょっと不安だっただけに、まさしくファンにとってはSWEET MIRACLEですね。

NOCTURNE

Neilの印象的なドラムから入り、途中は3人が別々の事をやっていそうな感じになりながら、サビでまとまって攻撃的に仕掛けてくる面白い曲。
バックにGeddyのハイトンーンの声がかぶされて、これがまた良い効果を生んでいる。

FREEZE (PART IV of "FEAR")

ぱっと聞いただけではイントロ覚えられません。(^^ゞ
複雑なリズムで有るためか、逆に非常に印象に残る曲である。
その割にはメロディーはキャッチーであり、この辺りがRUSHらしさと言うところ。
この曲は完結と思われた恐怖3部作の続編と言われるもので、この後は5・6と続くのであろうか?

OUT OF THE CRADLE

非常にノリの良い曲。
アルバムの最後を飾るにふさわしい素晴らしさ。
Neilのドラムプレイもこのアルバムで一番好きです。
これぞNeilって感じでかっこいいです。