| ツアーツアー |
06/09/19
 『眉山』は徳島の阿波踊りが、ふんだんにフューチャーされた映画です。
『黄色い涙』の休憩中、監督が、
「阿波踊り、生で見たほうが絶対いいですよ」
とあまりにも力説するので、「できれば高円寺ですませたい…」と思っていた私の野望は潰えました。
そんなわけで、急慮阿波踊り観光ツアー（by JTB)に参加してきました。
私、ツアーなるものは敬遠してました。
はい次これ〜、次はアレ〜
と指示されるのが苦手で、行くなら断然フリーと思っていました。
そもそも旅行自体興味はなく、人に会いに行くことでしか喜びを見出せない男なのです。 おかしいでしょう。
でも、年老いてモノグサ度が増すと、上げ膳据え膳のツアーでもないと、行く気がしなくなりました。
まあ、GAMEでも、自由度が高いヤツよりは、お使い度が強いヤツを選択するようになったしな…
しかし、添乗員さんというのは、大変な仕事ですよ。
多かれ少なかれ、「こっちは金払っとんのやぞ」というスタンスの客と同行し、誘導し、確保し、なだめすかし、すべての工程を完遂させる。
『ピクミン』でいうところのオリマー飛行士ですな！
時には引っこぬいて投げ飛ばしたくもなるでしょう。
今回同行してくれたのは、女性の方。
説明も判りやすく聞き取りやすい。
かなりのベテランのようです。
往きの新幹線では、さすがのお手並みを見せてくれました。
出発が８月１２日ということもあって、この日の乗車率は１５０％。
身動きの取れない状況です。 中央線です。
ひょっとして私は降りられず、このまま広島まで？
とハラハラドキドキしていました。
と同時に、このベテラン添乗員の放つ次なる一手に興味津々でもありました。
まさか通路にいる乗客をモンスターに食わせてる間にコッソリと…
そんな期待をよそに添乗員さん、すこしも慌てず
「すみません、次の駅で大勢降りますので、ご協力お願いしま〜す！」
STAGE CLEAR〜♪ ﾁｬﾗﾗﾗｯﾁｬﾗ〜♪ |
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さて、一行は、神戸から鳴門大橋に向かいます。
鳴門大橋は、鳴門の渦潮で有名な鳴門海峡をまたぐ橋で、ご丁寧に橋の中から眼下の渦潮が見えるという、高所恐怖症の私にとってこれ以上ない仕打ちの大橋です。 |
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待て！ 早まるな！ |
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早…まる… |
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街に溢れるレッドピラミッドか
はたまたギロン… |
一行は夕方頃、徳島市内に到着しました。
しばしの自由時間、カミサンと市内を練り歩きます。
やはり年に一度のお祭りとあって、ザワザワした感じが伝わってきます。
「すごい人やな〜」と、網笠に着物で着飾った地元の子供たち。
待ちきれず踊り始める地元衆もいました。
ああ、こりゃあ、思春期の男女なんかは、たまらんシチュエーションでしょうね。
刻一刻と近づく祭りの日。
想いを寄せるあの娘、あの人。
盗み見る視線。
今日こそ伝えよう、この想い。
祭りの高揚も手伝って気分は一気に！
なぁんてね。
ロミオとジュリエットばりに仲違いした家同士だったら燃焼率高いですよ。
そんなことを考えてると添乗員さんから座席のチケットを配られました。
チケット・ピア？
こんなとこにもピアが…
多少違和感を覚えましたが、我々は雛壇に座っての鑑賞となります。
阿波踊りは、ひとつのグループが連と言われ、おのおの特徴のある踊りで個性を競います。
しかし、この阿波踊り。
終始中腰で踊りながら長い距離をゆっくりゆっくり行進するのですが、そうとう体に負荷がかかってるはず。
とくに女性は、高下駄でのつま先立ち！
それでも笑顔で、こちらも一緒に踊りたくなるような笑顔で、滑らかな踊りを披露してくれるのです。
女性は着物と笠で肌をほとんど露出してないにもかかわらず、手足の動きと、笠からのぞく唇の紅。 ピョンと進める歩にあわせて裾からあらわれるおみ足が、どうにも艶っぽい！
ひじょうにセクスィ〜でした。
盗み見る視線。
今日こそ伝えよう、この想い。
祭りの高揚も手伝って気分は一気に！
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| マスコットキャラ あわまる… |
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 日付変わってこの日は金比羅さんです。 香川県です。
さすがツアー。
なんというか、地方の同時上映作品のような組み合わせ。
「あれ？ 私はいったい何をしに徳島へ…」
と思いながら７８５段の階段を上りました。
これがけっこう…キツイ！
さらに高まる自問自答。
しかし、それもピークを過ぎると克服欲が出てくるから不思議です。
高ければ高い壁の方がのぼった時気持ちいいもんな〜♪とミスチルも歌ってます。
しかし敵もさるもの。
最後の最後に怒涛の連段！
こ、これがクライマックスというヤツか…
負けん！ 負けへんで〜！
ぬおおお！
満身創痍の体をふりしぼり、一段一段のぼります。
すべての階段をのぼりきった時、お出迎えしてくれたのは！!
一大パノラマ！ ｼﾞｬｰﾝ！
温泉！ ｼﾞｬｼﾞｬｰﾝ！
ビール！ ｼﾞｬｼﾞｬｼﾞｬｰﾝ！
発射 !!
ド ド ド ド ド ド・・・・・
むぅ、これぞ緩急。 飴と鞭。 メリーとハリーの大冒険。
映画の黄金律を我が身をもって体感したわい、と満足感もひとしお。
正直、じぃっと座って見続ける阿波踊りよりも楽しかったです。
みんなには、ないしょだよ。
「あれ？ 私はいったい何をしに徳島へ…」 |
