着信アリ2 
ホラーとホラ
04/09/04

ホラー映画です。

『リング』によって花開いたジャパン・ホラーの流れは、なかなか治まりませんね。しかし、この『着信アリ』にしろ、韓国産ホラー映画にしろ、それらに触れるにつけ、ためいきと羨望のまなざしを以って『リング』の成した偉業に思い馳せてしまいます。
あれにはずいぶん救われました。オレにとっての夢と希望です。

そして、その系譜に入門しようとする今回の『着信アリ2』。
好きなだけではダメなのだ、とゆうことを思い知らされます。

『リング2』のコメントにも書きましたが、オレの育ての親はホラー映画でした。
スプラッター華やかなりしご時世に思春期をむかえ、ロメロだ、ライミだ、クローネンバーグだと、トキメキを胸に栄華盛衰を駆け巡りました。

そのトキメキを呼び起こしてくれたのが『リング』です。

そこに在る、と断定できないけど、なんかいる!なんかが来る!とゆう不安。
「あなたの知らない世界」を髣髴とさせる心霊現象。その世界観の包囲網は、スピルバーグも裸足で逃げ出す勢いでした。『ポルターガイスト』と見比べると、対照的です。
洋物ホラーのように即物的でオバケ屋敷な作りとは一味違う、ヒタヒタと忍び寄る、じっとりまとわりつくような描き方は、その後のジャパン・ホラーの文法を定義づけたと言っても過言ではないでしょう。

そう、ヒタヒタ感。
オレは今、これに苦しんでいます。

ジャパン・ホラーは、その特徴上、カット数が少ないのです。
カット割ってババーン!ぎゃー!!とゆうわけにはいかないのです。
間をつけることで、観るものの不安をかきたてるのです。
手元に『リング』でも、『呪怨』でもある人は、それを音を消して観てみてください。
不安をかきたてる場面になると、ずいぶんと間がつけられていることがわかると思います。その間が恐怖のレシピなのです。
ポンポンポンと進んでいく作品が多かった、そして自分でもそれを好んでやっていたオレには、それに手こずっています。
なんてこったい! あれほど好きだったホラーに苦しめられるとは!!

しかし、思えばホラー映画も、素材だけを見てるとけっこうマヌケです。
禎子の目玉だって、まつ毛を抜いた助監督さんだって聞きました。
怖くもなんともありません。
それが、おもてなしがなされると見違えるように怖くなるんですから。
これも捏造ですよ、捏造!
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