A long time ago in a galaxy far, far away・・・
 カラン、カラン・・・


いらっしゃいマ・・・おや、聡一さんじゃないデスカ。

・・・・・

おや、どうされたんデスカ?

ふっふっふ・・・

何かあったんデスカ?

ついに行って来たよ。

行って来タ? ・・・アッ、結婚相談所デスネ!

そう、僕もそろそろ・・・ポカ・ポカ・ポカ!

イタイ、イタイ。聡一さん、グーはイタイですヨ。

違うよジェイク!そうじゃないだろ! 『STARWARS』だよ、『EPISODE 1』に行って来たの!

OH!とうとう行かれましタカ! どうデシタ、感想のほうハ?

うん、なんとも感慨深いものがあったねぇ。

そうデショウ。もう、かれこれ22年振りですカラネ。

そうだね。若い人も結構いたけど、僕と同世代の人なんかは、その昔お父さんに連れられて『EPISODE 4』の洗礼を受けたっていう人がほとんどだからね。それが、お父さんと呼ばれてもおかしくない年になって観に行くわけだから想いもヒトシオだよ。

そうデスネ。かつて自分がそうであったヨウニ、我が子を連れて観に行かれる方もいるでしょうカラネ。まるで世代を超えて現れる流星群のようデスネ。

ほほう、なんとも夢のある響きじゃないか、ジェイク。そう言えば、前に、風見しんごさんが言ってたっけ。『STARWARS』はSFじゃない、御伽話なんだって。そおゆう意味ではピッタリの作品だね。

遊び心もふんだんに盛り込まれてましたシ。

そうそう、向こうの人はそおゆう事に真剣に心血を注ぐところがイカシてるよなあ。まあ、そのほとんどがCGによる産物って事が残念ではあるけど、それも時代の流れなのかな。

おや、今日はマタ随分とシオラシイじゃないデスカ。

うん、なんだか忘れかけてたものを呼び起こしてくれた気がしてね。

忘れかけてたモノ?

現実を切り取るだけが映画じゃないってことさ。

夢・・・デスネ?

そう、THAT’S RIGHT!

タシカニ、最近は夢を見ることが難しい時代ではありマスネ。

特に日本はね。モノとか情報とかに満たされることが全ての豊かさに通じるわけではなかった、といったとこかな。想像する力をどこかにおいてきちゃったんだろうね。ま、それでも夢を紡ぎつづけるアメリカって国には本当、感服するばかりだよ。

フフフ、それは他人の芝生だからデスヨ。おや、あちらのテーブルでは食ってはトイレ食ってはトイレの河田さんが何やら話し込んでいるようデスヨ。ちょっと、聞いてみまショウ。

 ガヤ ガヤ ガヤ ガヤ ガヤ・・・・・
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僕、『EPISODE 1』渋東で観たんスけど、なんか邦画の予告編が腐るほど付いてませんでした?

あっ、私も観ましたよ。えっとね、いっぱいありすぎてほとんど印象に残ってないんですけどね、あっ!でもあれは観たくなったな。『双生児』と『梟の城』。『梟の城』なんかは、昔やった『魔界転生』っぽくてゾクゾクしちゃいましたよ。あとのヤツはなんだかビデオでいいやってのが多かったんですけど。

確かに、TVの延長線っぽいのをわざわざ劇場でって気にはならんっスよね。僕、思うんスけど、最近突飛な邦画ってお目にかかれない気がするんスよ。どの作品も現実社会が舞台で、現実に起こる事をピックアップして提示してるだけっていう切り口が多くないっスか?

それはだって、ほら、予算とかの問題もあるじゃないですか。実社会を舞台にすると感情移入しやすいってのもあるし。

低予算でリアリティを持たせようとした結果ってのは分かるんスよ。でも、それにしちゃあ登場人物が画一的で記号的ってのが多すぎんスよね。芝居だっておざなりだし。そこにこそ真実の目を向けんかい!って思ってんスけどね。そんな中途半端なリアリティだったらドキュメンタリーで充分でしょう?映画なんスから、サッソウとした嘘の一つでもついて欲しいんスよ。

嘘をつくのは本当、ヘタかもしれませんね。最近は創り手がその事を放棄しちゃってるのか、バラエティなんかでも素人に任せっきりですもんね。視聴者がそれを望んでるって実情もあるんでしょうけど。でもね、ハリウッド映画だって最近はCGに頼ってばっかりの大ボラ吹き映画が多いじゃないですか。

うーん、確かに。昔ほど巧みな嘘つきがいなくなったのか、みんなが物知りになったからなのか。嘘でもって導いてもらって真実に辿り着いた時なんかは結構ハッとさせられたりするんスけどね。

 ガヤ ガヤ ガヤ ガヤ ガヤ・・・・・
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いやはや、耳が痛いね。

フフフ、なかなか手厳しい叱咤でしたネ。

でも、彼らの言うことももっともだと思うよ。だって、僕が影響を受けてきた映画も、夢のある嘘つき映画が多かったけど、今の僕が関わってる作品は安易な娯楽を求めた作品や個人的な作品が多いからね。育むとこまでいってないんだ。実際、最近の小中学生は邦画なんて観に行かないのかもしれないな。

子供に夢を与えるのは大人の務めですカラネ。

うん、その中から真実を見出すこともね。本当の真実ってのは、意外と昔から語られてることの中にあって普遍的なものだったりするんだけど、だからこそ見落としがちなのかもしれないな。

人はオサライをするから生きていけるんデスヨ。

そうだね。『STARWARS』には本当、オサライさせられたよ。

それではひとつ乾杯といきマスカ。

乾杯って?

夢にデスヨ。

いいね!それでは、久方ぶりの夢との再開に。

これからノ夢に。

乾杯。

カンパイ。

   ガヤ ガヤ ガヤ ガヤ ガヤ・・・・・
99/08/09
 
 


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