Windows98 vs MacOS 9
 Windows vs Apple OS
Avidがもたらした革新的な編集スタイルをママゴトながらもオサライしたいという欲求が、ついに抑えきれなくなった98年の冬、まるで整形手術に挑むような一大決心でSONYのVAIOを購入したっけ。
購入候補だった、当時まだベージュ色のMac G3を押しのけての栄冠だったよ。

これだけ断腸の想いをしたんだ、さぞかし楽しませてくれるんだろうね、君ぃ。念書だって、ホラ、ここにあるのだからね。約束は守って・・・
ムシャムシャ
ああっ!たっ、食べるっていうのはどういう了見なんだ、君ぃ!黒ヤギさんたら読まずに食べた気取りかっ、君は!
ポロポロポロ
フッ、フンときたか!フンで応えるのかっ、君は!にえええええ、恨めしや!

未来の片鱗を体感という淡い淡い期待は、まるで自分の独り善がりな妄想に過ぎないのだということを、ものの数日で思い知らされるハメになったよ。えっへん!

何がって、もうさっぱりチンプンカンプンで、最新スペックのマシンからは「ヴォン!ヴォン!」なんて小バカにしたようなエラー音が鳴り響くだけ。不親切なマニュアルは一冊数千円もする参考書購入への呼び水となり、これだけ出費してるのにどうしてこんなにツライ想いをしなきゃいけないの?なんて傘貼りをする浪人のような心境を体感する毎日だったよ。
それでも茨の道を抜け出た頃には、ひょっとしてたくましく?気持ち屈強な?PC戦士に生まれ変わり、Windowsのルールを理解するまでには至ったんだけど、どうにもこうにも事務的で味気ないデスクトップとインターフェースに我慢がならなくて、アイコン編集ソフト『窓の手』でアイコンをイジったり、テーマやウィンドウをMac風に変えてみたりと、騙し騙し誤魔化して生きてきたんだ、あたい。
でも、それも今日でサヨナラさ。だって目の前にはG4のエンブレムも眩しいばかりのアクリル筐体が鎮座しておられるんですもの。

工具いらずの内部開閉筐体 → タマシイを揺さぶるよ。
ミメ麗しのリンゴマーク → モノ創りの箸が進む気がするよ。

長い長い道のりだったね。BGMは『ロング・アンド・ワインディングロード』だよ。さあ、ケーキに入刀だ。こみ上げる昂ぶりを胸にスタートボタンをスイッチ・オン!
ボーーーン
おおっ、これこれ、この起動音!早くあの魅力的で直感的なインターフェースを拝ましてちょうだい!
めへぇえええ〜
めへ・・・・・?錯覚?
今、あの忌まわしき黒ヤギの声が聞こえたような気がしたけど・・・・・あれっ、動かない!マッ君が止まっちゃった!何で?それともこういう壁紙なの?何でこんなに止まるの?返してよ!あたいのマッ君を返してちょうだいっ!!
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Macを購入するまでの1年半という月日をかけて、僕はすっかりWindowsのインターフェースに慣れ親しまされていた。いや、むしろ知らず知らずのうちにその恩恵を受けていたと言ったほうが正しい。
事務的で味気ない外面のせいで見失いがちになっていたけど、こうして別のOSを比較対象としてイジってみると、その利便性に改めて気づかされる。

Mac OSに関してはまだまだ入門間もない時期なので、全てを比較するのはちと乱暴なんだけど、使い勝手という意味に絞って、ありのままの感想をつづってみよう・・・
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命令
いちいち画面上のメニューバーにいって命令をクリックするのがめんどっちい。
(*キーボード・ショートカットである程度は解消)

ウィンドウごとにメニューバーがついてるのでマウス移動がとても合理的。
ソフトの同時稼動
ウィンドウを閉じただけではソフトは終了しておらず、どのソフトが稼動してるのかが判別しにくい。
また、ソフトの不具合が生じた時に、問題のソフトのみを強制終了することはできるが、極めて稀であり、おおよそOSの強制再起動に成り果てる。つまり、同時に稼動させていたソフトのデータは全てパア。詮無い!

タスクバーとマルチタスク(複数のソフトを同時に、独立して稼動させる機能)の効果は絶大。
マウスの右ボタン
コンテクストメニュー(Winでいうところの右クリックメニュー)はCtrlキーを併用することで可能。
マウスのみで解決するようにするには2ボタンマウスを購入するか、フリーウェアをダウンロードしてボタンを押す長さでメニュー表示させるしかないのがワンパク。

右ボタン、右クリックメニューは標準。
メンテナンス
ディスクコピーやファイルシンクロナイズ等、直感的で馴染みやすいバックアップツールは好感度・大だけど、ディスクメンテナンスツールがあまりに貧弱。別途ユーティリティーソフトを購入する必要性も大で今月また赤字。

スキャンディスク、デフラグ、ディスク・クリーンアップ等、標準で装備されてるものでかなり賄える。
カスタマイズ
アイコンから機能拡張、自動スクリプト、起動ディスクの変更にハードディスクのパーテーション作業にいたるまで、かなり判り易くお手軽にできる。何より、新規で作成したフォルダーに色が付けられるのはその後の管理面でもありがたい機能 。

視覚的なカスタマイズは、ショートカットアイコンや壁紙、タッチ音止まり。その先はちょっとした知識やソフトが必要。ハードディスクのパーテーション作業はDOS、起動ディスクの変更はBIOSでの作業となる。多重人格?


そしてこれが決定的。

はよく固まる!
そんな機能拡張や初期設定の組み合わせなんかよう解からんよ。OSが管理しとけっちゅうねん。「言うことをきかないところがまた可愛い」なんて誰が言うたんや!可愛いもんかい、こんなもん!しゃんとせぇ、しゃんとぉ!しゃんとぉ!しゃんとぉ!

来る!
来るよ!Macフーリガンが大挙しておしよせてくるよ!
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Windowsは、MS-DOSというコマンド命令型の、シンプルだけど取っ掛かりにくいOSを、マウスとキーボードで操作できる視覚的で親しみやいOSに見せかけている。ほとんどの局面でその深部に潜り込む必要はないように作られてはいるものの、いざ、という時にはDOSの素顔と対峙しなければならないこともあり、いままでつきあっていた彼女が実は宇宙人だった、なんてショックを食らわされたりする。
はたまた、肝心要の管理項目はレジストリというセントラルドグマのようなところに閉じ込められていて、それを下手にイジろうものならサードインパクトをおみまいされる。(だからわざわざ判り難い場所に隠してあるんだよ!)
拡張子なんて意味不明のオマケがついてきたり、自分なりのカスタマイズがなかなか思いどうりにいかない等の歯がゆさはあるものの、そのことが実はシステムの堅牢さに結びついているんだな、ということに気づくに至った。
それは、人間の畏怖すべき存在の王蟲が、実は自然回復しようとしている腐海を守っているのだ、ということに気づかされることにも匹敵するけれど、お前、もう少し「キュ〜?」とかって愛想ふりまけよ、とも思う。

一方、Mac OSは、低年齢層にもアプローチし得るドラッグ&ドロップという直感的要素が行き届いていて好感が持てるし、機能拡張や各所のカスタマイズなど遊びゴコロに富んでいて、クリエイト思考を刺激してはくれるんだけど、やはりMacにもレジストリに相当するものがあるらしく、不要なソフトをエンプティトラッシュしただけでは全てが削除でるわけではなさそうだ。調子に乗ってドラッグ&ドロップしまくっていると致命的なオツリが返ってくる。(だからよしなさいっての!)

どちらも火気厳禁!さわるべからず!的システムの要は、子供の手の届かないところに収められているけれど、全く覆い隠しているMac OSと、煩わしくも覗くことができるWindowsとでは「見えている」ということでWindowsの方が僕個人としては信用できる。
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現在、Windowsは古きシキタリであり屋台骨であったMS-DOSを断ち切る方向性を打ち出しており、来るべきWhistlerではNTの持つ堅牢さと、親しみやすいインターフェースを兼ね揃えつつ、AV機能にも特化させるという欲張りサンなOSになるべく精進している(らしい)。
かたやMac OSは、ヴァージョンX(テン)にて動的な視覚効果を散りばめ、システムの堅牢さを手中に収めるべくマルチタスクをひっさげて来年早々にもお目見えする(らしい)。

どちらも魅力的で未来を感じさせてくれる風呂敷で、秒進分歩の目まぐるしい変化や、お互いの動向を伺うだけでも結構楽しめるんだけど、結局それによって泣かされるのは消費者であり、いったい誰のためのOSなんだと首をかしげたくなるのも素直な感想。

8年10年と変わらず居座り続け、システムクラッシュなんておおよそあり得なかったファミコンやプレステをもう少し見習って欲しい。
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Be OS公式サイト
え?Be?
00/06/24
 
 


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