ドンキーコング64
 RARE + 任天堂 GAME
ネットにうつつをぬかし、ほったらかしのホコリかぶりっぱなしだった任天堂64を引っ張り出す。
ソフトは『ドンクーコング64』
相も変わらず軽快で小気味いいです。キャラクター創りとBGMの出来の良さは依然変わらず図抜けてますよ。業界トップだと再認識しました。

GEME内容についてちょっと触れるね。
キャラクターは5人(匹?)のコングから選べます。5匹のコングはそれぞれ特徴付けがされてて、特有のアクションが出来ます。それらを使い分けて広大なマップにばらまかれたバナナを探していくんです。一言で言うと宝捜し。

で、言いたかったのは、その5匹のキャラクターを選択するときの画面。
プレイヤーが選択しているキャラはスポットライトを浴びてて「さあ、冒険にくりだそうぜ!」ってアクションをウホウホ言いながら呼びかけます。その他の4匹も負けじと「僕を選んでよ!」とそれぞれの「コングらしさ」が伺えるアプローチをしてます。
5匹が1匹、チャンキーは力自慢のコングで、選択されてないと「おいおい、俺を使わない手はないぜ」とばかりに呼びかけます。それならってんでチャンキーにスポットライトを当てると、「やめて!隣のヤツにして!」と、とたんにブルブル震えだして怯えます。「しょうがないなあ」と別のコングにスポットライトを移すと、はすの方で「ふひゅう〜」と額の汗を拭う仕草。そして再び「おいおい、俺を使わない手はないぜ」と呼びかける。
ねっ、心憎いでしょ?チャンキーをコントローラーで動かしたくなるでしょ?
え?ならない!?
・・・・・もういいよ、あっち行ってよ。
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いや、ちょっと待って!まだ行かんとって!
うん、確かにねえ僕もこの『ドンキーコング64』は大絶賛ってわけじゃあないんよ。プレイすればするほどアイツがダブって見えてくるんよね。え?アイツって誰かって?マリオよ。『マリオ64』のことよね。

『ドンキーコング64』の5匹のキャラは、マリオの特性を5分割して脚色したようなもの。やってることは殆ど同じなんよね。乱暴な言い方をすれば『ゼルダ』すらも『マリオ』の焼き直しでしかないとも思えるんよね。どれも3D空間の視点になっちゃたしね。
かくも『マリオ64』はなんでもかんでもやり過ぎた。
決して『ドンキーコング64』が駄作っていうわけじゃないんよ。それだけ『マリオ64』が凄まじい完成度を見せてたってことだけなんよね。

『マリオ』にしろ『ドンキー』にしろ『ゼルダ』にしろ『ヨッシー』にしろ、昔から任天堂の一連のGAMEの基本は宝捜し&宝の取り方捜しよね?その捜させイズムたるや毎回唸るもんがあるじゃない?
2D空間時代は、それぞれのGAMEに設けたルールが、見事にキャラクターや世界観にマッチしてて、どのGAMEをやってるのか区別できたんよ。いや、そんなこと意識すらしないほど自然にね。
でもそれが2D画面の束縛を解き放たんがため開発されたNINTENDO64になって、箱庭構築の名のもと、3D空間が当たり前になっちゃった。
提示されたルールをこなすだけのプレイヤーになって欲しくない、この空間を楽しんでくれっていうクリエイターの志は判るんよ。
でも、あまりに自由な空間過ぎてルールがぼやけちゃうんよね。結果、どのGAMEをやっても『マリオ』と錯覚してしまう。『ドンキー』として出す意味がないんじゃないか?っておこがましくも思ってしまうんよねえ。どうですか?どうなんじゃろ。

『ドンキーコング64』の中にミニゲームとして挿入されてたアーケード時代の初代『ドンキーコング』
圧倒的な3D空間とは相反する2Dでチープでシンプルなルール。
お遊びで入れたのか、原点回帰で入れたのかは定かじゃないけど、ここにこそジレンマを解くヒントが隠されてると思うんじゃが。
どうですか?どうなんじゃろ。
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ソフト開発秘話『ほぼ日刊イトイ新聞』
00/02/14
 
 


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