僕が京都にいた頃は、何度となく大阪、神戸へと遊びに出かけたのです。
電車一本で簡単に行けるというお手軽さに加え、どこへ行っても関西弁が聞ける上に、その土地その土地の違った顔が覗けたのが気持ちよかった事を覚えてます。実家のある広島からも友達が何度か遊びに来てくれて、その度にそういった簡易3都物語を敢行していたんだけど、その時の僕のとっておきが海遊館だったんよ。
場所は、天保山。地下鉄中央線の大阪港駅で下車しますと、ひときわ目立つ原色の建物がそびえたっておられる。
中は上から見てドーナツ状になってます。入り口はその上層にあって、らせん状に下っていくと、内心に構える吹き抜けの巨大水槽と、外周に点在する生息圏にあわせて細分化された水槽が、見るものを楽しませてくれるという寸法。
ここの目玉は、内心の巨大水槽の主といった風体の、これまた巨大なジンベイザメ。上層からはその優美な魚影が、中層からは穏やかな横顔が、下層からはゆらめく光を遮る神秘的なシルエットが、素敵なおもてなしをしてくれます。
この立体的に見学できる構造がどうにもスペシャルで、狂喜乱舞した記憶があるんだけんど、見所は枚挙にいとまがないです。外周の水槽の幾つかも2〜3階分の吹き抜け構造になっていて、こちらはスピード感溢れるイルカやアザラシが、ロケット泳法でもって所狭しと飛び交っている。
そして最下層でお出迎えるは、まんじりとも微動だにしないタカアシガニ。ジンベイザメが表向きの主ならば、こちらは裏の顔役といったところ。きゃつ等こそが海遊館の真の首領であると僕は信じて疑わない。
そんなこんなで出口に出る頃にはなんとも贅沢な海のフルコースでお腹いっぱい、ごちそうさま、領収書お願いね、上様で。 |