ジョジョの奇妙な冒険
荒木 飛呂彦 マンガ
ちょいと暇になったんで、30巻で頓挫してた『ジョジョ』を買い足そうと、続き番号順に見つけ次第買いまくった。63巻まで到達するのに3日とかからなかったが、64巻はどこを探しても見つけることはできなかった。ない筈だ。『ジョジョ』は全63巻だったのだ。

そんなバカな!いつ終わったんだ!『ドラゴンボール』みたいなイキアタリバッタリ漫画ですら電車の中ズリに連載終了が囁かれてたぞ。日々の生活でも「ジョジョが終わった」なんて話は誰も口にしなかった。嘘だ!!
と、しばし思ったもんだがジョセフの台詞を借りれば「なるべくしてなったんじゃ」といったところか・・・・
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今からちょうど6年前、なんのアテもなく上京してきた僕はたまたま『ジャンプ』を読んでいて、たまたま荒木さんのアシスタント募集の記事を目にした。はやる気持ちを抑え、担当編集者が提示してきた条件である「億泰家の外景画」と自作漫画を持参し集英社の門を叩いた。
その夢は見事に破れたが、『ジョジョ』の生原稿のコピーと荒木さんからのメッセージを頂戴できたことにささやかな喜びを感じた。

余談だが、当時億泰家の参考にと購入したのが冒頭に述べた30巻であり、そこで頓挫していたというのは、連載終了の報を受けた今、『ジョジョ』と僕の奇妙なつながりを改めて感じさせてくれる。

余談には続きがある。
その後僕は、巡りめぐって映画編集の道をこうして歩んでいるが、先日、奇妙な電報を見つけた。しかも未開封の。引越しやらなんやらで面倒がってブチこんだままにしてあって気にも留めなかったんだろう。開封してガクゼンとした。

「シキュウ レンラク クダサイ
           ---シュウエイシャ---」

日付をみると、アシスタント落選の告知から1週間後のものだった。「何て事だ、うっかりすぎるぞ、聡一!あの時この電報を開封していたなら漫画家という別の道が開けていたかもしれないのにぃ!」

このことを受けてもなお、ジョセフは「なるべくしてなったんじゃ」と言ってくれるのだろうか。はたして僕は運命の「眠れる奴隷」になれるのだろうか・・・・・
99/06/04
 
 


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