「つくりかったのは、誰でもが体験できる身近な高性能です」。
シビックtypeRの特長
スペック 車名:シビック type
R
全長:4180mm 全幅:1695mm 全高:1360mm
ホイールベース:2620mm トレッド(前/後:1480mm/1480mm)
車両重量:1040kg エンジン型式:B16BspecR タイプ:水冷直列4気筒D0HC
総排気量:1595cc 圧縮比:10.4 燃料供給装置:PGM‐FI最高出カ:185ps/8200rpm 最大トルク:16.3kg-m/7500rpm
ステアリング形式:ラック&ピニオン サスペンション(前、後):ダブルウィシュボーンブレーキ(前(ディスク径)/後):ベンチレーテッドディスク(228mm)/ディスク(218mm)
価格:169.8万円(レースベース車両)〜217.5万円(97年9月)
型式:E‐EK9
通称:シビックtypeR
発売時期:95年9月〜
もはや、新型シビツクといっていいのかもしれない。 伝統にのっとり、より戦闘的なフォルムを与えられた タイプRは、ただエクステリアを眺めた時点でさえ、 それほどのインバクトをもっている。見てのとおり、 ボディまわりの樹脂部分はほとんど変更されている。 前後バンパー/グリル/ヘッドライトは専用デザイン のものに換装、サイドシルガーニッシュ&モールはボディ 同色とされ、精惇さを増した。インテグラRのときと同様、 空気抵抗を増やさずに揚力を押さえ込んだ前後スボイラー。 加えて専用サスで15oダウンした車高により、全体のフォ ルムはさらに引き締まる。中に潜む心臓部は、B16B98specR と名付けられた、スペシャルメイドのVTECエンジン。 そう、べースのSiR(B16A)とは、型式が違うのである。 NSXでもインテグラでも変わらなかったエンジン型式。 これが何を意味するかは容易に想像できる。 ほぽ全域にわたって改良が加えられたこの エンジンは、8200rpmで185馬力発生するに至った。 性能向上のための重量増を差し引いても30s軽量化されたため、 パワーウエイトレシオは5.68へと改善された。とはいっても、 数値だけを見ればNSX−Rの4.39、インテグラRの5.30 には遠く及ばない。そこで出てくるのが、第3のタイプRは何を目的と しているのか?という疑問であろう。ホンダのテストでは、筑波ではイ ンテグラの1秒落ちで走り、鈴鹿ではむしろ速いくらいだという。これは 空力性能のおかげであったり、ブレーキ性能によるものであったりするわ けだが、いずれにしてもタイプRの名にふさわしい運動性能であることは 確か。さすがに、NSX−Rと向こうを張るところまではいかないだろうが、 それはトップレベルのドライバーが乗ったときの話。並の者なら、扱いやす さに優れるシビックのほうが速いことだって考えられるのだ。 ”タイプR”という存在を手軽に味わうためのこれが答えである。
シビック タイプ R 概要 |
走りにこだわって惜しみなく注いだ先進テクノロジー べーシックな心地よさと気持ちいいスポーツ感覚をセールスポイントに、2BOXの新しい世界を切り開いたのがシビックである。72年夏に誕生したシビックは、CVCCエンジンやVTECエンジン/ホンダ・マルチマチックなど、常に先進テクノロジーを提唱し続け、世界のFWDコンパクトカー市場をリードしてきた。初代シビツクのデビューから四半世紀、この節目にホンダは究極のホットハッチを市場に送り込んだ。それが、走る喜ぴに徹底してこだわったシビック・タイプRである。ピュアスポーツのNSXとインテグラに続くタイプRシリーズの第3弾で、刺激的なDOHC・VTECエンジンと高度にチューニングされたサスペンションによって、ダイナミックな走りと優れたコントローラビリティを実現した。
タイプRは、レーシングカー開発の手法を用いて造られたファインチューニングモデルである。シピツク・タイプRも、その例に漏れない。レーシングカーのテイストと圧倒的なドライビングプレジャーの獲得を目指して設計され、F1やインディ・カー/グループAレース/JTCCなど、サーキットで培ってきたホンダの先進テクノロジーをふんだんに注ぎ込んでいる。
シビックのエボリューションモデルとなるタイプRの開発テーマは大きく分けると3つだ。速さを得るためのパフォーマンス(動力性能)と操る喜びのためのコントローラビリティ(操縦性能)、そしてテイストのためのエキサイトメント(感覚性能)である。この3つを徹底追求した。
いうまでもなく、ぺースとなっているのは3ドアのSiRだ。ライトウエイトスポーツとして優れた資質と高い運動性能を誇るSiRに、ホンダのレーシングテクノロジーを余すところなく注ぎ込み、最強のストリートファイターに仕立てている。開発段階では、徹底的にサーキットとトリッキーな鷹栖(北海道にあるテストコース)を走り込み、運動性能を磨いた。
レーシングテイストあふれる走りを実現するため、クラス最強のパワーと鋭敏なアクセルレスボンスを目指し、DOHC・VTECエンジンにきめ細かい改良を加えている。B16B型に進化したDOHC・VTECエンジンは、ストリートユースの自然吸気エンジンとしては世界トップレベルの実力だ。リッター当たり116psを達成し、ライバルを突き放す。優れたダイレクト感と限界の高いコーナリング性能を実現するため、シャーシにも手が入れられた。4輪ダブルウイッシュボーンのサスペンションは総合的に強化され、ブレーキディスクローターもサイズアップされている。赤を基調としたコクピットも、タイプR専用の設計だ。レカロ製のバケットシートをおごり、シフトノブもチタンの削り出しを採用する。また、ヒール&トウのアクセル操作を向上させるため、ペダルレイアウトも見直された。 空カを徹底追求!追カのデザインは伊達じゃないのだ エクステリアは3ドアSiRをべースに、運動性能を研ぎ澄ましたタイプRにふさわしいスパルタンなテイストとしている。開発陣が重視したのは空力性能など、走りにかかわるところだ。サーキツトやテストコースでの走り込みをモトに、エクステリアのデザインを煮詰めていった。
空カパーツは、フロントアンダースボイラーとリヤスポイラー、そしてリヤアンダースポイラーの3点だ。タイプRにふさわしいスパルタンなデザインを採用したことはもちろんだが、空力性能を維持したうえで操縦安定性に最適な揚力係数(CL値)のバランスにも細心の注意を払っている。なかでもリヤの大型スボイラーは、高速コーナリング時のリヤの接地感を高めるのに絶大な効果を発揮。スタビリティに優れた走りを実現した。
フロントマスクも専用デザインだ。ヘッドライトのガラスをブラツクアウトし、グリルを精桿なメッシュタイプとしている、ボンネットフード先端には栄光のエンブレムを配した、レッドのべースカラーにHのイニシャルは、ホンダF1が初優勝したときと同じものだ。これを見ても、タイプRに対するエンジニアたちの自信と思い入れの深さがわかろうというものだ。
また、前後のバンパーからプロテクターモールをはずし、サイドシルガーニツシュとサイドプロテクターもボディと同色に塗られた。コンフォートパツケージは、ドアミラーもボディと同色だ。しかも、電動式となる。
精悍なスタイリングを演出しているのは、空カパーツやカラーだけではない。リヤのクォーターガラスとリヤゲートガラスに、ブラツクトーンのスモークを施したプライバシーガラスを。フロントとフロントのドアガラスには高熱線吸収グリーンガラスを採用した。他のグレードとは迫力が違う。
足もとにも専用パーツをおごっている。アルミホイールはチャンピオンシップホワイトの専用色で、4穴ではなく5穴構造とした。ホイールのデザインも、個性的な7スポークだ。これらのほか、大型のエキゾーストフィニッシャーやタイプR専用デカール(両サイドとリヤ)で外観を引き締めている。
ボディカラーは3色を設定した。ホイールと同じチャンピオンシップホワイトを筆頭に、美しい輝きのスターライトブラックパール/ポーグシルバーメタリックの3色を揃える。シビックというと鮮やかなレッドを思い浮かべる人も多いが、タイプRにレッドは用意されていない。エクステリア以外の特徴も簡単に述べておこう。ボンネットを開けると、レッドメタリックのストラツトタワーバーが目に飛び込んでくる。インテリアは、コクピットに赤を配したスパルタンな2トーンデザインが特徴だ。メーターとセンターパネルにはカーボン調パネルを採用し、イエローの針とオレンジのバック一フイトが走りの世界へとドライバーを誘う。室内は他のタイプR同様赤で統一 メーターパネルはカーボン調
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フライホイール軽量化 バッテリー小型化 アルミホイール標準 フロアメルシート、 インシュレーター廃止 フューエルタンクの アブソーバー廃止 フロア遮熱板廃止 MOM0製小径 ステアリングホイール リヤワイパー リヤシェルフ廃止 エアコンディショナー オプシヨン化 他 |
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プレーキサイズアップ &ホイールボルト強化 八一ドサスペンション &八イグリップタイヤ エンジン出カアップ ヘリカルLSD パフォーマンスロッド追加 その他ボディ強化 レカロ・シート フロントスボイラー追加 リヤスボイラー追加 テールゲートスボイラー大型化 他 |
10.67s 3.58s 2.25s 1.50s 3.95s 5.08s 5.13s 1.15s 1.02s 1.03s 0.50s
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パワーユニットは、B16A型からB16B型に進化した1595tのDOHC・VTEC(可変パルブタイミング&リフト機構)だ。 より高回転化を可能にするためバルブ系を強化し、インテーク側のバルブスプリングを楕円断面の2重スプリングとしている。また、バルブ軸径の一部を細軸化し、傘部をスリム化した。さらに、軽量化しながら高強度を実現するとともに、高回転域でのバルブ追従性を高めている。これらのほか、コンロッドを軽量化し、回転パランスに優れたフルバランサー8ウエイトのクランクシャフトを採用した。コンロッドとクランクシャフトの結合部には、オリエンテッドクリスタルベアリングメタルを採用し、高回転・高負荷時のフリクションを低減させている。エンジン内部をきめ細かくチューニングすることによって、最高出力の発生回転数は、7800rpmから8200rpmに高められた。高いトルクを得るために、吸・排気系にも手が入れられている。吸気系は、バルブシートの開口部を鋭角化するとともに、バルブをスリム化。吸気抵抗を低減させた。排気系は全体を大径化し、これと合わせてエキゾーストバイプの集合部を鋭角化している。また、サブチャンパーを追加し、プリチャンバーの大型化やサイレンサーの内部構造の見直しによって流量をアップ。一段とスムースな排気を実現した。圧縮比は10.8まで高められ、点火プラグも熱価7番の白金プラグをおごっている。SiRは170ps/16s-mの性能だ。これに対しタイプRは185ps/16.3s-mを絞り出す。リッター当たり出力は、自然吸気エンジンとしては世界最高峰の116ps。回転限界も、8200rpmから 8400rpmに高められた。サスペンションは、スプリングレートやダンパーの減衰力・スタビライザーを強化し、ロール剛性を高めつつフロントの接地性を確保するセッティングとしている。トルク感応型ヘリカルLSDも標準だ。また、プレーキサイズを前後とも1インチサイズアップし、制動性能を大幅に向上させた。オプション設定のABSも、タイプRは専用のセッティングだ。ボディは軽量化を図りつつ、剛性アップに取り組んだ。クロスメンバーのロアーアームを左右に結ぷパフォーマンスロッドを追加し、テールゲートまわりも大幅に強化している。ねじり剛性を35%向上させたことにより、エキサイティングな走りが可能になった。剛性強化とともに、衝突安全性が向上したことも見逃せない。パワーステアリングもダイレクト感を高めるため、特性を見直している。ちなみに、ステアリングはモモ製の本革巻きタイプだ。SRSエアパッグ付きの直径は368φ、オプションのエアバッグレス仕様のステアリングは350φの小径とした。走りに対するこだわりはハンパではない。
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タイプR(B16B98specR) |
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