2.8.1グランドシビック



グランドシビックの特長

型式:E‐EF1/2/3/4/5/9
通称:グランドシビック
発売時期:87年9月〜91年9月
「ヒューマン・フィッティング・テクノロジ」。これが、87年 9月に登場した「グランドシピック」の基本コンセプトとなって いる。これは人間の感性を軸にした、性能としての爽快感を重視 して、人間と技術を融合させて開発が進められたことを指してい る。そして、この「グランド」シリーズでの最大の特徴となって いるのは、全車にハイパー16バルブエンジンと、4輪ダプルウィ ッシュポーン・サスペンションを採用した点だろう。
ハイパー16バルブエンジンは、OHC3種類、DOHC1種類がラ インアップされているが、特にDOHOのZC型は圧縮比のアップ、 ピストンフリクションの低減などによって、130pm/6800rpm (ネット値)と、旧ワンダー用に比べで大幅なパワーアップが図 られている。(ワンダーの方が出力が多く見られるのはワンダーの 出力表示がグロス表示だからである)。また、4ドア・セダンの36i、RTi4WD、5ドア・ シヤトルの56i、RTi4WDに搭載される1600 OHC+PGM−FI のZC型は、DOHCに匹敵する120ps/6300rpmのパワーと、 シャープななレスポンスを実現している。
また、この「クランド」になって4輪に装者されだダブルウィ ッシュボーン式のサスペンションは、快適な乗り心地とスポーテ ィな走りの両立と、低ポンネット化に寄与している。なお、この 「グランド」時代の後期には”究極の自然吸気エンジン”とも言 える、VTECエンジン搭載車がデピューしている。

  • 代表グレードスペック
    車名:Si 
    全長:3965mm 全幅:1680mm 全高:1335mm
    ホイールベース:2500mm トレッド(前/後:1450mm/1455mm) 車両重量:900kg エンジン型式:ZC タイプ:水冷直列4気筒D0HC 総排気量:1590cc 圧縮比:9.5 燃料供給装置:PGM‐FI
    最高出カ:130ps/6800rpm 最大トルク:14.7kg-m/5700rpm ステアリング形式:ラック&ピニオン ブレーキ(前/後):ベンチレーテッドディスク/ディスク
    サスペンション(前、後):ダブルウィシュボーン
    価格:143万円(87年9月)





    室内写真


    グランドシビックレーシングシーン

    グループA N1レース
    E・C・R(ヨーロッパラリー選手権)


    各種グレード紹介

    空前のヒット作となったワンダーシ ビックの後を受けて登場したのが、4 代目の”グランドシビック”だ。87年 9月にフルモデルチェンジを行ない、 ひと回り大きく品質を高めてデピュー した。ポディバリエーションは、スポ ーツ性の高い3ドアをリーダーに、4 ドアセダンと5ドアのシャトルを設定 している。もちろん、兄弟車のCR− Xも同時デビューだ。 主力の3ドアは全長とホイールベー スを120mm延ばし、全幅を50mm拡大 した。ロー&ワイドのフラッシュ&ブ レンディフォルムをセールスポイント とし、テールゲートにこ三次元ガラスを 採用している。空力性能も優秀で、C D側0.33を達成した。4ドアセダン や5ドアのシャトルもしなやかな曲面 フォルムが特徴だ。 パワーユニットば4機種を揃え、6 タイプの仕様かある。すべて4バルヴ 方式とし、S−系以外はワンカム4バ ルブだ。フラッグシップはD0HCの ZC型1590ccで、キメ細かいチュ ーニングと改良によってネット130ps /6800rpm、14.7kg-m/ 5700rpmを達成した。 また、ZC型にはPGM−F1で武 装したSOHC仕様が新設され、こち ら120ps/14.5kg-mを発生す る。1.5gはデュアルキャブ仕様と シングルキャヴ仕様を揃えた。デュア ルキャブは5速MTが105ps/13.2 kg-m、4速ATが100ps/12.8 kg-mの性能。シングルギャプは 91ps/12.1kg-mとなっている。 ミッションは5速MTと電子制御4 速ATを設定した。Siやベ−シック な1.3gモデルにもイージードライ ブの4速ATを用意している。 サスペンションも一新された。アコード で好評の4輪ダブルウイッシュボ ーンをシビックにも採用したのだ。ブ レーキもZC型エンジン搭載車には4 輪ディスクをおこっている。4WDシ ステムはビスカスカップリング採用の フルタイム4WDを受け継いだ。 ただし、デビューから1年後の88年 8月に、左右トルクスプリット型ビィ カスカップリング式フルタイム4WD にALB(ABS)を組み合わせたイ ントラックを追加。悪路や滑りやすい 路面ての走破性能を大幅に高めた。ま た、FWDモデルにもALB装着車を 設定している。 そして89年9月にはマイナーチェン ジを実施した。最大のニュースは、イ ンテグラてセンセーションを巻さ起こ したDOHC・VTECエンジンがシ ビックに移植されたことだ。ホンダ独 自の可変ハルブタイミング・リフト機 構を内蔵したB16A型エンジンば、1 595ccで最高出力160ps/7600 rpm、最大トルク15.5kg-m/ 7000rpmを絞り出す。ミッショ ンは5速MTのみが用意された。 このDOHC・VTECエンジンは 新設定の3ドアSiRとSiR‐Uに 積まれている。サスペンションの最適 化や剛性アップなど対策を施し、タイ ヤは195/60R14を履く。ブレーキ 容量もアップされた。ピスカスLSD とALBはオプションだ。 また、カタログから落とされていた 4ドアSi(ZC型エンジン搭載)が 復活した。このSiにイントラックを 組み合わせたスポーツ4WDのRT− Siイントラックも登場する。マイナ ーチェンジを機に4WDのエンジンは 1.6gのみとなった。次世代へのス ナッブ的なマイナーチェンジだった。

    アルミホイールやストライプでF1イメージを反映。F1でホンダ旋風が吹き荒れた89年に登場

    レアなZC搭載セダン。グランドはVTEC搭載の4ドアはない。なお、おなじSiでも4ドアにはボンネットバルジがない。

    89年9月に衝撃のデビューを飾ったVTEC搭載モデル。なお、SiR−Uにはパワーウィンドウ等標準装備。

    初期モデルの最強グレードSiはボンネットのふくらみが勇ましかった。なお、装備の充実したSiエクストラもある。

    シャトルも同時にモデルチェンジ。3ドアより135mmもハイルーフ。1.6gモデルはルーフレールが標準装備。


    こちらは1.5gバージョンのシャトル



    商業用シャトル。2名乗車時には754gのビックな荷室が出来る。

    グランドよりセダンに4WDが設定される。セダンとホイールベースこそ同じだがルーフが高い。