YsⅡ Eternal ~Falclomの象徴?~

● Falcom漬け?

なんかこのところ更新してない上、ここ数回はFalcom作品がつづいている。
まぁ、私がやっているゲームが、このところFalcom製品が多いせいもある。
今回取り上げるのは前に取り上げたYsEternalの続編のYsⅡEternalである。
 

● ファースト・インプレッション

私がこの作品を最初に見たのはPC88SR版である。
当時としては非常にクオリティの高い作品で、絶大な支持をうけていた。
また、私自身もオープニングムービーのセンスの良さにやられてしまったクチだ。
ゲームシステムも前作のそれを継承し、さらに魔法を導入したことで面白そうに見えた。
要素を増やしているのにもかかわらず、非常に素直なシステムで理解しやすく、
本能に訴えるFalcomらしい作品と言うのが第一印象だった。
 

● 実際にプレーした記憶

しかしながら、この二作目に対し、一作目以上のできとは素直に思えなかった。
前作に比べ、ストーリーテラーな傾向が増しているため、素直に受け入れられないところがあった。
やはり無機質で地味な奴が好きらしい。
とは言えそのストーリーもそれなりに良くできていたので大幅減点の原因にはなっていない。
むしろ魔法の方が減点対象になった。

この魔法のせいで、前作にあった気持ちよさが損なわれた感がある。
ファイアーの魔法はLVが上がり貫通するようになり、さらにアイテムで誘導弾になると、
もう剣による接近戦を行う必要が無くなってしまう。
ボス戦に至ってはコレで戦うことを強制されているため、
実際に剣で戦うのは序盤、終盤のボス戦、緊急対処のみであった。

他の魔法はイベントで使用せざる得ないものや、全く使えないものばかり。
イベントに関係なく使用するとしたら、ファイアー以外はリターンくらいか?

難易度も大幅に優しくなり、「猿でもクリア可能」なものになっている為、
前作以上に緊張感が無い。

そんな訳で、「芸術点は大幅アップだが、ゲームとしてはちょっと」というのが当時持ってた感想だ。
 

● では、リメイク版

PC88SR版の話が続いたが、リメイク版の本作はどうだろうか。
結論から先に言うと

・ゲーム性が改善されている
・演出効果が派手になっている

の二点が大きい。

今回ゲームシステムで大幅に修正されたポイントは以下の部分だろう。

1)ザコの攻撃が体当たり以外にも存在
2)ファイアーのタメウチシステム&連射
3)シールド、タイムストップの効果変更

一つ目のザコの攻撃についてだが、オリジナルは体当たりのみだったのが、
今回から攻撃モーションをとり、半キャラずらしを破ってくる奴が居るとういうのがある。
また、火を吹いたり、弾を撃ってきたり、それなりにバリエーションに富んでいる。
肉弾戦をやる上では、オリジナルはもとより、前作よりもスリリングになっている。

これに二つ目のファイアーの効果の修正がある。
貫通や誘導がつくのはこれまでどおりだが、
タメウチによる威力の調整、連射だの、分裂弾だの、バリエーションが豊か。
しかも、ある程度乱射するとチャージされるまで撃てなくなるので、
ファイアーたよりっきりな戦闘はできない。

三つ目も魔法の効果の変更だが、この二つの魔法は「全く使えない」魔法だったのが改善されている。
シールドの魔法は入手できるのがラスボスの手前で、殆ど活躍の場が無い上、MPの消費が早く、使い道が皆無に近かった。
こんなもんよりマシと、ラスボスで愛用していたタイムストップだが、これも「敵の動きが遅くなる」程度で、
わざわざ使うまでもないモノだった。

が、シールドはMPコストが良くなり、ラスボスではもちろん、ザコ戦でもかなりに使えるようになった。
タイムストップは・・・・・・・・・

いや、好きですコレ。
使用すると画面がモノクロになり、敵の動きが完全に停止する。
で、一定時間後また通常に戻る。
停止中に敵をぶん殴るとダメージが普通どおりにいくが、HPが0になったときも消滅エフェクトはかからず、
時間が動き出してから一斉に消滅する。

コレがいい。
敵にわざと囲まれてからタイムストップ。
一気に敵を蹴散らし、立ち止まったところで時間が動き、周りで倒れ、爆発し、あるいはスプラッタする敵。
なんかとっても「DIO様」である。
おもむろに「…そして時は動き出す」とか呟きたくなる魔法だ。(をゐ)

まぁ、他にも前作であったダッシュ、斜め移動などの気持ち良さを増すものも取り入れられているし、
前作のレビューで不満たらたらだったダッシュの二度押しがトルグ式にに変わったりと、プレーしやすく気持ち良くなっている。

一方演出の方だが、攻撃時のエフェクトや、ボスの攻撃パターンの微妙な変化などがあり、なかなか見ていて楽しい。
また、所々で入る演出はストーリーを盛り上げるのに貢献している。
まぁ、個人的にはどうでもいいのだが、二度目のプレーではそういった要素が増えるようなので、やってみると良いだろう。
 

● でもさぁ

はい、そろそろお時間です。
奈落の底に叩き落しましょう。
やっぱり不満が一杯あります。

まずは動作の不安定さ。
私のマシンの問題かもしれないが、相変わらず動作が安定しない。
キーボードの暴走は、もはやFalcomの代名詞的な印象をもってしまった。
それ以外にもハングアップも何度か起きている。

また、演出部分をスキップできない為、「ストーリーは知ってるんだから戦闘やらせろ」な、血気盛んな馬鹿者の私にとっては鬱陶しい限り。
肝心のゲームもヌル目で、特にボス戦はヌルすぎる感が拭い去れない。
「もう少しきつくても良かったかな?」というのが正直なところ。(コレは私個人の感想だが)

他にもキーボードでの操作が微妙にやりづらい部分もあり、マウス併用じゃないと不便なところもあった。
つ~か、マウスオペレーションで
アクションゲームをやらせないでください!! (>_<)ノ
 

● それでも買え!

一つ告白がある。
それは私がコレを買った理由だ。
普段から、地味好き、過剰な演出は嫌いと言い切ってる私だが、本作を買った理由は
「店頭デモ」
だったりする。

しかも、オープニングムービーをみて買うことを決めた。
PC88SR版のオープニングでも「ええなぁ」とか思っていたのだが、
今回のリメイク版はさらにセンスが良くなっていて、思わず買ってしまった。
このオープニングを見たあと、FalcomClassicsⅡ収録のYsⅡのデモを見ると、
あまりの落差に涙が出ます。(爆)

ゲーム内での演出はもう十分知ってるし、後付けの設定や蛇足と思える演出はどうでもいい。

デモのために買え!!
 

● このソフトからの考察と評価

さて、そろそろしめよう。
Ysシリーズは、ドラゴンスレーヤーシリーズと並ぶFalcomの代名詞的作品と言える。
コレ以降の作品である、英雄伝説やブランディッシュといったものに、私はあまりよい印象をもっていない
私にとって、Falcomを見捨てる前の最後の作品と言えるかもしれない。
正直なところ、Ysのヒット後からは、どうもアニメチックなというかヲタクライクなというか、
一部属性を持ったユーザを対象にしているような感がある。

そして最近のFalcomや、他の国産ソフトハウスを見ても、「リメイク」や「続編」がやたらと多い。
オリジナリティのある作品を作るだけの
人材や力がなくなっているのではないだろうか?
とか思ってしまう。

また、FalcomのWindows用ソフトが何故か不安定で、
DiabloⅡのネットプレーで,通信状態の悪さ(ISDNですらない)や、クラッキングによる被害を含めたものと比べても、
格段にFalcomのソフトのスタン率が高い。

これはいかがなものかと思うのだが。

ゲームの内容は、オリジナルの良さをあまり潰さず、遊びやすくしたので評価できるが、
相変わらずシステムまわりのずさんさを感じてしまうのは大幅減点。

結論から言うと

総合評価:50点
オープニング:100点

となる。
オリジナルの作品だったら、システム周りの不安定さを差し引いても高得点だったろうけど、
リメイクじゃコレが精一杯。

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