BAROQUEそれは歪んだ妄想
戻る
<BAROQUE>

BAROQUE(バロック)は、STINGから発売されたリアルタイム3DRPGで、いわゆるRogue Like Gameである。
自動生成されるダンジョンに入り、目的を達成するといったもので、今となってはさして珍しくないものと言える。
Rogue Like Gameと言えば「トルネコの冒険」に代表される「不思議なダンジョン」とかが有名だろう。
が、このゲームはそれらの作品と少々違っている。今回はそこに注目して話を進めて行きたい。

<では、どこが違うのか?>

まずトルネコ、チョコボに代表される家庭用ゲーム機に出たRogue Like Gameを思い浮かべて欲しい。
なぜか「ほんわか」した雰囲気で全体的に可愛らしいキャラ、そこに殴り合い殺し合いをしているという意識はなく、
ただ他のゲームと同じように経験値のため、お宝のために倒してるだけという感覚のみ。
それがRogueか?えぇ?
RogueLikeGameがどのようなものか?それに関する個人的見解は別コーナーで述べているのでそちらを見て欲しい。
ただ、
普通のRPGと同じように、キャラを可愛くしたり
ほんわかした雰囲気を出したりってのは
Rogueにおいては禁じ手だと思うぞ!!

その点で言えばこのBAROQUEはある意味サバイバルな感覚と、不気味な緊張感を上手く表現しているといえる。
そして「ぶらっく」なユーモアセンスはいかにもな感じで良い。
RPGなどと大層な事言っているが、現在あるCRPGの殆どが、
「大量殺戮ゲーム」
である。そこに感動だの可愛らしさなど求めてどーする?そのために一体何人の人間と何匹の生物を殺めたんだい?
ほら、冷静に考えなよ。君のコントローラーを持つ手は、鮮血にまみれているじゃないか。
少しは「罪」の意識は感じないのかい?

<罪の意識がキーワード>

はい、よーやくこの単語が出せました。(笑)
BAROQUEの主人公は殆どすべての記憶を失っていて、残っているのは「罪の意識」しかも、それが何の罪か判らない。
いや~、なんてブラックな設定でしょう。で、背中に羽を背負ったちょっと奇麗系の顔の「上級天使」とかいう怪しい奴に、
「罪の償いだ」と言われて「神経塔」というこれまた怪しい塔の中に入っていく。
しかし何だね?塔なのにここ、地下に降りていくんだけど?
それはさて置き、ゲームを通して主人公とそこに存在する人々の「罪の意識」と主人公の記憶が重要な要素となっている。

<だけど不明瞭>

しかし、実際過去に何があったか?彼等は何をしたためそうなったか?
そういった疑問にはっきりした解答が用意されているのは少ない。
これは好感が持てると同時に敷居を高くしてしまっているような気がする。
また、ゲーム中の色々なところに不明瞭なモノが有り、プレーヤーを悩ませるだろう。
それがゲームにかかわってこないにしてもだ。
こういった不明瞭さが魅力だった時代もあった。Wizardryなんかはその極致だろう。
しかし、家庭用ゲーム機の市場では余り受け入れられるものではないような気がする。
私はこのゲームはイチオシだったが、世間の評価はそれほどでもなかったし。

<では肝心のゲーム内容>

さて、そういった設定や世界観などではなく、実際のゲーム部分はどうかというと、
う~ん惜しい!
である。
3Dの処理はなかなか滑らかで良い。3D酔いをした人間が出たほどだから、その滑らかさは保証付きである。
が、この3Dと言う表現、かなり距離感が掴みづらいのだ。
Rogue Like Gameらしい殺伐としたサバイバルを要求されるゲームでありながら戦術の組み立てが難しく結局力押しになってしまいがちである。
むしろ戦闘一つ一つの駆け引きよりも、最下層まで行くための計画を立てる事の方が重要だった。
また、難易度もRogue Like Gameを忠実に表現してしまい運に左右される要素が大きく、
それによっては浅い階層で行き詰まる事もあれば、逆にかなり楽になってしまう事もある。
このあたりのバランス感覚ははっきり言って悪いです!
操作感覚もマルコンを使えば随分変わりそうだが、それを使うまでもないような感じも受ける。

また、敵キャラその他もかなりグログロなんで好みが分かれるでしょう。と、言うよりこれが最も
ハードル高いかもしんない(笑)

<最後にちょっとだけ評価したい事>

最後ですが、凄く評価したい事が有ります。それは、
モニターのワイド/ノーマル切り替え機能です。
確かにワイドタイプのTVはかなり普及してきたでしょう。でも、すべての家庭、すべてのTVがワイドになった訳じゃないんです。
前回のD&Dも微妙にワイドサイズなので画面端にいかれてしまうとえらく苦労しました。
アクション性が高いゲームほどこのTVのサイズには気を遣わなくてはならないだろうに、最近のゲームは何でもワイドサイズ。
何か端っこ切れてもったいないぃぃぃぃ!
という感じを受けます。その点このゲームについてたこの機能。十分評価できるでしょう。

<採点となると>

今のままだと45点ですが、もう一度練り直せば大化けする可能性がある作品です。
その片鱗を感じられただけでも私はかなり満足です。
あ、世界観だけなら120点をあげられます。ほんとに。(^^)