平成9年 9月27日作成 (c) Yoshihiko Hara

 人から何か苦言を聞かされたとき、どんな風に受け止めるか?

 素直に聞き入れ前向きに態度を改めるか、反発してあえて無視するか。

 元来意地っ張りで偏屈な自分は、誰に何を言われようとも敢えて聞き流す人生を送って来たように思う。

 おかげで、人の言葉から学べる事を学ばず、気が付けば意固地で知っている情報内容の偏った人間になってしまった。

第弐号

 こんな性格だけに、ちょっと人の言うことを聞いていればやらないようなミスに散々はまり込んで来た。

 人に逆らってはまり込んだミスだけに、はまっても人にすがりつく訳にはいかない。では誰にすがるか?

 もう頼れるのは神仏くらいしかない。でも、そんな身勝手者を救ってくれるような、都合の良い神様や仏様はいらっしゃるものだろうか?

 いらっしゃるのだ、どんなに厚かましいお願いをしても聞き入れてくださる御地蔵様が。

 三島市の言成地蔵尊。何故この御地蔵様はどんな願いでもききいれてくださるのだろうか?願いを聞いてくださるのには、実はこんな訳がある。

 昔、幼い娘がうっかり大名行列の前を横切ってしまった。周りの者達が必死に助命嘆願をしたが殿様の怒りは解けず娘は手打ちにされてしまった。

 娘が許しを求めた言葉「なんでもいいなりになりますから堪忍してください」を哀れに思った人々が、娘の冥福を祈って地蔵堂を建てたところ、なんでも言うことを聞いてくださる御地蔵様となった。

 JR三島駅で伊豆箱根鉄道に乗り換え"三島二日町"下車徒歩約5分、下田街道沿いの小祠にお住まいの健気な御地蔵様は、自分と同じ悲しみを誰かが背負わないようにと、今日も懸命に願いを叶え続けているそうだ。

右脇に由来の説明板がある