やべえ、やべえ。
せっかく栞のために買ったプレゼント忘れるなんて。
ふぅ〜
やっぱ、栞の家からウチまで走ると、疲れる。
しかし、名雪に鍛えられていなかったら、もっと辛かったんだろうな〜。

玄関を開けると、見慣れない靴が一足そろえて置いてある。
香里はもう来てるみたいだな…。
ちょっと脅かしてやろうか。
俺は足を忍ばせて階段を上る。

名雪の部屋に前に立つと、中から何か物音が聞こえてくる。
何をやってるんだ?
俺はそっと名雪の部屋のドアを開ける。
そこに見えたのは…

あられもない姿で責められる名雪の姿と、名雪の体を貪るように責めている香里の姿だった。
俺がその想像だにしなかった光景に硬直していると、香里の視線がゆっくりとこちらに向く。
そして一瞬視線が交差するが、香里は視線を名雪の方に戻し、名雪への責めを再開する。

俺はドアを開けたときと同じようにそっと閉めて、自分の部屋へ栞へのプレゼントを取りに戻った。

  <VINCLUM III>

その光景は俺の感覚を非現実的なものにしていた。
栞の家に着き、栞と会ってもその感覚を消し去ることはできなかった。

目の前で楽しそうにしゃべっている栞は本当に栞なんだろうか。
ここは本当に栞の家なんだろうか。
そして俺は…

俺は思わず目の前でしゃべっている栞の手を握り締める。
「祐一さん…」
栞が上気した目で俺を見る。
栞は目をつむり、俺は栞にそっとキスをした。

そのまま俺は栞を抱きしめる。
そこまでして、俺の中にようやく現実感がよみがえってきた。

そんな俺に栞は声を掛けてくる。
「祐一さん…私の部屋に行きませんか」
栞は消え入りそうな声でそう言った。

俺は栞の手を取り、栞の部屋に向かった。

栞はベッドに腰掛けて、恥ずかしそうにうつむいている。
俺はそんな栞の唇にやさしくキスをする。
俺はキスをしたまま、栞の胸に手を当て、軽く胸を揉みしだく。

胸を揉みながら、口を栞に耳に持ってきて、みみたぶを軽くかむ。
「はんっ、ゆ、祐一さん…」
栞がくすぐったそうな声をあげる。
俺はその栞の声を聞きながら栞の耳を口でいじる。
栞の耳にキスをして、耳を舐める。
「はぁんっ、んんっ」
今度は口を舌に動かして、首筋に跡が残るくらい強いキスをする。
そこに確かなものを残すために。

そして、俺は栞の服に手をかける。
「栞…」
「はい」
そう言って栞は服を脱ぎ始める。
俺も服を脱ぎ、全裸になる。
俺が服を脱ぎ終わったとき、栞はシーツにくるまり、恥ずかしそうにしている。
俺は栞をシーツごと俺の下に組み敷く。
「あっ」

シーツの隙間から栞の白く細い太股が見える。
俺はシーツの隙間から手をいれて、栞の太股の感触を楽しむ。
「んんっ」

そうしているうちに、シーツのすそから栞の胸が見えてくる。
その栞の胸の先端を、俺は唇でかむ。
「あっんっ」
そのまま栞の胸の先端を口にすくみ、舌の上で転がす。
「んっ、んっ、んっ」
空いている手で、栞のもう一方の胸を撫で回す。

しばらく栞の胸に刺激を与えた後に、栞の太股を触っていた手を、栞の太股のより深い部分に動かす。
「ひゃんっ」
栞のそこはうっすらと湿っていた。
「ゆ、祐一さん…」
栞が心細げな声をあげる。
「大丈夫だよ、栞」
俺はそう言って、栞に微笑む。
栞も安心したように俺に微笑んでくれる。

俺は栞がくるまっているシーツをいったん剥ぎ取り、栞と一緒にくるまる。
「祐一さん」
栞が俺の名前を呼んで、俺の体を抱きしめる。
俺も栞の頭を抱きしめながら、栞の髪の毛を漉く。

しばらくそうしていたが、栞が俺の顔の方を見て、声を掛けてくる。
「祐一さん、ちょっとだけ、目をつむっていて、もらえませんか」
俺は、いいよ、と答え、目をつむる。
しばらく、そういしていると、俺の手が後ろ手にまわされる。

何をしてるんだろうと、思うと、今度は手首に何かが巻きつく。
なんだ、と思って、目を開けてしまうと、栞の姿は目の前になかった。
「おい、栞」
俺は後ろに気配のする栞を呼んだ瞬間に気付く。
俺の手が後ろ手に何かで拘束されていることに。
「おい、栞」
俺はそのままの体勢で栞の方を向く。

既視感。
そのときの栞の表情には見覚えがあった。
そう、さっきの名雪の部屋での栞の姉…香里の表情と同じだった。

「祐一さん…」
栞が今まで聞いたことがないような妖艶な声で俺に囁いてくる。
「たまには私がしてあげますね」

ふたたび俺を襲う非現実感。
頭がくらくらするようなその感覚の中を漂ったままでいると、今度は栞が俺を組み敷く。
そして栞は俺の乳首を舌を出して舐める。
その今まで感じたことがない感触に俺は総毛だつ。

栞はそんな俺を上目遣いで見ながら、更にもう片方の乳首をも舐める。
再び俺の体にさっきの感覚が走る。
「し、栞…」
「祐一さん、どうですか」
栞は無邪気な笑顔で聞いてくる。
その表情に俺の口から思わず言葉が漏れる。
「あぁ、いいよ、栞」
「そうですか」
そう栞は嬉しそうに言って、舌を俺の首筋に這わせる。
そしてそのまま俺の顔を舐める。
唇から、鼻から、瞼から、頬から、耳まで。
丁寧に何かを舐め捕ろうとしているかのように、俺の顔をぴちゃぴちゃと舐める。

そのくすぐったいが、扇情的な感覚に俺の息が荒くなってくる。
そんな俺を見て、栞は口を俺の顔から今度は下のほうに動かす。
ふたたび、首筋を舐められ、乳首を舐められ、どんどん下腹部に近づいていく。

「し、栞っ」
俺はそう叫ぶが、栞の口の動きは止まらない。いや、止めようとしない。
そして、栞の口がおれのものに到達する。
俺のものは直接的な刺激はなかったが、すでに十分な硬さを持っている。

そして、栞は俺のものの先端に軽くキスをした。
「んっ」
俺はその感覚に息をくぐもらせる。

栞は俺のほうを相変わらずの上目遣いで見ている。
そのときの俺の表情を見て、嬉しそうな表情を浮かべる。
そのまま俺のものを口に含む。
「んんっ」
俺のものが温かい口の粘膜に包まれ、俺のものは更に硬さを増す。
「はぁぁぁ」
栞はそのまま俺のものを舌でなでまわし、俺は耐えられず再び声を漏らす。

更に栞は口全体を使って、俺のものに刺激を加えてくる。
手を動かせないもどかしさから、腰が自然に動いてしまう。
「はぁ、はぁ、はぁ」
栞の口の動きも激しさを増してくる。
俺は徐々に限界へと近づいてくる。
「し、栞っ。もう、ダメだから、口を離せ」
栞は俺のほうをちらっと上目遣いで見たが、口を動かすのはやめない。
むしろ、更に喉の深い部分まで飲み込み、更に強い刺激が与えられる。
「し、しお、りっ、や、止めてくれっ、んっ、んっ」

俺の腰に走るものがあった。
そしてそれは俺のものを通して、栞の口へと放たれる。
栞の表情が変わる。
だがそれでも栞は俺のものから口を離さない。
そして、栞の喉が動き何かを嚥下している。
何かといっても俺のもの以外のものがあるわけでもない。

栞が俺のものを飲んでいる。
それを認識したとたん、更に俺のものから栞の口に吐き出される。
栞はそれをも、苦しそうな表情ながらも飲み干していく。

俺はその快感に打ち震え、体をベッドに投げ出す。
栞はベッドに座り、俺のを口に含んで俺のを味わうかのように口を動かしている。

「し、栞…」
俺は栞のこれまでの行動がいまだ信じられず、栞に問い掛けた。
「なあ、栞…、なんでこんな…」
その問いを聞いた栞の表情はまたもや、さきほど見せられた表情と同じものだった。
「それはもちろん祐一さんに気持ち良くなってほしかったからですよ」
俺はそのとき何かを感じた。
「なあ、栞。香里と何かあったのか?」

俺の言葉を聞いた瞬間、栞の表情に揺らぎが見えた。
だが栞の答えは、そのこととは裏腹なものだった。
「いいえ、ないですよ。お姉ちゃんは優しいんですから」
だが、そのときの表情はあきらかにあの表情だった。
「いいじゃないですか、祐一さん」
そう言って栞は俺にキスをしてくる。
そのキスは生臭いものだったが、元々自分のものなので文句は言えない。

「さあ、祐一さん」
その言葉とともに、栞は先ほどまでの余韻の残る俺のものに手を添える。
そして、俺のものを慈しむように手でさすってくる。

その感触に俺のものは早くも硬さを取り戻す。
「祐一さん、若いっていいですね」
「な、何を言ってるんだ、栞」
「もちろん冗談ですよ、祐一さん」
「そうゆう冗談は美汐のようなおばさんくさい…」

そこまで言ったところで、栞は俺のものを結構、強く握り締めた。
「い、痛いって、し、栞〜」
「こんなときに他のひとの名前を出さないでください」
「って、美汐は友達だろ」
「それはそれ、これはこれです」
「わ、分かったから離してくれ〜」
「分かったならいいんです」
栞は手に込めた力を弱めてくれる。
「ふぅ〜」
俺はため息を吐く。

それを見た栞はくすりと笑い、
「ごめんなさい、祐一さん…」
と、言って、俺のものにキスをする。
そのまま俺のものを舌でなぞるように、刺激を与えてくる。
今回は手も使い、俺のものを通して、俺の快感を引き出そうとする。

そんな栞に声を掛ける。
「なあ、栞」
「何ですか?」
「俺、栞も気持ちよくしてやりたい」
「祐一さん…」
「栞と一緒に気持ちよくなりたいんだ。俺ばっかりだと不公平じゃないか」
「祐一さん…、ありがとうございます」
「で、これ、外してくれないか」
俺はそういって、俺の両手を縛っているものを栞に見せる」
「外してほしいんですか?」
「ああ、ほしいな」
「本当にですか?」
「ああ、本当にだ」
「残念です…」

その言葉とともに栞は俺の両手の戒めを外してくれる。
俺の両手を縛っていたのは何のことはないタオルだった。
「ふぅ〜」
俺は両手が自由になると、手首をさする。
「痛かったですか?」
栞が聞いてくる。聞くくらいだったら最初からやらないでくれ、とは思ったが、もちろんそんなことはおくびにもださす、大丈夫だよ、と返事をする。

「そうですか〜」
栞は安心したような声をだす。
その隙を見て俺は栞をベッドに押し倒す。
「あっ」
更に栞のあそこに手を伸ばす。
そこは俺のものに口に含んでいただけだったのに、潤いに満ちていた。
「栞はえっちだなぁ」
「祐一さん…」
俺の言ったことを聞いて、消え入りそうな声で恥じらう。

そのさきほどまでのギャップを感じるが俺は構わず、栞のあそこに俺のものを近づける。
「栞…、いくぞ」
「はい…」
俺は栞のなかに俺のものを突き進める。
「んっんっ」
栞は苦しいのか、くぐもった声をあげる。
「大丈夫か、栞?苦しいか?」
「いえ、苦しくはないです。ただ…」
「ただ?」
「き、気持ち……、何でもないです」
「そうか」
俺は栞の状態を確認して、栞の更に奥まで進める。

「あんっ」
俺のものの先端が何かに突き当たる。

「んんっ」
「栞…」
「祐一さんで私のおなか…一杯です」
俺と栞は唇を合わせて、お互いの舌を絡み合わせる。
「んんっ、んっ、んっ」
そうしながら俺は腰を動かし始める。
「んんっ、むぅっ、んんんっ」

栞は結合部でより深く繋がれるように、俺を抱きしめてくる。
俺も腰を動かしながら、栞を抱き上げる。
「んんんんっ」
俺が腰を突き上げると、栞もそれに合わせて、腰を動かしてくれる。
そして、二人とも腰を動かしながらも、お互いの唇を貪る。

「んっ、んっ、ゆ、祐一さん…」
栞が突然唇を離す。
「栞…?」
栞は何も答えずに、俺を抱きしめていた手を離す。
そして、今度は俺がベッドに組み敷かれる。

「お、おい」
俺がそういう間もなく、栞は俺の上で自分で腰を動かし始める。

「んっ、んっ、んっ」
「し、栞…」
俺は栞の積極性に戸惑いを覚えるが、栞だけに任せるわけにもいかず、栞を突き上げるように腰を使う。
「あっ、んっ、はんっ、あぁ」
俺は手持ちぶさたになった両手で栞の胸をもみ始める。
「あんっ、祐一さん、んっ」

徐々に二人の動きに激しさが増してくる。
「ん、栞」
「祐一さん、はぁんっ、あぁぁ、んんっ」
俺は手で栞をの手を栞自身の胸に誘導する。
「祐一さん、恥ずかしいです」
「いいから…」
そして、栞の手を動かし、栞自身の胸をもませる。
「はんっ、ああぁんっ、はぁ、ふぁぁぁ、んっ」
そしてそっと手を離すが、栞はすでに自分の手でだけで胸をもんでいる。

「はぁぁぁ、んっ、んんっ」
俺は栞のあそこの豆を指で強くこする。
「あんんんんんんんんっっっっっ」
栞が大きな嬌声をあげる。

俺は更に栞の豆への刺激を続ける。
「あぁぁ、ふぁぁぁ、んんっ、んんん〜」
その度に栞の俺への締め付けが強くなる。
「ふぁぁぁ、祐一さん、ふぁぁぁ、わたし…」
「し、おり…、俺ももう」
「あぁぁ、祐一さん」
栞の腰の動きが速くなるのに合わせて、俺も腰の動きを速くする。

「ふぁぁぁ、んんんんっっ、あぁぁぁ」
「栞、栞、栞」
「あ、あ、あぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ」
栞がイった瞬間、俺への締め付けも最高潮に達する。
俺も栞の中に白濁液を流し込む。
「ふぁぁぁぁぁぁぁぁ」
栞はその感覚にか恍惚の表情を浮かべる。

俺のすべてが栞の中に注ぎ込まれるような射精だった。
栞はすでにベッドに倒れ込み、寝息を立てている。

その寝顔はあどけなく、途中何度も見せたあの表情を連想することは不可能だった。
そして俺の頭の中はときおり栞の見せたあの表情のことで占められていた。


初出 2000/10/19

 あれ〜、おかしいな〜。祐一×栞だったはずが、栞×祐一みたいに…。全て、栞が祐一の手首を縛ったところで狂いました。第一、この話は予定になかったんですが。突然増えてしまいました。

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