え、話を聞いていただけるんですか? OKですか、良かったです。  あ、はじめまして私、人呼んで「図書館の小悪魔」、小悪魔と読んでいただければ十分ですので。気になります? いや、話を聞いていただきたいのは私のマスターのことなので、私のことはどうでもいいじゃないですか。  マスターって誰ですか、って? 勿論、知識の海に溺れる魔女、パチュリー様について聞いていただきたいのです。  パチュリー様って何者? ですか。それは今回のお話には大した問題ではないのです。ただ魔法使い、いや「魔女」であるということだけ頭に入れておいていただければ、私の話を聞いていただくのに差し支えはないと思いますので。  そう、パチュリー様は魔女です。世の中には魔女に純粋性を求められる方もいらっしゃいますかもしれません。ですが魔女は魔女。私が小悪魔であることを止められないようにパチュリー様も魔女であることを止められないのです。もしパチュリー様の全てを許容できない方でしたら、私のお話はここまでと致したいと思います。ぜひこのまま「戻られる」ようお願い致します。  パチュリー様の全てを受け入れられる方にはお話しましょう。魔女パチュリー様の何でもない一日を。  そう、それは昨日のことです、パチュリー様のところに、他の魔法使いである霧雨魔理沙さんがいらっしゃった時の事でした……   * * * * * * * * * * * * * 「何、また来たの?」 「おう、パチュリーのために来てやったぜ」 「呼んでないわよ」 「そんな照れなくていいのにな。よ、小悪魔、外は乾燥していて、このままだと病原体を撒き散らしてしまいそうなので、お茶なんかで喉を湿らせたほうがパチュリーのためになるんだが」  無茶な理論で少しだけ横柄な事を言うのは、いつも通りの魔理沙さんでした。私は魔理沙さんから帽子を受け取り、帽子掛けに掛けに行きました。魔理沙さんの台詞に、パチュリー様は水符で十分よ、とおっしゃっていましたが、いつものことですので私は二人分とおまけで自分の分のお茶とお茶菓子を用意しました。  私がお茶を持っていくまでは二人で何だかんだと話をしておられましたが、私が入れたお茶で喉を湿らせた後は言葉数も少なくなり、二人で隣の席で本を読み耽り始めました。  私は温くなった紅茶を共に、少し離れた席で書籍の整理のために最近、手に入った本のリストを作る作業を行いながら、二人の様子を伺っていました。  二人の間に会話はあまりありません。会話がある場合でも魔理沙さんが読んでいる本の事で時々思いついたようにパチュリー様に話を振りますが、パチュリー様はそれに答えることはしますが、自分から魔理沙さんに話を振ることはありません。  まあ、離れて見ていると、たまにパチュリー様が本の隙間から魔理沙さんの表情を盗み見ているのは分かりやすかったんですが、魔理沙さんはそれには気付いていないようでした。それはそれで魔理沙さんらしいんですが。  魔理沙さんはいつも通り、いや少しいつもとは違いました。魔理沙さんはここ、この図書館で本を読むときだけは眼鏡を掛けるんですよね。家でも掛けるかもしれませんが、表で眼鏡を掛けているのは見たことがないですね。  ここの図書館の本の中身は雑多ですので、米粒ほどの文字の本や微細な図表入りの本がありまし、照明が効いているとは言い難い環境ですのでそのせいもあるんでしょうね。パチュリー様も本によっては眼鏡を掛けられるんですよ。昨日も掛けていらっしゃいましたね。なので昨日は二人とも眼鏡だったんですよ。  魔理沙さんが机に読み終えた本を四冊重ねたときでしたね。魔理沙さんは一旦眼鏡を外して指で目の辺りをマッサージしたんですよ。昨日パチュリー様から話を振ったのはその時だけでしたね。 「あら本の蟲にもうやられたの?」 「いや、これからが本番だぜ、ただ目が疲れたのか、ちょっとな」  そう言いつつ、魔理沙さんは少しあくびをしました。 「まったくこの程度で眠くなるようじゃ、魔法使いとは言えないわね」 「はは、手厳しいな。でもおかしいな、昨日はたっぷり寝たはずなんだが……。でも、パチュリーの言う通りだな。この程度じゃまだまだだ、さあ、次の本は……」 「さっきの本の参考文献の末尾に載っていた本ならあっちの棚よ」 「お、ちょうどその本を読もうと思ってたんだ。さすがパチュリー、良く分かったな」 「貴女の行動が分かりやすいのよ。ねえ、小悪魔、魔理沙を手伝ってあげて」  パチュリー様に命じられて魔理沙さんに件の本の場所を案内しました。ついでに関連する本も何冊か紹介しました。その間も魔理沙さんは眠そうに目を瞬かせていました。  私にお礼を言って本を読み始めた魔理沙さんでしたが、二十頁も読み終えない辺りで船を漕ぎ始めました。  パチュリー様はそんな魔理沙の肩を何度か叩かれて、その度に魔理沙さんは少し身体をすくませて目を覚ましていました。ですが、三度目には机に突っ伏して自分の腕を枕にして寝息を立て始めていました。  パチュリー様は半刻ほどそのまま本を読んでおられましたが、一冊読み終えたところで私を目でお呼びになりました。私はパチュリー様の元に辿り着いた時にはパチュリー様は魔理沙を探るような視線で見ていらっしゃいました。 「もう完全に眠ったかしら?」 「どうでしょう、少し試して見ましょう」  私は強めに魔理沙さんの肩を揺すりました。どんなに深い眠りについている人でも目を覚ます程度に、五回程揺すりましたが目を覚ます気配は一向にありませんでした。ちゃんと効いてくれていたようです。  パチュリー様も確認するように最初は恐々と、途中からは力をこめて魔理沙さんの肩を揺らしました。そして自分でも確認できたのか、満足げに私をお褒めくださったのです。 「よくやったわ、小悪魔。このタイミングの効き目でこの眠りの深さなら、魔理沙は目を覚ました後でも不自然に思わないわね」 「ええ、あの薬は少なすぎると全く効かないそうですし、多すぎると眠りは深くなりますが早く効きすぎると伺っていましたので。何度も分量を計算しなおして、咲夜さんで試した成果がありましたね」  咲夜さん、このお屋敷でメイド長をしている方なんですが、別に咲夜さんに盛ったわけではないですよ。ただこの館の主人が夜行性ですので、人間の咲夜さんは毎日不規則な睡眠時間になって疲れているそうでしたので、より深い眠りに就けるように薬を分けて差し上げただけですよ。  実験台にしたと言われればその通りですが、基本的に無害な薬だそうですし、本人のためにもなっていますから問題ないですよ。他にも人間がこのお屋敷にいればよかったんですが、残念ながら全うな人間と言っていいのか分からないけど、咲夜さんしか試せる対象はいなかったんですよ。  何度か試して、咲夜さんと魔理沙さんの体重差を考慮したりして、その結果がこれです。パチュリー様に見下ろされながら寝息を立てる魔理沙さんの姿です。  私達は魔理沙さんの左側に立って魔理沙さんの寝顔を見ていました。眼鏡を掛けたまま、腕を枕に顔を左向きにしている魔理沙さんの寝顔は、いつもの威勢のよさは欠片も見られず、年相応としか言いようのない顔をしていました。  そんな魔理沙さんの寝顔を、パチュリー様は顔を赤らめながら見て、いや凝視していらっしゃいました。その頃にはパチュリー様の息が僅かに荒くなっていました。 「魔理沙……」  パチュリー様は魔理沙さんに近づくと魔理沙さんの頬に舌を這わせました。 「魔理沙の味……」  恍惚とした表情を浮かべながら呟くパチュリー様と、パチュリー様の唾液で頬を光らせながら無邪気な表情で寝息を立て続ける魔理沙さん、このコントラストこそ魔女の宴に相応しいものでした。 「さぁ、小悪魔、準備しなさい」 「はいっ」  パチュリー様は魔理沙さんを見つめたまま私にお命じになられました。このためにわざわざ薬を盛りまでしたのです、私も躊躇わずパチュリー様の元に駆け寄りました。その時私は椅子に足をぶつけて、大きい音を出しましたが、魔理沙さんは目を覚ます気配もありませんでした。  私は恐る恐るパチュリー様の身体に後ろから抱きつかせていただきました。パチュリー様の身体って見た目はそうでもないんですけれど、実際抱きついてみるととても柔らかいんですよ。思わず押し倒したくなる衝動に駆られましたが、その時にそれをしていたらおそらく烈火の如くお怒りになられたでしょうから自制しました。アグニシャインコワイ。  甘い吐息を漏らすパチュリー様に耐え、て私はパチュリー様の服の中に手を伸ばしました。ええ、服の裾からです。パチュリー様の太腿に指が触れた時はその艶やかな肌に思わず身震いがしましたね。  そしてパチュリー様の秘部に指を近づけた時、既に湿った熱気が空気越しに私の指に伝わってきました。さすがの私もその時は一瞬そのままパチュリー様をお慰めになりたい衝動に駆られましたね。でもアグニシャインコワイ。  それはともかく本来の目的を達成するには女陰に直接手を触れてはいけないのです。でないと陰陽を反転させる前に陰気に支配されてしまいますからね。  陰陽反転……そうです、パチュリー様に陽根、つまり男根を準備してさしあげたのですよ。  完全な反転を行ったらパチュリー様が男性になってしまいますので、クリトリスのみの処置でしたけどね。  それで発生した男根は私の両手に収まらない大きさでした。私の手の中に突如パチュリー様の男根が発生して、私がそれを握る形になったときは、私のオンナも思わず反応してしまいました。それでもその時の主役は私ではなく魔理沙さんです。一瞬でも長くそのパチュリー様の脈打つ感覚を味わいたかったのですが、パチュリー様の事を考えると魔理沙さんの元に少しでも早く行きたかったでしょうから、私はすぐに手を離しました。  ですがパチュリー様はすぐには魔理沙さんの元にはいきませんでした。  しばらく魔理沙さんの顔を見つめていて、一言呟いた後に服を脱ぎ始めました。  なんと言ったのかは私にも聞こえませんでしたが。  服を脱がれたパチュリー様はゆっくりと魔理沙さんに近づいていきました。パチュリー様の男根はパチュリー様が歩いている間も天井を差してそそり立っていて、僅かに滑稽で十分に卑猥な光景でした。  パチュリー様はそのまま、魔理沙さんの傍に立ちました。パチュリー様は長身ではありませんが、それに合わせて椅子や机もさほど高くないものを揃えてありました。このために揃えた訳ではないですけれど、ちょうど魔理沙さんの顔の前にパチュリー様の男根を突きつける形になったのです。 「魔理沙……」  パチュリー様はゆっくりとご自身の手で男根を擦り始めました。パチュリー様は息を荒くしながら、魔理沙さんの名前をうわ言のように呼び続けていました。  そして魔理沙さんの名前を呼ぶ毎に男根を擦るのです。 「んっっ」  魔理沙さんは少し大きい寝息を立てました。目を覚ましたわけではありませんでしたが、身体が環境の変化を感じ取ったのでしょうか。  そしてその吐息はパチュリー様にも変化をもたらしました。 「あはっ、魔理沙の息が私のおちんちんに掛かってる。いいわ、魔理沙もっと……」  そう言ってパチュリー様は擦るのをやめて魔理沙さんの鼻に男根を押し付けたのです。 「いいわっ、魔理沙の息、気持ちいい、魔理沙の息で私のおちんちん撫でられてるわ」  パチュリー様は魔理沙さんの息を堪能し始めました。そして刺激が足りなくなってくると魔理沙さんの鼻や口に男根を押し付けて、男根の先端で魔理沙さんを味わっていました。  しばらくそんなことをしていたのですが、吐息と軽く押し当てるだけの刺激に飽きてきたらしく、また男根を擦り始めていました。 「ほら、魔理沙、私、魔理沙を見てこんなになってるのよ。愛しい魔理沙、可愛い魔理沙、ほら、私の見て、こんなに魔理沙の事を……」  魔理沙さんは目を開けませんが、そんなことにお構いなくパチュリー様は魔理沙さんに見せ付けるように、男根を時にはゆっくりと、時には早く擦りながら腰を動かしていました。  そんなパチュリー様の痴態を見て私も我慢できるはずがありませんでした。ただし邪魔することは許されていませんでしたので、私にできるのは少し離れた場所で自らを慰めることでした。  私がスカートの中に手を入れて、下着越しに秘裂に指を這わせようとすると、既にそこは蜜が滴るようにたまっていて自分でも驚いてしまいました。パチュリー様の痴態に見入っているばかりに、自分がそんな状態になっていることには実際に触るそのときまで気付いていなかったのです。  私は下着越しに秘裂に指を走らせました。自分の指ではない、布越しの刺激がもどかしいような、それでも異物感で私を高めてくれました。  私はパチュリー様の手の動きに合わせように自分の指を動かしました。その時はパチュリー様が魔理沙さんの名前を呼ぶ度に、マリサという言葉がコアクマと言っているように聞こえ始めていました。  今思い返せば私の名前は一回も呼ばれていないことははっきり思い出せるのですが、その時は名前を呼ばれていると確信していて、魔理沙さんの名前が呼ばれるたびに、パチュリー様に迫られてあそこを弄られている感覚に身を震わせていました。  私が自慰に耽っている間に、パチュリー様の男根は先走り液にまみれるようになっていて、パチュリー様が擦るたびに水滴が垂れ、それが魔理沙さんの顔や服に飛んでいました。服に飛んだ先走り液が魔理沙さんの服を水玉模様にしていました。 「魔理沙で私、こんなになってうのよ。ほら魔理沙が気持ちよくしてくれるんだから。魔理沙、気持ちいいわよ、魔理沙、魔理沙……」  魔理沙さんの服が汚れるのも構わず、パチュリー様は男根をしごき続けました。たまに魔理沙さんの顔に男根を押し付けると魔理沙さんの顔にはパチュリー様の男根が通った跡が先走り液として残りました。  そしてパチュリー様が魔理沙の額に押し付けて、魔理沙さんの髪にパチュリー様の男根が触れたときでした。  古来、髪には力が宿るものです。まじないであろうと呪詛であろうと髪を使う例には事欠きません。そしてパチュリー様は魔理沙さんの髪を魔理沙さんの重要な要素として見出していたのです。 「魔理沙の髪、綺麗よ……」  そんなことを言いながらパチュリー様は魔理沙の三つ編みを一房手に取りました。 「魔理沙……」  パチュリー様は男根を魔理沙の三つ編みと一緒に握りこむとゆっくりと手を動かし始めたのです。 「魔理沙の髪、気持ちいいわ。三つ編みがごつごつしてて、やっ、魔理沙の髪、気持ちいいわ。私と違って手入れを欠かしていないんでしょうね。おかげで私のおちんちんによく馴染むわ……」  私に言わせてもらえば、手入れを欠かしまくっているパチュリー様の髪はあんなに綺麗なのかが不思議でたまりません。不摂生、不精、それであの流れるような髪です。溜息が出てしまいました。まぁ、その時はそんなことを思う余裕はなかったんですが。  パチュリー様は魔理沙さんの髪で男根を擦りながら、もう片方の手では魔理沙さんの髪を慈母の様に梳いていました。どちらもパチュリー様というのは分かっていましたが、その違いにパチュリー様の魔理沙への想いを感じ取りました。 「魔理沙の髪、私の先走り液でぐしょぐしょよ。ねぇ、魔理沙の髪、塗れても綺麗だし、気持ちいいわよ」  魔理沙さんの髪はパチュリー様に汚されるように、先走り液を吸い込んでいきました。そして段々とパチュリー様の手の動きが早くなっていました。 「はぁ、魔理沙、いいわ、魔理沙、気持ちいいわ……」  パチュリー様の声が段々と純粋な快楽に占められてきているのが私にも伝わってきていました。  私も合わせるように、下着越しではなく直接指で性器への刺激を始めていて、パチュリー様にされている妄想に耽っておりました。 「はぁ、魔理沙、魔理沙……、魔理沙の髪でいってしまっていいかしら……」  パチュリー様は問いかけるように呟きますが、当然返事はありません。パチュリー様は魔理沙の顔を見下ろしながら、男根をしごき続けていました。  ですがパチュリーは夢から醒めたように突然その動きを止めてしまいました。  私は唾を飲み込みました。それでもパチュリー様は身動き一つとりません。  私はその時、最悪の可能性に気付きました。魔理沙さんの覚醒です。私はもう一回唾を飲み込んで魔理沙さんの顔を見ました。  ですが、魔理沙さんの顔は安眠している人のそれ、そのままでした。私は思わず安堵の長い息を吐いてしまいました。確かにここで魔理沙さんが目を覚ましていたら、楽しい楽しい修羅場だったでしょう。他人事ならですが。この状況では私も当事者の一人、何かしらないわけがありませんでした。  私が安堵の想いに浸っている間にも、やはりパチュリー様は身じろぎ一つしませんでした。  その時間は私には余りにも長く感じられました。先ほどまで狂騒的に魔理沙さんを堪能することに耽っていられたパチュリー様が、まるで咲夜さんがパチュリー様の時間のみを止めた様にその動きを止めてしまっていたのです。  私がパチュリー様に声を掛けようと、逡巡した後に口を開いた瞬間でした。幽かに私の耳にパチュリー様の声が聞こえてきたのです。 「どうして……」 「……かしら」 「私は……」 「……気付かなかったのかしら」 「どうして気付かなかったのかしら」 「ねぇ、小悪魔、どうして私は気付かなかったのかしら」  突如私のほうを振り向いたパチュリー様は私に話しかけているようでした。実際視線は私の方を向いていました。それでもその瞳には私の姿は映っていませんでした。そこに映っているのは確実に霧雨魔理沙さんでした。  その問いかけは私が答える様な性質のものではありませんでしたが、一応相槌だけはうつことにしたのです。 「パチュリー様、いったい何に気付かれたのですか?」 「決まってるじゃない、小悪魔。そうよ、魔理沙の髪なんかで自慰に耽る必要はなかったのよ。そうでしょう。だって魔理沙がいるんだもの」 「はぁ」  その時パチュリー様が何を思われていたのか、私には図りかねていました。  私がそれ以上の返答をできずにいると、パチュリー様は私から完全に興味をなくしたのか、再び魔理沙さんの方に向き直りました。 「そうよ、魔理沙、してちょうだいね」  そう言ってパチュリー様は魔理沙さんの顔に手を近づけました。  まさか魔理沙さんの口でも広げて、擬似イラマチオでもするのかとその瞬間は思いましたが、結局パチュリー様の手は魔理沙さんの唇に触れることはありませんでした。  そしてパチュリー様はそのままゆっくりと魔理沙さんの枕となっている手首に触れました。そしてまるでその手が壊れ物であるかのようにゆっくりと魔理沙さんの頭の下から抜き出したのです。 「そういうことですか。だから魔理沙さんに『してもらう』なんですね」  私が思わずそう零すと、パチュリー様は非常に魔女らしい、私のマスターとして相応しい笑みを浮かべて私を見てくださいました。  パチュリー様の両手が優しく優しく魔理沙さんの左手を握り込みました。そしてゆっくりと魔理沙さんの手を操り、自らの男根に被せたのです。 「ふふふ、魔理沙、そんなに私のおちんちんを弄りたいのね。いいわ、許可してあげる」  パチュリー様がそうお許しになると、魔理沙さんの手がゆっくりとパチュリー様の男根を擦り始めました。 「いいわ、魔理沙、魔理沙の手、暖かくていいわ。魔理沙の指も、んっ、私のおちんちんにちょうどいいわ。んっ、はっ、そんなに強く握らないで」  きっとパチュリー様には自分の手は見えなくなっていたのでしょう。パチュリー様から見れば今は魔理沙さんの手が自分の男根を擦っている、そう映っているです。パチュリー様のことですから、もしかしたら本当に自分に幻術を使ったのかもしれません。もしくは理性は感覚を超越する、を実践して、視覚から余計な情報、自らの手の情報を遮断したのかもしれません。  そうとしか思えないほど、パチュリー様の言葉は明瞭に魔理沙さん本人によってされていると認識しているものでした。 「んっ、そうよ、魔理沙、初めてにしては上手じゃないの。私の気持ちいいところが全部分かってるみたいね。んっ、あっ、そうよ、そこ、そこされると私、弱いのよ」  パチュリー様は自らも腰を動かしながら、自らの陽根に魔理沙さんの手を擦り付けていました。魔理沙さんが何かをしたと、パチュリー様の口から出るたびに、パチュリー様の腰の動き、手の動きが変わって、まるで本当に魔理沙さんが手を動かしている様な錯覚を私も覚えそうになってきました。 「はっ、ま、魔理沙、や、そこ、おちんちんの穴に指入れないで、やっ、そこは敏感すぎるから駄目なの。先走り止らなくなっちゃう、やぁ。んっ、だからって、そんなにおちんちん擦るのもだめよ。やっ、そんな牝牛のおっぱい搾るみたいにしないで。そんなにされたら我慢できなくなる……。あ、そこで弱くするなんて、魔理沙酷いわ。んっ、はぁっ、いいわ、魔理沙、いい、いいわ、そう、そこを握って、んっ、そこ触られると切なくなっちゃう。魔理沙、私おちんちん切なくなっちゃうの」  パチュリー様のこんなに大きい声は久々に聞きました。しかもこんな淫らな声を。  パチュリー様の声が私の鼓膜を震わせるたびに私の身体も淫猥な痺れに襲われました。私とパチュリー様は感覚共有の契約をしていないのにも関わらず、パチュリー様の言霊が私にはないはずの男根への快楽として伝わってきていました。 「いい、いいのっ、魔理沙、貴女の手、私にぴったりよ。だからもっとして、私のおちんちん弄って、擦って、握って、は、はぁ、魔理沙、魔理沙の手、気持ちいい。しごいて、私のおちんちんからミルク出るまでしぼって。はぁ、魔理沙のために出してあげるわ、私のおちんちんからミルク出してあげる。はぁっ、魔理沙もミルク欲しいね、やっ、しごくの強くなってる。そんなに私のミルク欲しいなんて、魔理沙、貴女……いいわ、最高よ」  パチュリー様は腰をがくがくと震わせながら、魔理沙さんの細い手から与えられる情欲に耐えていました。パチュリー様の涙も涎も汗も、床に、机に、魔理沙さんの身体に水滴として飛び跳ねていました。パチュリー様に残されていた女性器からは止まることなく愛液が零れ、床に小さい池を作り始めていました。  それは私の足元も一緒でした。私は触ってもいないのに、太腿を擦り合わせるだけで、身体を震わせてしまいました。まるで魔理沙さんの空いている右手が私を愛撫している、そんな妄執が私に襲いかかって来ました。  そして私はそれに抵抗せずに体を委ねました。実際に魔理沙さんの空いている手を使ったら、パチュリー様のお怒りを受けていたかもしれません。しかし私の心の中まではパチュリー様も拘束しようとはしません。私はゆっくりと既に泉の様になっている秘壺に指を差し込み、大きく動かし始めました。  そしてパチュリー様と同じように、違うのは声に出せないだけですが、心の中で魔理沙さんの名前を呼びながら、身を焦がすような快感に溺れていきました。 「んっ、魔理沙、魔理沙、そんなに強くしないで。私のおちんちん限界なの。それ以上されたらミルクでちゃうのっ、おちんちんからミルクでちゃうのっ」  パチュリー様の切羽詰った声が私を追い立てていきました。魔理沙さんが耳元で、一緒にいくんだ、と囁いているような気がしてきて、私もパチュリー様と同様、手の動きが勝手に激しくなりました。 「あっ、ま、魔理沙、もう駄目、もう我慢できないわ。ねぇ、魔理沙に出してあげる。私のミルク出してあげるわ。ねぇ、だからもっと強くして。魔理沙の手気持ちいいからもっと強くして。あぁ、いい、そうよ、魔理沙、私いっちゃう、いっちゃうわ」  パチュリー様の声が図書館に響き渡りました。 「あぁ、はぁ、魔理沙、魔理沙の顔に掛かっちゃうわ、いいのね。眼鏡掛けたまま、顔に掛けちゃうわよ。んっ、魔理沙の手がいけないんだから、魔理沙、自分の顔に出させるなんて、はぁ、出すわよ。魔理沙の手、気持ちよすぎておちんちんから出ちゃうのっ。もう我慢できないの。んっ、もう、魔理沙我慢させないで。我慢できない、我慢したら死んじゃう、ミルク出せないと死んじゃうの。だから魔理沙の顔におちんちんミルク、出しちゃう、あ、あぁ、出しちゃうっっ。あ、出る、出る、魔理沙の顔に出ちゃう、あ、あぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ」  パチュリー様が脱力するように、それでも手は動かしながら、言葉になっていない声と共に絶頂に達しました。  パチュリー様の男根から一直線に魔理沙さんの顔に白濁液が降りかかりました。掛けたままの眼鏡にも、髪にも、僅かに開いた口にも鼻にもパチュリー様の白濁液が降りかかりました。おそらく人間では考えられないような量の白濁液が魔理沙さんを染め上げていきました。  その淫靡な光景を見つめながら、私も自分がその熱い迸りを受け止めているような錯覚と共に果ててしまいました。  まるで糸の切れた操り人形の様にパチュリー様の身体が崩れ落ちました。まだ痺れの残る身体を引きずってパチュリー様も元に駆けつけました。  本来自らのものでない陽根を使っているのである程度の身体への負担は織り込み済みでしたが、それでも万が一を考えて私は急ぎましたが、結局それは杞憂でした。 「ま、魔理沙、気持ちよすぎ……」  そんな呟きを私の腕の中でしたくらいでしたので。 そして改めて魔理沙さんをみると酷い有様でした。顔にも服の一部にも机にもパチュリー様の白濁液が降り注いでいました。  さすがに鼻も口にもついているせいか、魔理沙さんの寝顔が曇っていました。 「ねぇ、小悪魔」  私の腕の中で平静を取り戻していたパチュリー様に呼びかけられました。 「はい、なんでしょう」  裸のパチュリー様を抱きかかえていると、そのまま別なことを致したくなりますが、一応用件を伺うことにしました。 「ねぇ、私のミルク、小悪魔、あなたにあげるわ。悪魔なんですもの欲しいでしょう」  自分の喉がなる音が妙に自分でもはっきり聞こえました。魔理沙さんに降りかけられた白濁液、それは全部魔理沙さんのものだと思い込んでいたので、自分に回ってくるのはまったく想定していませんでした。マスターの白濁液、それは私にとってはレミリアお嬢様にとっての血液、以上の意味を持つものでした。  小悪魔としてパチュリー様に仕えてから、他の形でも力は戴いていましたが、陽根を源とする液体を戴いたことは一度たりともありませんでした。  もう一度私は喉を鳴らしてしまいました。 「本当によろしいのですか?」  念のため、私はパチュリー様に確認しました。こういう形ではあっても魔理沙さんとの情交の結果の産物です。使い道はいろいろ考えられたでしょうから。 「いいのよ、私は疲れているんだから、二度も言わせないで」 「あ、ありがとうございます」  私はゆっくりと立ち上がりました。目の前には魔理沙さんと、そしてパチュリー様の白濁液が散乱していました。 「いただきます」  私は思わず小悪魔らしくないと笑われる原因となっている挨拶をしてしまいますが、本当にそういう気持ちでした。  私はまずは魔理沙さんの眼鏡についたパチュリー様の白濁液に舌を這わせました。魔理沙さんに直接接していないそこが一番純粋にパチュリー様の味を残しているように思われたからでした。  舌に載った白濁液が私の口内に広がり、そして飲み下しました。まるで強い酒精をそのまま飲み下したときの様に、通り道が熱く火照りました。  その後は覚えていません。私は魔理沙さんの顔に降りかかった白濁液を舐め取り、吸い取り魔理沙さんの顔を綺麗にしていきました。魔理沙さんの唇から直接口で吸い取ろうとした時にパチュリー様にものすごい剣幕で止められたのだけははっきり覚えています。 アグニシャインコワイ。  魔理沙さんが目を覚ましたときには、パチュリー様の魔法で魔理沙さんの服も髪も周りの液体も綺麗にしておきました。私もパチュリー様も身体を清めて服を交換することも忘れていませんでした。 「ふぁぁ、んっ、なんだ私寝ちゃってたのか」  魔理沙さんは自分に掛けられていた毛布を確認して、そんなのんきなことを言ってくれました。さすがに私もパチュリー様も、最初は平静を装うのは大変でしたが、魔理沙さんの紅茶くれ、の一言でいつも通りの私たちに戻ることができました。  眼鏡を外して机に置いた魔理沙さんは、身体を伸ばしながら紅茶と朝食代わりのビスケットを胃に流し込んでいました。  そしてパチュリー様との他愛無い話に花を咲かせていました。  昨晩はあんなに乱れたパチュリー様なのに今の落ち着いた姿は……と、私は昨晩のことを思い出しそうになり、頭を振り、それを頭から追い払いました。  紅茶を飲み干した魔理沙さんはもう一度眼鏡をかけようとして首を傾げました。 「なぁ、この眼鏡、こんなに汚れていたか?」  私は思わず声を上げそうになり、その声を飲み込んでむせてしまいました。パチュリー様は服や髪は浄化の魔法を使っていましたが、眼鏡はしていなかったのを唐突に思い出したからです。 「んっ、どうした風邪か?」 「貴女が昨晩持ち込んできたんでしょう。眼鏡はつけたまま寝ちゃったから、手で汚れたんでしょう」 「そうか? そんな汚れには見えないんだけどな」 「いいから、貸しなさい」  そう言って、パチュリー様は魔理沙さんの手から眼鏡を取り上げてしまいました。パチュリー様が魔理沙さんからものを奪うという光景は新鮮でした 「うおっ、何をするんだ」 「ほら、小悪魔、洗ってきなさい」  そうして私の手の中に魔理沙さんの眼鏡が転がり込みました。確かに手で汚れたようには見えない汚れです。というか私が最後にパチュリー様の白濁液を舐め取ったと思われる後がはっきりと残っていました。  私は自分の顔を魔理沙さんに見られないように急いで振り返りました。 「それじゃ、洗ってきますね」 「おう、よろしく」 「頼んだよ」  パチュリー様のその時の顔でぴんと来ました。パチュリー様は分かっていてそのままにしていたんだと。今は落ち着いた雰囲気ですけど、中身は昨晩のままであることを。  私は魔理沙さんの眼鏡を持って、流しに向かって羽根を羽ばたかせました。   * * * * * * * * * * * * *  どうです、パチュリー様は立派な魔女でしょう。あなたの想像と違ったもしれませんが、魔女の多面性の発露だと思ってください。  パチュリー様に会って見たい? 駄目ですよ。今パチュリー様は例の薬の配分中です。あと何回分あるんでしょうね。あの薬。  またやるつもりなのか、ですか? さて、それはパチュリー様のお心次第でしょう。もしかしたら配分してるのは咲夜さんの分かもしれませんし、それ以外の用途かもしれません。  もしかしたらあなた用かもしれませんよ。  え、お茶のお代わりは要りませんか。残念です。  ここは吸血鬼の館、お帰りは気をつけて。