グリモワール オブ マリサ からの引用があります。 「で、どういうことなの、これ?」  霊夢がうんざりした表情で鎖を持ち上げる。うんざりする気持ちは分からんでもない。  自分のスペルカードが終了したと思ったら、自分の首に鎖、いや首輪がはめられていたら、誰だって同じリアクションをするに決まってる。 「しばらく何の連絡もなしに来なくなったと思ったら、いきなりやってきて弾幕挑んできて、しまいにはこの扱い?  魔理沙、わけわかんないわ」 「そう拗ねるなって」 「拗ねてなんか……」  霊夢の拗ねた顔に思わず顔がにやけるのを止められない。まさか初回からこんなに上手くいくとは思っていなかった。  霊夢に弾幕で一方的にのされたのが一月前。それから私は「グリモワール オブ マリサ」をひきながら霊夢対策に頭をひねり続けた。  おかげで霊夢と合うのは一月振り。  ちょっと淋しかったけれど、その果実がこの今の霊夢の姿だ。  私の手には、霊夢の着けている首輪の鎖。  「グリモワール オブ マリサ」を読み返しながら、こんな霊夢を待っていたんだ。 >> 妬符「グリーンアイドモンスター」 >> (中略) >> もし自分が奴隷タイプのスペルカードを開発するとしたら何を奴隷にしたらいいのか。普段から奴隷を見つける目で生活したいぜ。  本当に。  ここでひらめいたんだ。霊夢を奴隷にしちゃえばいいじゃないか。  霊夢、何も考えずにスペルカード使うことがあるだろ。そこで私の奴隷になれば、霊夢は敵なしだぜ。まあ、主人である私が敵なしになるんだけどな。 >> 神技「八方鬼縛陣」 >> (中略) >> 動けなくなった間抜けな霊夢を見ても、手も出さずにじっとしていられるか、それが最大の問題だ。  確かに手を出さずにはいられなくて何度それで負けたことか。  でも、もし、私が直接手を下すのではなく、当たり判定のないもので霊夢をどうにかすることができれば……? 「その結論がコレってわけ?」霊夢が鎖を持ち上げる。その鎖の端は私の手の中にある。 「そうだぜ。二週間かけて作った、スペルカード中にスペルに反応しないで相手を拘束するマジックアイテムだ。相手が全く回避しないことを前提に作ったから簡単だったぜ。分かってると思うけど弾幕中無防備な霊夢がいけないんだ」 「スペルカードルールをなんだと思ってるのよ」 「『油断大敵』だな」  霊夢は溜息をついて、持ち上げていた鎖を離す。鎖の金属音が響き渡る。 「まあ、スペルカード中に首輪はめられるような状況では負けを認めるしかないかしら」  思ったより簡単に負けを認めたな。きっとここでごねてくると思ったから、口八丁手八丁と霊夢を丸め込む手管を考えてきたのに。 「それでもよ」 「ん?」 「私が『八方鬼縛陣』使わなかったらどうしようと思ってたの?」 「その時はその時、正々堂々と挑むだけ。まあ、何となく今日の霊夢は『八方鬼縛陣』使ってくれそうな気がしてたんだ」  霊夢に関する勘は少しばかり自信があるんだぜ。本人には恥ずかしくて言えないけど。 「はあ」霊夢は溜息をつく。「で、私は何をすればいいわけ?」  霊夢の質問に私は凍ってしまう。  霊夢が随分素直に言うことを聞いたのもあるけれど、実際何をするんだろう。  弾幕? 今は異変中じゃない、相手はどこにいる。唯一相手になりそうな霊夢は、今や私の「奴隷」だし。私と霊夢が組んだら、その辺の野良妖怪では相手になるわけがない。  合体スペル? そのためには霊夢と打ち合わせしないと。でも霊夢を奴隷にすることばっかり考えていて、実際どんなスペルを作るべきか何も考えてなかったぞ。 「……」 「じゃ、まずは昼飯かな」 「はいはい、分かりました。ご主人様」 「ゴ シ ュ ジ ン サ マ ?」 「あら、私は魔理沙の奴隷なんじゃないの。奴隷が欲しくて、こんなマジックアイテムをわざわざ作ったんでしょ。それなら魔理沙はご主人様になるわよね」 「そうだけど、別に、そんなつもりは……」 「いいから。ほら、魔理沙が鎖持ってるんだから、一緒に来てくれるか離してくれないと台所にも行けないんだけど。  それとも魔理沙は、今から帰って一人淋しくお昼ご飯かしら」  霊夢は自ら奴隷だと宣言したというのに、どうして奴隷霊夢――ドレイムって言ったら睨まれた――に主導権奪われているんだ?  弾幕勝負(?)に負けて、首輪付けられて、奴隷宣言した霊夢が何故か楽しそうに、私を鎖ごと台所に引っ張っていく。  まるで元気な犬の散歩みたいだ。  それにしてもご主人様か、何か背中が痒くなってしょうがないぜ。  てっきり一発くらい殴られるかと思っていたのに。  鼻歌と共に霊夢は昼飯を作っている。私は鎖を握ったまま。鎖の長さは十分あり、しかも軽量化の魔法をエンチャントしてあるので、飯の準備には大した支障はない。  それにしても改造巫女服の上にエプロン、鎖のついた首輪添えときたものだ。いっそ猫耳でもつけたらどうだろう。  ……。  ないなー。  いや、見た目は可愛いのかもしれないけれど、霊夢のことだ。猫耳に照れてくれないであろうことは容易に想像できる。それはあまりに淋しい。  霊夢の性格は猫なのに。  私が馬鹿なことを考えていると、霊夢が大皿を持って私の前にお盆を突き出してくる。 「ほら、ご主人様、ご飯出来たわ。持っていくの手伝って」 「奴隷とは思えない態度だな」 「お蕎麦が乾いちゃうでしょ。ほらほら、きりきり働く」 「へいへい」  なんか呼称が変わった以外いつも通りな気がするんだがな。  お盆に載せられた食器を、霊夢と一緒にちゃぶ台に持っていきながらそんなことを考えていた。  霊夢は風通しの良い居間で、だらしなく畳に寝っ転がっている。  鎖は未だに握っているんだけれど、別に手放しても問題ない気がしてくる。霊夢は全く動く気配を見せない。ナマケモノか、こいつは。 「なあ、奴隷らしく働かないのか。掃除したり。ご飯食べた後、洗い物しかしてないじゃないか」 「んあー、だから洗い物したじゃないの。ご主人様が掃除してきて。箒はいつものところに置いてあるわ」 「はあ」本当に働く気がないのな。それに洗い物を半分やったのは私だ。 「何かいろいろどうでも良くなってきたぜ」 「それじゃ、一緒に寝る?」  その一言に私はドキリとしてしまう。 「あら、ご主人様ったら何を想像したのかしら」にししといった表情で霊夢が笑う。 「知るか、ドレイム」「むっ」  霊夢が何か言おうとするけれど、私も霊夢と一緒に寝っ転がることにする。  枕は霊夢のへそまるだしのお腹だ。  後頭部に柔らかい感触。 「ちょっと、重いわよ」 「奴隷が文句言わない。奴隷がお腹丸出しで寝て、風邪を引かないようにしてるだけだぜ。  奴隷の体調管理も主人の役目なんだ。知らなかっただろ」 「あら、優しいご主人様だこと」  霊夢の表情を見ることはできない。夏の陽光はすだれ越しにもまぶしくて、腕で目隠しをしているからだ。  ただ霊夢の指が私の髪の毛を弄っているのは判る。  蝉の鳴き声が響き渡る。  ほかに聞こえるのは霊夢の呼気とわずかに聞こえる霊夢の心音。  そして風が吹くたびに、境内の榊の葉やすだれの擦り合う音。そして素焼きの風鈴のくぐもった音。  風が私の肌に滲み出る汗を吹き飛ばしてくれる。  霊夢のお腹に乗せた後頭部は、私の汗か霊夢の汗で少し湿気を帯びてくるけど気にしないことにする。  どのくらい経ったかのかは分からない。  きっと百や二百数えるような時間だと思う。  その間、霊夢はずっと私の髪の毛を触っている。 「あっ」  霊夢が私の髪の毛を何房か持ち上げながら、妙な声を出した。 「ご主人様の枝毛発見。ちょっと待っててね、切ってあげる」  私の後頭部から、霊夢のお腹が逃げ出そうとする。私達が寝転んでいるところからは鏡台は大分離れている。きっとその鏡台にハサミを行くんだろう。  空いている手で霊夢の袖を捕まえる。今はずっとこのままでいたかった。 「いいよ、また今度。今はこのまま枕でいてくれ」 「はいはい、ご主人様」 「うむ、良き枕じゃ」 「誰の真似よ」 「輝夜あたり?」 「口調が違うでしょ」 「昔はそんな口調だったんじゃないかな」 「どうかしら……」  霊夢は何かを言い続けている。けれど私の意識が付いていかなくなってくる。  そういえば、首輪の微調整で昨晩はあんまり寝てない。  けれど本当にいい枕だ。こんなに眠くなるだなんて……。  喉の渇きで目を覚ました。 「ご主人様、おはよ」 「へ?」  霊夢に妙な呼ばれ方をして、霊夢がますますおかしくなったのかと一瞬疑って、そして思い出した。  霊夢はまだ止めるつもりはないらしい。 「あ、あぁ、おはよう。あー、喉が渇いた」 「私もよ。先に起きてたんだけどね」 「それなら……」 「はいはい、その続きは鎖を離してから言ってよ」 「あっ」  私は昼寝している間ずっと鎖を握り締めていたのか。これでは霊夢の行動範囲は居間か縁側に限定されてしまう。 「……、別に握っていなくても私は逃げないわ」 「まあ、こんな暑くちゃ、神社から出ないのは分かってるよ」笑いながら応える。 「……、そうね」  霊夢は私に背中を向けて立ち上がろうとしていて、その時の表情を見ることはできなかった。  でも何となく、何かを言うべきなのは分かっていた。  けれど、先に口を開いたのは霊夢だった。 「それじゃ、麦茶でも飲みましょうか。そしたら本題にでも入る?」 「本題?」 「何言ってるのよ、この首輪は何のために着けてるのよ」 「あ、ぁ、霊夢を奴隷にしたスペルのため……」 「ほら、その話をするんでしょ。それじゃさっさと起きなさいよ、ご主人様」  霊夢に手を引っ張られ無理矢理起こされる。昼寝のせいか、少し頭がくらくらするけれど、冷えた麦茶の誘惑には勝てない。  霊夢に手を引かれて台所へ向かう。霊夢の手も私の手も熱暑の大気で温められて汗ばんでいた。 「結局、ご主人様はどんなスペルが欲しいのよ!」  ご主人様って呼びながら、怒鳴るなよ。奴隷の自覚ないなあ。 「んー、奴隷が頑張ってくれて私が楽できるのがいいよな。でもやっぱり綺麗なのが一番だよな。  大入り袋とかじゃなくて、星みたいにきらきら輝いているのが」 「はあ、それなら私じゃなくて、ご主人様が直接弾幕出せばいいじゃないの」 「でもなあ、霊夢の宝珠だって綺麗だと思うんだよ」 「何言ってるの。さっきご主人様の星弾との組み合わせを却下したの誰だったかしら」 「へいへい、私ですよ、ご主人様ですよ」  なんだかんだで晩飯まで作らせてしまって、しかも食事中までご主人様って呼ばせていると、初めの頃にあったあの背中の痒さはどこかへ行ってしまった。  霊夢もいろいろ言いながらも私のスペルカード作成に協力してくれるし。 「はあー」私は畳に倒れこむ。  イメージは出来てるんだ。私と霊夢の弾幕が、こう歯車のようにはまった感じ。  でもそれを霊夢に言葉で表現してやることができない。  きっと伝え切れていないのは霊夢も分かってるんだろうな。  私から聞き出そうと、いろいろ頑張ってくれてるし。  机の向かいに座っていた霊夢が鎖の擦れる音を立てながら、私の隣に座ってくる。 「ご主人様、今日は終わり?」  霊夢にそう言われて時計を見ると、時計は既に九時過ぎを指している。 「んー、そうだな。大分煮詰まってるし、今日はいいかな」 「それじゃ、蚊帳でも準備していいかしら、泊まっていくんでしょ」 「んー、どうしようかな」 「泊まって行かないの?」  霊夢が私の顔を覗き込んでくる。  というか、顔近いって。 「決めてない!」  私は霊夢から顔を逸らすために、逆側に寝返りを打つ。 「そうだ、風呂にしようかな。霊夢、風呂沸かしてくれ!」 「んふふー。それじゃ、体を洗ってあげましょうか。ご主人様」 「ば、馬鹿っ! いいよ、ご主人様が八卦炉で風呂沸かしてやるから、代りに一番風呂はもらうぜ」  私は風呂に逃げ込んだ。そして手に馴染み始めたあの感触がなくなっていることに気付いた。  一日霊夢を縛り付けていた鎖、もうその鎖は私の手にはなかった。  私が帰ってくると、居間には蚊帳が吊るしてあって、蚊取り線香の煙まで漂っていた。  そしてその中には布団が二組。そして冷えた麦茶。 「まったく出来た奴隷だぜ、でも麦酒じゃないのはいかんなあ」  それでもその麦茶は風呂で汗を流した体に吸い込まれていった。  そうこうしているうちに霊夢も風呂から上がってきた。 「ちょっと、ご主人様。真夏なのにお風呂熱過ぎでしょ」 「いい汗かいた方がぐっすり眠れる……ぜ……?」  いつも通りの寝巻き、襦袢に身を包んだ霊夢。熱い風呂のせいか肌は赤く火照っている。  そして…… 「自分でつけるの大変よね、これ」  霊夢の首には、首輪が巻かれていた。  風呂に入る前とは巻き方が逆なので、湯上りに自分でつけたんだろう。 「なあ、霊夢、その首輪……」 「何、ご主人様。外していいって言われてないからね。でもお風呂でつけるのはさすがに嫌だから一旦外させてもらったわ」 「これから寝るって言うのに……」 「あら、外していいの? 奴隷として何か至らないことでもあった? これでクビ、無罪放免かしら」 「……、まあ、いいや」 「そう……」  霊夢が私の隣に座る。  いや隣と言う表現は微妙だったかもしれない。  隣接とか密着とか、そんな感じ。湯上りの石鹸の香りが漂ってくる。どうして同じ石鹸を使ったはずなのに、霊夢はこんないい香りがしてくるんだ。  いや、いやいや、待て、私。  今は他に考えることがあるだろう。  どうして、霊夢が、こんな、熱い、視線で、私を、見て、来るか、とか。 「ご主人様、夜伽に参りました」簡単に布団に押し倒されてしまった。 「れ、霊夢、や、やめっ」 「堪え性のないご主人様ね」  霊夢に簡単に丸裸にされてしまった私は、霊夢に後から抱き締められて逃げ出すこともかなわない。  そして霊夢の指が、巧みに私のナカをかき回してくる。 「ご主人様のここ、びしょびしょになってるわ。私ごときでこんなに感じてもらえるだなんて光栄ね」 「霊夢、なんか咲夜っぽい……」 「こんな時に他の女の話をするなんて」  やばい、設置型弾幕を踏んだか。正直に言い過ぎた。 「そんな躾の行き届いていないご主人様には指二本入れてあげるわ。両手のね」  私のあそこが霊夢の指で押し広げられていく。今までの霊夢の指二本とは段違いの圧迫感に私は布団を握り締めて耐える。 「大丈夫?」耳元で霊夢が囁いてくる。 「はぁ……、うん、大丈夫」息を大きく吐いて深呼吸をすると少し楽になる。 「それじゃ、動かすわね。ご主人様のナカ、これでもっと良く分かるわね。ほらここのヒダとか」 「ひっ」  霊夢の指が私のナカの壁を擦る度に、私は背骨から溶けていきそうになってしまう。 「霊夢……」 「なあに、ご主人様」 「も……」  霊夢の指でおかしくなりそう。いやもうおかしい、我慢できない。 「もっとして……」  霊夢にして欲しい。触って欲しい。もっとキスして欲しい。  甘噛みして欲しい。舐めてほしい。撫でて欲しい。  さすって欲しい。揉んで欲しい。囁いて欲しい。  摘んで欲しい。齧って欲しい。匂いをかいで欲しい。 「霊夢……、もっとして……」 「えっちなご主人様。いいわ、してあげる」  うなじを霊夢に吸われながら、あそこをかき混ぜられる。  霊夢の鼻息が聞こえるくらい、霊夢は一生懸命に私の肌を吸ってる。  きっとキスマークが出来るだろうけど気にしない。霊夢に付けられたならいいや、そう思えるくらい気持ちいい。 「ご主人様、そんなに腰動かして、気持ちいいのね」 「うん、霊夢の指、気持ちいい。あっ、そこっ、気持ちいいの。霊夢に触られたら……」  一番感じるところに霊夢に指が擦り付けられちゃうと、下半身だけでなく、全身が震えちゃう。  口から涎がこぼれた気がする。でもいいや。 「霊夢、そ、そこが気持ちいいの、もっと気持ちよくして……」 「ご主人様、そんなに気持ちよさそうな顔しちゃうなんて。ほら、もっと私で気持ちよくなっていいわよ」 「うん、霊夢……、もっと気持ちよくして、気持ちよくして」  霊夢の指が激しく、優しく動いて私を持ち上げていく。 「霊夢ぅ、そこ、そこが気持ちいいのっ」 「ご主人様、いっちゃって、いっちゃっていいのよ」 「や、や、やぁぁぁぁぁぁぁ」  私の頭の中がマスタースパークみたいに真っ白に溶けていく。  霊夢……。私は霊夢に抱き締められながら、意識も白く溶かしていった。 「んあ?」 「あら、気が付いた?」 「霊夢……」  霊夢の腕枕。そして霊夢と裸で向き合っているというのに、不思議と気恥ずかしさは感じない。 「私、どれくらい?」 「十分くらいかしら」 「そうか……」  私は霊夢の首輪から伸びる鎖を握り締めて、霊夢の胸に顔を埋める。  多少私より大きい胸は先ほどの交わりのせいか、汗の香りがする。  口付けをするとやっぱり汗の味がする。 「もう、ご主人様ったら」  ああ、まだするんだ、奴隷とご主人様。私としては拒否する理由は何もないけど。  無心に霊夢のおっぱいを吸う。  何も出ないし、人に自慢できるほど大きいものではないけど、霊夢のおっぱいはいいおっぱいだと思う。 「奴隷ってことは、このおっぱいも私のものってことだよな」 「そうね」  私のものらしい。気兼ねせず霊夢の胸の谷間に顔を埋める。  肌触りが耐えられない。この極上の絹のような。  そう言ったら、霊夢にご主人様もよって言われた。言われると恥ずかしいものだな。 「で、霊夢」 「なあに?」霊夢が満面の笑みで応えてくる。きっと質問は想像できているんだろう。 「さっきから私のお腹に当たっているものはなんだ?」 「分からない?」 「分かりたくない」 「じゃ、分かってるのね」 「否定はしない」  そう分かっているのだ。私が前から霊夢の胸に抱きついているので、当たるのはちょうど私のお腹になる。 「昼間、ご主人様言ったわよね」  逃げ出したいけれど、霊夢に抱き締められていては無理話だ。  逃げ出したいけれど、霊夢の目は許してくれそうにない。  逃げ出したいけれど、逃げ出したくないのも本音だ。 「奴隷の体調管理も、ご主人様の勤めのうちなんでしょ」 「そう、だな」 「じゃ、これを治めるのもご主人様の勤めよね」  霊夢が私のお腹に押し付けてくる。 「いや、ほら……。霊夢、それはだな!」 「ご主人様、私とするの嫌かしら?」  そこで……、そんな真面目な顔しなくてもいいだろ。霊夢。  それに嫌だなんて言ってないぞ。  でも、直接言うのは恥ずかしいから。  霊夢の胸に顔をもう一回埋める。  そんな私の頭を霊夢が撫でてくれる。 「いいぜ、霊夢」  そう言った瞬間、私の頭を撫でていた霊夢の手が止まる。 「いいの?」  その言葉と共に霊夢の手の動きが再開される。私は霊夢の胸の中で頷いた。  霊夢の胸から引き剥がされてしまう。  霊夢に見つめられるが、耐え切れず目を逸らしてしまう。 「ありがと、ご主人様」 「霊夢だから、な」  もっと言おうとしたけれど、霊夢に唇を塞がれた。  そして霊夢のおちんちんが私のあそこに当てられた。  それだけで霊夢のおちんちんが脈打っているのが伝わってくる。 「んっ……」  霊夢のおちんちんが入ってくる。私のナカに霊夢の熱いのが。 「ご主人様のナカ、温かいわ」 「霊夢の硬いぜ……」  熱帯夜でこうして抱き締めあっているとお互いの汗で肌が張り付くように感じる。けれどそれが気持ちよかった。  私は霊夢の背中に手を回す。そして私の上で霊夢が腰を動かし始める。 「どう?」 「んっ、ご主人様のナカ、熱くて、狭くて、気持ちいい」 「そうか、そりゃ、良かったぜ」  そう言うけれど、私も必死だった。霊夢のおちんちんでナカを擦られただけで、私は思わず気をやってしまいそうになった。  それほど霊夢のおちんちんは気持ちよかった。  まるで私のために作られたかのように、私の気持ちいい部分を攻めてくる。 「れ、霊夢……」 「ま、ご主人様、気持ちいい? 私は気持ちいいわ。魔理沙のナカ、きつくて、熱くて。  こんなに気持ちいいなら、ずっとこうしていたいわ」 「私も……」 「嬉しいわ、ご主人様」  そういって霊夢がキスをしてくれる。  霊夢と私の舌が絡み付く。  こういうキスは私の方が上手だ、そう思ってる。  霊夢のキスはなんというか、自分からしてくるだけで、なんとなくずれている。だから私はそれを誘導する。  私も霊夢も感じれるように。キスだけで水音が立つくらいのキスをする。  その間も霊夢は、私のあそこに腰を打ち付けてくる。  付けっぱなしの首輪の鎖を引っ張って、霊夢の唇をもっと私に押し付けさせる。  私達の間でキスがずっと繰り返される。息継ぎをする時間も惜しい。  このまま霊夢とキスを続けていたら、窒息しそう、そう思うくらい霊夢とキスを続ける。  霊夢が腰を打ち付けるために体を動かすたびに、私の胸に霊夢のおっぱいがぶつかってくる。  霊夢の揺れるおっぱいを右手で触ってみる。 「んっ」という声と共に、それを合図とするように、霊夢との長いキスが終わってしまう。 「霊夢、気持ちよかった?」 「ご主人様、最高よ」  ようやく霊夢から主導権を奪取する事ができた、と思った。  けれどそれは更なる霊夢主導の始まりだった。  霊夢の腰が私の体に当たって、卑猥な音を立てる。私に出来るのは霊夢をできるだけ受け入れることだった。 「はっ、んっ、やぁ、霊夢。そんなに激しくし、しないでっ」 「ご主人様が気持ちよくなってくれればいいのよ」 「んっ、こ、これは霊夢のを治めるためだろ」 「あら、もっと気持ちよくしてくれるのね。それじゃ、もっと激しく行くわよ」 「やっ、あぁ、霊夢、そんなに激しくしないでっ」  私の奥底をこじ開けるように霊夢のおちんちんが私のナカに突き立てられる。  その度に私の目に火花が飛ぶ。  いつのまにか私はうつ伏せにさせられて、後から霊夢にされる体勢になっていた。 「ふぁぁぁ、霊夢のおちんちん、んっ、奥に当たる。私のナカ、全部霊夢に突き込まれそうっ」 「ご主人様のナカ気持ちいい、こんなに気持ちいいの我慢できないわ」 「や、霊夢のもう我慢できないの?」 「だ、だって。ご主人様。こんな動物みたいな格好で、ご主人様に入れられるだなんて。  ご主人様のお尻も背中も丸見えなのよ。我慢できるわけないわ」  霊夢にそんなに見られているだなんて。  けれどそんな恥ずかしさより、今は霊夢によって犯されているという快感が勝っていた。 「霊夢、出していいぜ、私……霊夢が欲しい……」  私の全部を霊夢色に染め上げて欲しかった。  快感だけじゃなくて、霊夢と体を引き離した後も霊夢を感じたかった。だから私のナカに全部出して欲しかった。 「ご主人様、いいの? 私もご主人様のナカに出したいの。もう我慢できない!」 「出して、霊夢、私のナカに出してっ」 「出ちゃう、魔理沙、私の精液受け止めて、魔理沙っ」  霊夢に名前を呼ばれた。ただそれだけで私はいってしまった。  霊夢が私の中に、何度も何度も射精す度に私は温かい気持ちに包まれた。  霊夢がおちんちんを抜き去ると、そこからは霊夢の出し過ぎだろうという量の精液がこぼれだしてきた。 「ご主人様に出した精液もったいない」霊夢はそう言って、口移しで霊夢の精液を飲ませてくれた。  私の愛液と霊夢の精液がまじった味は、すごく微妙な味だったけれど、霊夢が出したものと思えば残すことはできなかった。 「太陽がまぶしいぜ」  夏の短い夜とは言え、徹夜は堪える。  一晩中、霊夢と……。何度体を重ねたか数えるものばからしい。  ナカに出された回数と体に数えられた回数がそれぞれ、片手が足りなくなる回数だった。  恥ずかしすぎるぜ。  そして霊夢は元気だった。先に起きて鼻歌を歌いながら朝御飯を作っている。 「さあ、ご主人様。朝御飯よ」 「お、おう……」 「さっさと食べて、今日もスペルで一勝負よ。奴隷としては他の人と弾幕るときに手伝ってあげるから」 「そうか、そうだな」  霊夢の作ってくれた味噌汁でご飯を流し込みながら、気の無い返事をする。  そんな私の目を覚ましてくれたのはやっぱり霊夢だった。 「ねえ、負けた方が奴隷、勝った方がご主人様よね、やっぱり」 「……」 「『ご主人様』に何て呼んで貰おうかしら。  それとやっぱり『ご主人様』には、エプロンだけが似合うと思うのよね。首輪より」 「……」  霊夢の笑顔、良い笑顔だな。  なあ、冗談だよな。  まあいいか。 「今晩も霊夢に夜伽させてやるぜ」「あら、今晩は『ご主人様』に夜伽させてあげるわ」  霊夢と笑い合う。今日も大変で楽しい一日になりそう。