この人は私と詩子の前に全裸で仁王立ちになっている。  私たちも一糸まとわぬ姿でひざまずかされている。この人の両手は私達の頭に置かれて いる。その手を振り払うことはとても簡単なことだったけれど、私達にそんなことはでき なかった。  そして私たちは命じられなくても、その人のおちんちんを舐め続けていたと思う……。  詩子の瞳は靄が掛かったように焦点が合っていない。さっきからずっとこの人のおちん ちんを舐め続けているから、詩子の口の周りは涎だらけになってしまっているけど、詩子 はそんなことは気にしてないみたいで、今度はこの人のおちんちんを横から咥えるように して愛撫を続けている。  詩子のそんな痴態も、私には全然気にならない。だって詩子が私を見ても、多分詩子と 同じようなひどいありさまだろうから。  私も詩子に合わせてこの人のおちんちんを横から咥える。私が舌を伸ばしておちんちん を舐めると、この人はとても気持ちよさそうに表情を崩す。そんなこの人の表情をもっと 見たくて、私は一層舌を動かす。  と、私と詩子の舌先が、この人のおちんちんの上でぶつかってしまう。お互いの舌のぬ るりとした感触を感じると、私たちの舌は自然と絡めついてしまう。この人のおちんちん から分泌された液と私達の唾液が、舌の上で混じり合う。  私たちは舌だけでなく、唇も重ねあって求め合う。この人のおちんちんを舐めていたと きとは違う、濡れた粘膜同士の睦みあう水音がする。詩子の舌が私の中に入り込んできて、 私の口の中をかき回してくる。  詩子の口技には私はとても敵わなくて、私の口は詩子の舌で蕩かされてしまう。私はた だ詩子の舌で犯される事に悦びを感じるだけだった。  ふと見上げると、この人が非難の目で私達を見つめている。詩子も少し経ってそのこと に気付いたようで、私の唇を責めるのを止めてしまう。  私は詩子がいなくなってさみしくなってしまった口でいい訳をしたけれど、この人はま ったく納得してくれる様子はなかった。詩子もなんとかこの人の機嫌を直そうと、私に言 葉添えをしてくれたけど、ほとんど効果があったようには見えなかった。  この人は私達の言い訳の途中で、私達の間の間にそれぞれ自分の足を一本ずつ差し入れ てきた。その足は止まらずにどんどん私達の足の間に入り込んできて、その足は太股を押 し開くように私のあそこに近づいてくる。  私は思わず声を漏らしてしまう。その足が私のあそこに当って、私の体にパルスが走っ た。そこは今日はまだ一回も触っていなかったけれど、この人のを舐めていただけで、す でに恥ずかしいくらい潤っていた。  この人は、ゆっくりと足を動かして、私のあそこを擦りつける。それだけでも私には全 然気持ちよくて、私の体がざわついてしまった。でもこの人はそれ以上のことはしてくれ なかった。それでも足はまだ私のあそこに宛がわれたまま、この人は私達をじっと見つけ るだけだった。  まさか自分でしろというのですか?私は問い掛けるように、この人を見上げると、その 人は笑って頷くだけだった。この人が望んだことを私達が拒めるはずもない。この人の太 股につかまってゆっくりと腰を動かす。それだけで私は喘ぎ声をあげそうになってしまっ て、あわてて口を閉じらなければならなかった。  この人が私の頭に置いた手で、私の頭の向きを調節する。私の目の前にこの人のおちん ちん、そしてその向こう側には、器用に自分のあそこをこの人の足にすりつけながら、こ の人のおちんちんをしゃぶっている詩子の姿があった。  私も詩子に負けないように、この人のおちんちんを舐める。でもこの人はそれだけでは 満足しないだろう。私はゆっくりとあそこをこの人の足に擦りつける。  私は声が出そうになるのを我慢しようとするけど、おちんちんを舐めるためにはどうし ても口をあけないといけない。でも、そうすると私の口からはあさましい声がもれ出てし まう。  できるだけ声が出ないように、唇をこの人のおちんちんに密着させてから、私はあそこ をこすりつけるようにする。こんな状況でも私はどんどん昂ぶっていってしまう。この人 の足で自慰をしているということが自分でもとても信じられない。でもこのことを思った 瞬間、私のあそこは一層疼いてしまう。  いつのまにか私は声を出さないようにするのも忘れて、詩子の様に喘ぐようになってい た。喘ぐたびに、口から快感が逃げていくようで、でもそれが私の中にもっと高い昂ぶり を生み出していった。  私はいつの間にか、詩子と同じくらい激しく腰をこの人の足にこすりつけていた。目の 前で詩子が同じことをして乱れている様を見せられると、それがまるで自分のハシタナイ 行為を映す鏡のようで、自分のしていることの淫蕩さが私の脳髄に染み込んでいく。  私はあんなハシタナイことをしているんですね。  そのことを頭から振り払おうと、私はおちんちんを舐めることに集中しようとする。で も、その行為も目の前で熱く蕩けた表情で詩子がしている。人の足で自慰をして、その上 その人のおちんちんを舐めて悦んでいる。私はそんなことをしているんだ、私はそんない やらしいオンナなのですね。  そう思いながらも私はもう、足にあそこをこすりつけながら、おちんちんを舐めること しかできなくなっていた。その人の足は信じられないくらい気持ちよくて、その人のおち んちんを舐めるだけで私の口の周りも溶けてしまいそうだった。  私の体全体がこの人を求めるようになっていた。あそこをこすりつけたり、おちんちん を舐めるだけでは耐えられなくなって、私は胸や顔とか体全体をその人にすりつけて、一 緒になろうとしていた。胸の先がこの人の肌に押しつぶされて、この人の汗ばんだ肌を感 じる。  この人の顔を見上げると、その人は目をつむって、せつなそうな表情をしていた。この 人も感じれくれている、その思いがおちんちんを舐める舌をより動かしていく。この人の 表情が愉悦にゆがみ、苦しそうに、気持ちよさそうに口が形作る。だがその人の口が響く ことはない。  でも私にも、そしてたぶん詩子にもこの人の声が聞こえてくる。  この人が悦んでくれることに、私の肉体も悦びを覚える。私はその人の足での自慰をよ り強くしながら、この人のおちんちんを詩子と二人で責め立てる。  突然この人の体がびくんと震えた瞬間、私達二人の顔に白濁液が降り注がれた。  この人の足で、私も最後のときを迎えた。私はそのこみ上げる快感に振り落とされない ように、この人の足につかまったけど、感じるのはその人の存在と、上半身に降りかかる 白濁液と、快楽だけだった。  射精が収まると、手でもう足を掴んでいることもできなくなった、体を投げ出すように 倒れこむ。ほとんど同時に詩子も同じように倒れこむ。  そしてこの人も崩れ落ちるように私たちの間に身を横たえてきた。私たちはあどけない 顔で半ば夢の間を漂っているその人に、両側からキスをして、一緒に夢を見ることにした。