「佐祐理さん、俺…、佐祐理さんと一緒にいたんだ。
 俺は…佐祐理さんのことが好きだから…」

俺の路傍での突然の告白に佐祐理さんは明らかに戸惑いながら、俺に返事をしてくる。

「でも、舞は…」

「舞は関係ないんだ。舞は確かに大切な女の子だ。
 でも、俺が好きなのは佐祐理さんなんだ」

「祐一さん…、ありがとうございます…、でも佐祐理は祐一さんの隣に立つような資格のある女の子じゃないですから…」

俺は喉から絞り出すように、その名前を出す。
「一哉くんのこと?」

佐祐理さんの顔色が変わるが、それでも声色は変えずに佐祐理さんは応える。
「はい、佐祐理はヒトゴロシですから」

「佐祐理さんっ」
俺は思わず、佐祐理さんを抱きしめてしまう。

「俺は…佐祐理さんにとってどのくらい大きい存在になれるかは分からない。それでも…佐祐理さんとずっと一緒にいたいんだ…」

「祐一さん…、本当に佐祐理とずっと一緒にいてくれるんですか?」

「はい」

「じゃ、約束を一つしてもらえますか?」

「はい…」

「本当にいいんですね?」

その佐祐理さんの儚い笑顔を俺は忘れることはできない。


  <永遠の詩〜深淵〜>


それからの俺達ははたから見たら、仲がいい恋人以外の何ものでもなかっただろう。
佐祐理さんがあまりにもまぶしくて、俺が釣り合っていないんじゃないかとかという意見もあるが。

確かに、仲のいい恋人には見えたかもしれないが、俺達の関係は…



俺達が付き合い始めて数ヶ月経った。
俺は佐祐理さんの部屋にいる。
佐祐理さんは大学入学と同時に両親に許可をもらい一人暮らしをしている。

今は夜の7時。
「ウチに泊まっていきませんか?」
その恥ずかしそうに言った佐祐理さんの態度。

おそらくそうなるんだろう。

俺はまるで人事のようにそんなことを考えながら、キッチンで料理を楽しそうに作っている佐祐理さんを見つめていた。


「どうぞ〜、たくさん食べてくださいね〜」
「いただきます〜〜」

もちろん言うまでもないことだが、佐祐理さんの料理に非の打ち所はなかった。

それを全て平らげ、俺と佐祐理さんはお互いにもたれかかりながら、TVの眺めていた。
TVでは若いお笑いの二人組みが喋っていたが、ただ喋っているだけという内容のないものだった。
俺達二人はただお互いの体温を感じていた。


そしてどちらともなく唇を重ねる。
「シャワー、浴びてきていいですか?」

俺がうなずくと、佐祐理さんは風呂に向かう。
佐祐理さんがいなくなった部屋で俺は一人TVを見続けていた。


佐祐理さんがシャンプーの香りを漂わせながら部屋に入ってくる。
ピンクのパジャマを着ている。

俺も佐祐理さんに促され、シャワーを浴びる。
俺は少し冷たい程度のお湯で体を流す。


風呂からあがるとキッチンは片付いており、TVも消えていた。
そして佐祐理さんはここにはいなかった。
あと部屋は佐祐理さんの寝室…だけだった。



俺の手の中で佐祐理さんが喘ぎ声をあげている。

そんな非現実的な状況ながらも、俺の頭は冷めていた。

俺が手で佐祐理さんの乳房を揉む毎に佐祐理さんは身をくねらせせる。

首筋にキスをするたびにくすぐったそうにする。

俺は佐祐理さんのあそこに俺のものを突き立てるたびに、嬌声をあげる。


俺は、ただそれを作業としてこなしているようだった。
佐祐理さんの肉体は気持ちよかった。
腰が痺れるようで、佐祐理さんに誘われるがまま、佐祐理さんのなかに何回出したのかも分からなかった。

それでも俺の頭はどこか高いところから、俺自身を見ているようだった。
そう佐祐理さんに名前を呼ばれるたびに。
「一哉」と。

そう呼ばれるたびに佐祐理さんとのあの約束を思い出す。

「約束…してくださいね。これから二人でいるときは佐祐理さんとは呼ばないでください。
 そして私に祐一さんのことを『一哉』と呼ばせてください」


そして佐祐理さんは俺の腕の中で俺の名前を呼ぶ。
「一哉」と。

「ふぁぁぁぁ、もっと、一哉、あぁぁぁ、んんんん」
俺は佐祐理さんの求めに応じて佐祐理さんの、中に突き立てる。

「ふぁぁ、ふぁぁ、あぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ」
佐祐理さんがまた達したようだ。
俺も佐祐理さんの中に精を放つ。

「ふぁぁぁぁ、私の中、一哉のでいっぱい…」
そう言って佐祐理さんは、自分の中からこぼれおちた、俺の精液を指ですくい舐めて飲み込む。

俺は佐祐理さんを抱きしめて、横になる。
「一哉…」
佐祐理さんは俺の名前を呼びながら俺にキスを求めてくる。
さっき俺の精液を舐めとっていた口だが俺は構わず佐祐理さんの唇を貪るように求める。
まるでそうすれば佐祐理さんが俺の名前をもう二度と呼ぶことがないかのように。

ずっとずっとそうしていたかったが、結局自分のほうから唇を離してしまう。


俺は佐祐理さんの胸の突起を舌で舐める。
「ひゃ、んん、あ、ん、ん」」
佐祐理さんが少しくすぐったそうに、そして徐々に気持ちよさそうに声をあげる。

俺は右手で佐祐理さんのあそこをいじる。
そこは俺の放った精液と佐祐理さんの愛液でぬめっている。

「ん、あ、あぁ、あぁ、はぁぁ、一哉ぁ」

俺は佐祐理さんの胸から喉を通って佐祐理さんの唇へと自分の口を動かす。

佐祐理さんは目をとじて、俺達は今日何度目かのキスをする。


佐祐理さんの頬に水滴が流れる。

「佐祐理…、どうして泣いてるの?」
「え?」
佐祐理さんが目を開けて、手で頬の涙をぬぐう。
「何を言ってるの?泣いているのは、一哉じゃない」

泣いている…俺が?
俺が泣いているのか?

佐祐理さんが俺の頭を胸に抱いてくれる。
佐祐理さんの胸の感触が心地よい。

「私に話してよ、一哉。私は一哉のお姉ちゃんなんだから」
「佐祐理…さ…」
「ダメよ、一哉。お姉ちゃんをさん付けなんかで呼んでは」
「うん」


「じゃ、今度は私が…」
そう言って佐祐理さんが俺のものに顔を近づける。
「初めてだからうまくできるか分からないけど…」

佐祐理さんが俺のものの先端を舌でちょっと舐める。
「うっ」
それだけで俺のものは鋭く反応してしまう。

そんな俺を見て佐祐理さんは満足そうな表情をして、俺のものを口にくわえ込む。
佐祐理さんが俺のものを…。
俺は佐祐理さんの喉奥深くまで佐祐理さんの口の中に俺のものを押し込む。

佐祐理さんが苦しそうな声を上げるが、徐々にやり方が分かってきたのか、俺のものへ口の中で刺激を加えるようになってくる。
「いいよ、佐祐理…」

俺の言葉を聞いて、佐祐理さんは更に口で俺のものを強く刺激する。
「う、あ、あ、さ、佐祐理…」
俺は思わず、佐祐理さんの口の中に出してしまう。
だが、俺が出すのを佐祐理さんは喉をならして飲み込んでいく。

「さ、佐祐理…」
「ふぅぅ、一哉。たくさん出したね…」
「うん…」

佐祐理さんは口から少しのよだれと俺の精液をたらしながら言う。
俺はそれを指でぬぐう。
「ん、ありがと、一哉」
「うん…」

俺は佐祐理さんをベッドに押し倒し、佐祐理さんのあそこをいじる。
「ふぁぁぁぁぁ」
そこは既に新しい佐祐理さんの愛液で濡れていた。
「あぁぁ、一哉ぁ」
「もう、気持ちよくなってるんだね、佐祐理」
「私…うん、一哉が気持ちよければ…私も」
「ありがとう…、お礼に…」
俺は佐祐理さんの最も感じる部分を強くひねる。
「ひゃぁぁぁぁ、ふぅぁぁぁぁ」

佐祐理さんの悶える姿を見ているだけで、俺のものはすぐに硬さを取り戻す。
「佐祐理…」
俺は再び佐祐理さんに俺のものを挿入する。
「あ、あ、あぁぁぁぁぁぁぁぁぁ」

そして佐祐理さんを激しく突きたてる。
「ふぁぁぁ、一哉ぁ、激しぃ、ひっ、ふぁ、あ」
佐祐理さんが俺の腕の中で愉悦の表情を浮かべている。
佐祐理さんの体も俺の動きあわせて、貪るように動いている。

「ん、ふぁ、きゃん、きゃん、きゃ、ふぁぁ、私、わたし、わた…」
「佐祐理…」
「ふぁぁぁ、ふぁぁ、あぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ」

佐祐理さんがぐったりとする。
俺は佐祐理さんの中から自分のものを引き抜く。

「佐祐理…」
「さん」
俺は佐祐理さんに絶対に気付かれない声で愛しい人の名前を呼ぶ。

そして佐祐理さんの隣に横になりながら、一人ごちる。
「いつまでも、ずっとずっと、一緒にいるから」


初出 2000/11/18

 ああ、ごめんなさい、ごめんなさい。
 なんかタイトルがONE+Airっぽいですが、違うとこから取ってますので。

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